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狗嵜ネムリ

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亜利馬、VSフリーズの「リーダー」

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 夏。夏といえばプール。
 ということで、今日はブレイズのチャンネルで流す「ちょいエロ動画」と次のDVDの通販特典に付ける写真撮影で、俺達五人は都内の野外スタジオに来ていた。
 爽やかな青空に緑の芝生。大型のビニールプールに水鉄砲、シャボン玉、サイダー。
 俺は今日の撮影が楽しみで仕方なくて、昨日の夜からずっと眠れないほどわくわくしていた。遠足前の小学生の気分で迎えた今朝、誰よりも早く出勤して山野さんや皆を待っていたのだ。


「すっごい綺麗な景色!」
 スタジオだからもちろん、一般の人は誰もいない。動画班のスタッフさん達が機材をセットしている間、俺はビーチボールに空気を入れながらきょろきょろと辺りを見回した。
 俺達が借りているのは芝生スペースで一面芝生だけしかないけれど、他にも竹林や森や花畑、廃墟、遺跡、庭園など……ここには様々なスペースがあるらしい。コスプレでの撮影や最近では個人の動画配信でもこういったスタジオの需要が多いのだ。本格的なAV撮影を許可している場所は少ないけれど、今日は「ちょいエロ」のため局部の露出も本番の絡みも無しという条件でレンタルすることができたのだった。

「準備はできたか。まずは五人でプールに入っている所からの撮影だ」
 山野さんの指示で水着に着替えた俺達はプールに浸かり、カメラに向かって各々好きなポーズを取った。そのまま何パターンも撮影し、次に大人っぽくキメ顔で撮影し、最後は自然にはしゃいでいるオフショット的なものを撮った。
 水飛沫を飛ばして笑う獅琉。サイダーの瓶を呷る潤歩。大きな水鉄砲を構える竜介。そこから噴射された水を顔に受けて驚く俺。太陽と水の心地好さにうとうとしている大雅。好き勝手なことをする俺達に向けて、次々シャッターが切られてゆく。

「亜利馬、ビーチバレーやろう!」
「やった!」
 獅琉に誘われ、膨らませたビーチボールで何とも不格好なラリーをしていると、
「下手くそ!」
「わあぁっ!」
 いつの間に潜んでいたのか、背後から潤歩に胸を鷲掴みにされた。
「貧乳小僧、全然揉み応えがねぇ!」
「どっ、どうせ俺は……揉みたいなら竜介さんのとこ行ってくださいっ!」
「おー、いつでも来ていいぞ潤歩。減るモンじゃねえからな」
 プールの中で手をあげる竜介。
「竜介の胸は硬すぎて揉む気が起きねえな!」
「硬い方がいい。……ぺたんこ」
 竜介と一緒にプールに入っていた大雅が、少し残念そうに自分の胸を撫でていた。

 それから今度は一人ずつの撮影だ。
「獅琉くんはセクシーな感じがいいね」
 まさに水も滴る良い男というイメージで、少し物憂げな視線を投げながら濡れた肌を撫でる獅琉。離れた場所からじっとその様子を見つめる俺達は全員、獅琉の白い肌に見惚れていた。
 続いて潤歩、竜介、大雅と撮影を終え、最後にいよいよ俺の番だ。先輩達みたいにセクシーな感じで撮って欲しいのに、どうにも俺は子供っぽいショットが多い。
「じゃ、ボール持って笑って」
「水鉄砲構えてみよう。その次はシャボン玉ね」
「上からシャワーするから、気持ち良さそうにぎゅって目つぶって」
 言われた通りに次々ポーズを取る俺を、四人が冷やかしの視線で見ている。獅琉の時とは大違いだ。潤歩に至ってはニヤつきながら自分のスマホで撮影中の俺を撮っていた。

「次は獅琉くんと亜利馬くん、お願いします」
 プールの中で獅琉と俺が見つめ合い、キスをして、濡れた獅琉の頬や顎を俺が舐めて、座った状態で持ち上げた俺の脚に獅琉が口付けているところなどを撮ってもらった。
 それから次は、竜介と大雅と潤歩の3Pショットの撮影だ。大雅を挟んで二人が両側からキスをして──その顎を捕らえた竜介が大雅と深く口付け、その下で潤歩が大雅の乳首に舌を這わせる。
「あ、ん……」
 思わず口から洩れた大雅の声に、俺の股間が少し反応してしまった。
「亜利馬、勃っちゃったね?」
「直球すぎます獅琉さん……」
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