10 / 80
亜利馬、VSフリーズの「リーダー」
1
しおりを挟む夏。夏といえばプール。
ということで、今日はブレイズのチャンネルで流す「ちょいエロ動画」と次のDVDの通販特典に付ける写真撮影で、俺達五人は都内の野外スタジオに来ていた。
爽やかな青空に緑の芝生。大型のビニールプールに水鉄砲、シャボン玉、サイダー。
俺は今日の撮影が楽しみで仕方なくて、昨日の夜からずっと眠れないほどわくわくしていた。遠足前の小学生の気分で迎えた今朝、誰よりも早く出勤して山野さんや皆を待っていたのだ。
「すっごい綺麗な景色!」
スタジオだからもちろん、一般の人は誰もいない。動画班のスタッフさん達が機材をセットしている間、俺はビーチボールに空気を入れながらきょろきょろと辺りを見回した。
俺達が借りているのは芝生スペースで一面芝生だけしかないけれど、他にも竹林や森や花畑、廃墟、遺跡、庭園など……ここには様々なスペースがあるらしい。コスプレでの撮影や最近では個人の動画配信でもこういったスタジオの需要が多いのだ。本格的なAV撮影を許可している場所は少ないけれど、今日は「ちょいエロ」のため局部の露出も本番の絡みも無しという条件でレンタルすることができたのだった。
「準備はできたか。まずは五人でプールに入っている所からの撮影だ」
山野さんの指示で水着に着替えた俺達はプールに浸かり、カメラに向かって各々好きなポーズを取った。そのまま何パターンも撮影し、次に大人っぽくキメ顔で撮影し、最後は自然にはしゃいでいるオフショット的なものを撮った。
水飛沫を飛ばして笑う獅琉。サイダーの瓶を呷る潤歩。大きな水鉄砲を構える竜介。そこから噴射された水を顔に受けて驚く俺。太陽と水の心地好さにうとうとしている大雅。好き勝手なことをする俺達に向けて、次々シャッターが切られてゆく。
「亜利馬、ビーチバレーやろう!」
「やった!」
獅琉に誘われ、膨らませたビーチボールで何とも不格好なラリーをしていると、
「下手くそ!」
「わあぁっ!」
いつの間に潜んでいたのか、背後から潤歩に胸を鷲掴みにされた。
「貧乳小僧、全然揉み応えがねぇ!」
「どっ、どうせ俺は……揉みたいなら竜介さんのとこ行ってくださいっ!」
「おー、いつでも来ていいぞ潤歩。減るモンじゃねえからな」
プールの中で手をあげる竜介。
「竜介の胸は硬すぎて揉む気が起きねえな!」
「硬い方がいい。……ぺたんこ」
竜介と一緒にプールに入っていた大雅が、少し残念そうに自分の胸を撫でていた。
それから今度は一人ずつの撮影だ。
「獅琉くんはセクシーな感じがいいね」
まさに水も滴る良い男というイメージで、少し物憂げな視線を投げながら濡れた肌を撫でる獅琉。離れた場所からじっとその様子を見つめる俺達は全員、獅琉の白い肌に見惚れていた。
続いて潤歩、竜介、大雅と撮影を終え、最後にいよいよ俺の番だ。先輩達みたいにセクシーな感じで撮って欲しいのに、どうにも俺は子供っぽいショットが多い。
「じゃ、ボール持って笑って」
「水鉄砲構えてみよう。その次はシャボン玉ね」
「上からシャワーするから、気持ち良さそうにぎゅって目つぶって」
言われた通りに次々ポーズを取る俺を、四人が冷やかしの視線で見ている。獅琉の時とは大違いだ。潤歩に至ってはニヤつきながら自分のスマホで撮影中の俺を撮っていた。
「次は獅琉くんと亜利馬くん、お願いします」
プールの中で獅琉と俺が見つめ合い、キスをして、濡れた獅琉の頬や顎を俺が舐めて、座った状態で持ち上げた俺の脚に獅琉が口付けているところなどを撮ってもらった。
それから次は、竜介と大雅と潤歩の3Pショットの撮影だ。大雅を挟んで二人が両側からキスをして──その顎を捕らえた竜介が大雅と深く口付け、その下で潤歩が大雅の乳首に舌を這わせる。
「あ、ん……」
思わず口から洩れた大雅の声に、俺の股間が少し反応してしまった。
「亜利馬、勃っちゃったね?」
「直球すぎます獅琉さん……」
0
お気に入りに追加
96
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
EDEN ―孕ませ―
豆たん
BL
目覚めた所は、地獄(エデン)だった―――。
平凡な大学生だった主人公が、拉致監禁され、不特定多数の男にひたすら孕ませられるお話です。
【ご注意】
※この物語の世界には、「男子」と呼ばれる妊娠可能な少数の男性が存在しますが、オメガバースのような発情期・フェロモンなどはありません。女性の妊娠・出産とは全く異なるサイクル・仕組みになっており、作者の都合のいいように作られた独自の世界観による、倫理観ゼロのフィクションです。その点ご了承の上お読み下さい。
※近親・出産シーンあり。女性蔑視のような発言が出る箇所があります。気になる方はお読みにならないことをお勧め致します。
※前半はほとんどがエロシーンです。
鍵っ子少年のはじめて
Ruon
BL
5時45分頃、塾帰りのナツキは見知らぬ男の人に後をつけられていると知らずに帰宅した瞬間、家に押し入られてしまう。
両親の帰ってくるまで二時間、欲塗れの男にナツキは身体をいやらしく開発されてしまう。
何も知らない少年は、玩具で肉棒で、いやらしく堕ちていく─────。
※本作品は同人誌『鍵っ子少年のはじめて』のサンプル部分となります。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる