上 下
26 / 115
第4話 飼い主はみんな親バカ

しおりを挟む
「欲しいなら、言葉にして言ってみろ」
「………」
 俺に恥ずかしいことを囁く炎珠さんとは逆で、刹はどうやら俺に恥ずかしいことを「言わせる」のが好きらしい。

「……咥えさせて、下さい……」
 恥ずかしくて目眩がしそうだ。刹も俺が耳まで真っ赤にしているのに満足したようで、唇の端を歪めながらファスナーを下ろしている。

「──ん」
 刹のそれは、炎珠さんとはまた違う色と形をしていた。大きさも刹の方がずっしりしていて重量感がある。二人のそれを一言で表すと炎珠さんのはハンサム、刹のはワイルドって感じだ。何言ってんだろう俺。

「は、ふ……」
 炎珠さんにしたのと同じように上唇と舌で挟み、軽く吸いながら頭を上下する。少しコツを掴んでいたからかスムーズにできたけれど、大きさが増した分顎に負担がかかってきつい。

「那由太、俺のと交互にやって」
 炎珠さんに言われて、俺は左右の手それぞれで二人のペニスを握った。
「はあ、ぁ……」
 炎珠さんのを咥えて刹のを扱き、次に刹の先端を啄んで炎珠さんの根元を緩く揉み込む。二人の体液の味は似ていた。それから、頭上で漏れる吐息も。

「ふ、……良い子だね那由太」
「目付きがエロくなってきたぜ」
 二本のペニスを交互に愛撫しながら、俺は俺で腰が疼くのを感じていた。

 変だ。

「那由太も勃っちゃったかな?」

 男のそれを咥えて興奮するなんて絶対に変だ。

「欲しいなら言葉で伝えろよ、にゃん太」
「は、……ふ」

 俺が興奮しているのは、前に刹にされたことを思い出してしまっただけ。そうに決まってる。
 断じて俺は変態じゃない。

「お、俺も……して……」
 ……多分。




「あっ、あぁ……や、ぁっ……!」
 既にカメラは止まっている。だからこんなことする必要はないんだけど、どうしても我慢できなくて。
「んんっ、あ……気持ち、いっ……」
「サボってねえで、ちゃんとやれよ」
「ん、んっ……」

 リビングの隅で俺は四つん這いになり、刹の股間に顔を埋めている。俺の股下では、仰向けになった炎珠さんが俺のペニスを口の中で蹂躙している。

「あっ、……あん、っん……!」
 それは気が飛んでしまいそうなほどの快感だった。
「那由太の×××可愛い。……ずっとしゃぶっててあげたい」
「や、あぁっ……えん、じゅ、さん……!」
「いっぱい吸い出してあげるね」
「ふあぁっ──!」

 涙でぐしゃぐしゃになった顔に、刹のそれが押し付けられる。熱くて硬くて、握った手が火傷してしまいそうだ。

「だめ、……あっ、もうだめ、イくっ……」
「その前にコッチを処理しろ」
「んぐっ……!」
 刹のそれを思い切り突っ込まれ、喉の奥で熱い体液をぶちまけられた。青臭い精液の匂いが口いっぱいに広がり、吐き出す暇もなく飲み込んでしまう。

「那由太」
 刹が俺の両頬に手を添え、顔を上げさせた。
「ん──」
 上から唇を塞がれ、隙間から入ってきた刹の舌が俺の舌を絡め取る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

初心者オメガは執着アルファの腕のなか

深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。 オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。 オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。 穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。

[完結]ひきこもり執事のオンオフスイッチ!あ、今それ押さないでくださいね!

小葉石
BL
   有能でも少しおバカなシェインは自分の城(ひきこもり先)をゲットするべく今日も全力で頑張ります!  応募した執事面接に即合格。  雇い主はこの国の第3王子ガラット。 人嫌いの曰く付き、長く続いた使用人もいないと言うが、今、目の前の主はニッコニコ。  あれ?聞いていたのと違わない?色々と違わない?  しかし!どんな主人であろうとも、シェインの望みを叶えるために、完璧な執事をこなして見せます!  勿論オフはキッチリいただきますね。あ、その際は絶対に呼ばないでください! *第9回BL小説大賞にエントリーしてみました。  

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

処理中です...