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第16話 ミツバチと性感♡マッサージ

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『マッサージ・エステ六十分無料!最高の癒しのひと時をぜひご堪能下さい』

 そんな店のチラシを持ってやって来たのは、制服が似合う可愛い高校生だった。
「これお願いします!」
「いらっしゃいませ、メンズエステのコースをご希望ですか?」
「えっと、エステよりマッサージが良いです。最近ちょっと体が凝っちゃってて」

 本当ならウチは未成年の入店をお断りしている。なぜならこの店はただのエステサロンではなく、性感マッサージを主としたゲイ向けの風俗店だからだ。

 恐らく盛大な勘違いをして来店したのであろう彼が、カウンター越しに目を輝かせて「ほんとに無料ですか?」と俺を見ている。

 その純真無垢な瞳に、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。

「……それでは、こちらにご記入お願いします」
「分かりました!」

 名前と生年月日、体の気になる部分、改善したい悩み、生活習慣チェック。その他諸々に記入を済ませた彼が「はい!」と俺に紙を渡す。元気一杯だ。

「蜂川蜜羽くんだね。気になるのは背中と腰、肩コリか」
「前に保健の先生にマッサージしてもらったことがあるんですけど、……先生が、プロのマッサージはまた格段に素晴らしいぞって言ってて」
「ふむ、その先生の言うことは間違っていませんよ。我々はプロですから、体の全てを知り尽くしています」
「すごい!」
「それでは蜜羽くん、こちらで施術用の服に着替えてお待ちください」

 数分後。
「蜜羽くん、どうぞこちらへ」
「あ、あの先生。……これ、本当にマッサージ用の着替えですか?」
 カーテンを捲って出てきた蜜羽少年の姿に、思わず鼻血が出そうになった。
 何故なら彼が身に着けているのは、ぴちぴちのTバックーーそれだけだからだ。

「もちろん。本当は裸で施術するんだけど、初めてだからそれは恥ずかしいでしょう?」
「た、確かに裸はちょっと……」
 性感マッサージといえど、風俗といえど、ちゃんと施術はする。俺は施術台のベッドを綺麗に掃除してから彼に乗るよう促し、棚の上のオイルやタオルを確認した。

「ではまずうつ伏せになって、肩から背中、腰にかけてのマッサージをしましょう」
「お願いします……」
 Tバックからはみ出たぷりぷりのケツが光っている。そこにむしゃぶりつきたいのを必死で堪え、俺はジェルオイルのボトルを二回プッシュして手のひらにそれを落とした。

「では肩から」
 ゆっくりとオイルを塗り込むように手のひらを押し付け、マッサージして行く。人肌に触れると温かくなるオイルだ。蜜羽はうつ伏せになって「あったかー」と心地良さそうな声を出していた。

 入念に肩の凝りをほぐして、背中へ手を移動させる。陶器のような手触りに俺の方がうっとりしてしまいそうだ。
「痛くないかな?」
「大丈夫です……」

 オイルで光る白い肌。柔らかいが確かに凝っている箇所もあるようで、俺は少し力を込めて彼の背中を圧して行った。
 肩甲骨と背骨、脇腹に腰。健康的にくびれた腰から尾てい骨を丁寧にマッサージする。

「すっごい気持ち良いです……寝ちゃいそう」
「寝ても大丈夫ですよ。でも、寝ちゃうとこの気持ち良さが終わっちゃいますから」
「確かにそうですねぇ、寝たら勿体ないか」
「それなら少しだけ眠気を覚ましてあげましょうか?」

 気付かれないよう笑って、俺は白いTバックからはみ出た彼の尻を両手で鷲掴みにした。
「ひゃっ!」
「お尻も結構凝ってますね。これはじっくりほぐさないと」
「そ、そうですか……? お願いします……」

 はあぁ。思わず溜息が出そうになる。揉めば揉むほどぷりぷり触感だ。この店を開いて二年、ここまで柔らかくてハリのあるケツがあっただろうか。
 俺は下からすくい上げるようにして彼の尻を持ち上げ、割れ目を開くように左右対称に手を動かして行った。

「気持ち良いでしょう?」
「は、はい……あっ」
 Tバックの紐から蜜羽のアヌスがチラリと見える。……顔を埋めてしまいたい。
「蜜羽くん。無料でもっと気持ち良い施術をしますけど、どうしますか?」
「無料ですか? そ、それならお願いします。俺今日アイス買う分しかお金持ってきてないので……」
「心配要りませんよ、全て無料です」
 むしろこちらがお金を払いたいくらいだ。

「……わっ、先生、ちょっと……?」
 俺は思い切り広げた尻の割れ目に鼻先を埋め、ずれたTバックから覗く彼のアヌスにむしゃぶりついた。
「やっ、あ……こ、これって……? あぁっ」
「大丈夫ですよ、このオイルは舐めても無害ですから」
「あ、あ……、お、お尻の、穴……あ……」

 舌で彼の可愛いアヌスをほじり、ぬるぬると奥まで挿入して行く。唇を押し付けて音を立ててしゃぶり、ヒクつく穴を丹念に舐め回す。
「せ、せんせ……ぇ……! 変な感じで、気持ち良くなってしまいます……!」
 Tバックの紐に指を引っかけぐいぐいと上に持ち上げれば、股間が刺激されるせいか彼の腰が浮いた。

「蜜羽くん、これはマッサージですよ。エッチな声を出されるとやりにくいな」
「ご、ごめんなさぃ……あ、うっ……。が、我慢します……」
「では次に指を挿れます。体が温まるはずですよ」
「はぃ……」

 たっぷりとオイルで濡らした中指を、彼の小さな穴に突き立てる。少しずつ挿入して中のコリコリした部分をくすぐれば、……
「あぁっ! あ、あ……先生、そこ、だめ……!」
「蜜羽くん、我慢です」
「や、ぁっ……そ、そこ……!」
 施術台の上で蜜羽の体が跳ね、中が締まった。
「そこ、ぐりぐりされると……た、勃っちゃいます……!」
「勃つって、何がだい?」

 蜜羽がうつ伏せていた上半身を少しだけ持ち上げ、涙目になって俺を振り返りながら言った。
「……ちんちん、勃っちゃいました。ご、ごめんなさい……」
 その顔と言葉に胸がキュンとなる。俺の方が悪いことをしているというのに……
「……蜜羽くん、ごめんよ」
「え、何がですか……」
「うちは性感マッサージ店なんだ。普通のマッサージ屋さんではないんだ。無垢な君を騙して、俺は……」

 懺悔する俺に、蜜羽が涙目のままニコリと笑う。
「大丈夫です。先生のマッサージ、気持ち良いから」
「蜜羽くん、……」
「だから、あの、……続けて?」

 俺は目の前に降臨した天使の体を仰向けに引っくり返し、今はもう何の意味もないほどずれてしまったTバックからはみ出した彼のペニスを強く握った。
「あっ!」
「任せて下さい蜜羽くん。プロとして君に極上のマッサージを提供します!」
「ああ、先生っ……。そこ気持ちいい……!」

 オイルを垂らした彼のペニスを片手で扱き、もう片方の手で二つの玉を優しく揉みほぐす。ゆっくりと、時に速く。性感マッサージは緩急が大事だ。

「して欲しいところがあれば言って下さいね」
「お、お任せします……あぁっ、先生の手、すごい……! あ、あ……!」
 硬くなったペニスの根元から先端までをニギニギすると、蜜羽が喉を反らせて声をあげた。
「蜜羽くん、……蜜羽くん、ああ、最高だ……!」
 両手でペニスを包み込み、棒で火を起こす時の要領で根元から先端を高速ゴシゴシする。オイルの音がいやらしく響き、突き抜けるような快感に蜜羽の腰が激しく上下した。

「は、あぁっ、ん……! さ、最高です先生っ……あぁ、……あんっ!」
「いいぞ蜜羽くん。もっと好きなように腰を振って、僕の手におちんちんを擦り付けるんだ」
「あんっ、先生……これ、あっ、あぁ……。イきそ……です……!」
「好きな時に射精して構わないよ」
「あっ……あぁあぁ!」

 愛らしく飛んだ蜜羽の精液。俺は最後の仕上げとばかりに蜜羽のペニスを握り、ぷりぷりの亀頭に人差し指を押し付けた。
「せ、せんせぇ……イってしまいました……」
「大丈夫。射精の先にある快楽を教えてあげます」
「ん、あ……」

 指の腹で何度も蜜羽の先端を刺激する。割れ目の穴をくすぐり、手のひらを押し付けてぐりぐりし、オイルを垂らし、再び割れ目を指の腹でぬるぬるする。

「あ、あ……先生、何かきます、変なの……あぁ、っ……!」

 丁寧に刺激した蜜羽の先端から、今度は透明な体液が飛び散った。
「や、あぁ……! 何か出てる……先生っ……やぁっ!」
 体がびしょ塗れになるほどの量だ。豪快に潮を噴いた蜜羽はぐったりと大股を開いて施術台に体を預け、潤んだ目を半開きにさせている。

「き、きもち、よかった……です」
「それは良かった。蜜羽くんの体はまだまだ可能性を秘めているね」
「ほんとですか……」
「回復したらシャワーを浴びましょう。その後で温かいお茶を出しますよ」




 さっぱりすっきりした蜜羽くんが「はあぁ、また来ます!」とカウンターに身を乗り出して笑った。
「次も無料で施術しますよ。良かったらサービスの飴どうぞ」
「ありがとう! あの、次は友達も連れてきていいですか? すっごい最高に体が気持ち良くなれるマッサージされたいって、俺の友達いつも言ってるんです」
「蜜羽くんの友達……! だ、大歓迎ですよ!」

 じゃあ、また!と元気に店を出て行く蜜羽くん。
「またね、可愛いミツバチくん」
 ブンブンと飛んで巣に戻って行く彼の後ろ姿に思わず微笑む。
 彼が次に来店する時、ムキムキのスポーツ部主将の軍団を連れてくるなんてこの時の俺は夢にも思っていないのだった。



 第十六話・終
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