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ぜんぶ初めての夜
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「も、もういい……から、触るな、蒼汰っ……」
「まだ殆ど触ってねえんだけどね」
「だって、もう……頭くらくらする」
噎せ返るような甘い香りと湯気とが混ざり合い、視界は霞みがかかったようにぼやけている。
ようやく蒼汰が俺を解放し、浴槽縁に腰を下ろして濡れた髪を両手でかき上げた。上腕や鎖骨の辺りを柔らかな泡が滑り落ちて行く。割れた腹筋、引き締まった脚、少し赤みを帯びた頬と、半開きの唇から洩れる吐息──。悔しいが、思わず見入ってしまうほどに色っぽかった。
「俺もちょっとのぼせそう。こういうの、だいぶ久し振りだからな」
「……そっちは久し振りでも、俺は初めてだし」
「立てるか、翼」
蒼汰がシャワーの栓をひねり、手で温度を確認してから俺の肩に浴びせた。少し温いくらいの水が火照った肌に気持ち良い。だけど依然として反応したままの下半身を見られたくなくて、俺は湯船から立ち上がることができない。
「熱いだろ、そこから出て少し体を冷ませよ」
「だ、だって蒼汰、見るだろ」
「え? ああ、……そりゃあ見るけど、別に、気にしないようにするから」
よく分からない説得をされ、俺は渋々前屈みになった状態で立ち上がった。蒼汰に体の泡を流してもらい、ついでに背中を手で洗ってもらう。
「いつも家のことやって疲れてんだろ。背中流してもらうのも初めてなんじゃねえの」
「ん。……でもそれは蒼汰も同じだろ」
「俺はそこまで疲れてねえから。今日は翼に手伝ってもらった分、ちゃんと奉仕してやる」
「そ、そんなの別にっ……あ!」
油断していたら急に腰を絡め取られ、そのまま正面を向かされた。抱き寄せられた胸元に蒼汰の唇が寄せられる。俺の反応を楽しむように、上目に見つめられながら──
「うわっ、あ、やめっ……」
熱くなった乳首に唇が被せられ、ゆっくりと舌で転がされる。びりびりとした刺激が胸から背中に伝わり、背中から腰に行き渡り、不規則な痙攣となって溢れて行く。
「や、あっ……。い、いから……そんなっ……」
音を立てて乳首を吸われ、恥ずかしさと耐え難い刺激に涙が滲む。仰け反らせた背中は蒼汰がしっかりと支えていて、身を捩っても逃れることはできない。風呂場の壁に俺の声が反響するばかりだ。
何だか、どうしようもなく淫らな気分になってくる。
「まだ殆ど触ってねえんだけどね」
「だって、もう……頭くらくらする」
噎せ返るような甘い香りと湯気とが混ざり合い、視界は霞みがかかったようにぼやけている。
ようやく蒼汰が俺を解放し、浴槽縁に腰を下ろして濡れた髪を両手でかき上げた。上腕や鎖骨の辺りを柔らかな泡が滑り落ちて行く。割れた腹筋、引き締まった脚、少し赤みを帯びた頬と、半開きの唇から洩れる吐息──。悔しいが、思わず見入ってしまうほどに色っぽかった。
「俺もちょっとのぼせそう。こういうの、だいぶ久し振りだからな」
「……そっちは久し振りでも、俺は初めてだし」
「立てるか、翼」
蒼汰がシャワーの栓をひねり、手で温度を確認してから俺の肩に浴びせた。少し温いくらいの水が火照った肌に気持ち良い。だけど依然として反応したままの下半身を見られたくなくて、俺は湯船から立ち上がることができない。
「熱いだろ、そこから出て少し体を冷ませよ」
「だ、だって蒼汰、見るだろ」
「え? ああ、……そりゃあ見るけど、別に、気にしないようにするから」
よく分からない説得をされ、俺は渋々前屈みになった状態で立ち上がった。蒼汰に体の泡を流してもらい、ついでに背中を手で洗ってもらう。
「いつも家のことやって疲れてんだろ。背中流してもらうのも初めてなんじゃねえの」
「ん。……でもそれは蒼汰も同じだろ」
「俺はそこまで疲れてねえから。今日は翼に手伝ってもらった分、ちゃんと奉仕してやる」
「そ、そんなの別にっ……あ!」
油断していたら急に腰を絡め取られ、そのまま正面を向かされた。抱き寄せられた胸元に蒼汰の唇が寄せられる。俺の反応を楽しむように、上目に見つめられながら──
「うわっ、あ、やめっ……」
熱くなった乳首に唇が被せられ、ゆっくりと舌で転がされる。びりびりとした刺激が胸から背中に伝わり、背中から腰に行き渡り、不規則な痙攣となって溢れて行く。
「や、あっ……。い、いから……そんなっ……」
音を立てて乳首を吸われ、恥ずかしさと耐え難い刺激に涙が滲む。仰け反らせた背中は蒼汰がしっかりと支えていて、身を捩っても逃れることはできない。風呂場の壁に俺の声が反響するばかりだ。
何だか、どうしようもなく淫らな気分になってくる。
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