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第7話 ミツバチとケーキのお兄さん
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子供の頃から君を見ていた。お小遣いを握りしめてケーキを買いに来てくれた君に、俺が密かな恋心を抱いていたなんて君は全く気付いていないだろうね。
ハロウィンの夜のことを覚えている。ミツバチの衣装を着て自慢げに五百円玉を差し出した君に、この日のために特別に焼いたケーキをこっそりおまけしてあげた。
『ハッピーバースデー・ミツバチくん』
そう描かれたチョコプレートを見て、君は無邪気にはしゃいでいたね。十月の終わりは君の誕生日。毎年のことだから、しっかり覚えてしまったよ。
「ええっ。お兄さん、別のお店に行っちゃうんですか?」
あれから何年も経ったというのに、未だに君は僕の店でケーキを買ってくれる。遠く離れた町に二号店を出すことになって俺がそこの店長に任命され、今日でこの店とも、君ともお別れだ。
「ああ、残念だけど。違う店で店長になるんだよ」
「凄い! お兄さんのケーキ本当に美味しいから、絶対有名になるって思ってたんです」
「ありがとう。これからもこの店をよろしくね」
「もちろん! 俺、ここのハニーミルクケーキが大好きなんです」
それは初めは店に無かったケーキで、君と出会ってから新しく作り上げたものだったんだ。気持ちが伝わったみたいで嬉しくて、思わず泣きそうになってしまうよ。
「もうすぐ閉店だ。最後のお客さんが君で良かった」
「へへ。俺も最後に買えて良かった」
カウンター越しに微笑み合い、俺達は最後のお別れの握手をした。
――駄目だ。綺麗なまま別れたいのに。
こんな大人の欲望なんて、彼には教えちゃいけないのに。
「……蜜羽くん」
――駄目だ、駄目だ、駄目だ。
「良かったら最後に、……俺からの特別なケーキをプレゼントしてもいいかな」
――駄目だ。もう、抑えきれない。
「どうぞ上がって、遠慮なく。お茶でも出すよ」
「いえ、ここで待ってます。お兄さん忙しいのに、ご迷惑になっちゃうし」
アパートの前まで彼を連れてきたはいいが、流石に警戒されているか。ミツバチ蜜羽くんは大きな目をきょろきょろさせて、玄関から俺の部屋を眺めている。
「引っ越しの準備も済んでるし、大丈夫だよ。大がかりなケーキだから、出来れば手伝ってもらいたいな」
「そ、そうですか? じゃあ……」
今の俺は、お菓子で子供を釣るおじさんと同じだ。胸が痛んだがこの気持ちをどうすることもできなくて、結局蜜羽くんを部屋の中に入れてしまった。
「ちょっと待っててね」
ローテーブルの前で座った蜜羽くんが、「はい」と素直に笑う。
この日のために準備してきたんだ。
最後に、蜜羽くんとの思い出がどうしても欲しくて――。
「えっと、……お兄さん。ケーキって……」
「蜜羽くん」
ホイップクリームが入ったボウルに、フルーツが盛られた皿。その他色々な器具。俺はそれらをテーブルに並べ、蜜羽くんに言った。
「裸になって、そこに寝てごらん」
「で、でも……」
「俺のこれまでの集大成を、君というケーキで完成させたいんだ」
「俺が、ケーキ……?」
そうだ、と俺は蜜羽くんのリンゴ色の頬を撫でた。
「俺が自分の手で君というケーキを作り、俺がその全てを自分で食べたい。……いつからかずっと、そんな夢を抱いていたんだ」
「お兄さんの夢、なんですか」
駄目もとでのお願いだ。これで嫌われても構わなかった。どうせ二度と会えないなら、ありったけの気持ちを彼にぶつけたい。
「……分かりました。お願いします」
「蜜羽くん、……」
「その代わり、残さず食べて下さいね」
「………」
真っ白なホイップクリーム。ふわふわの泡のようなそれを蜜羽くんの胸に落とし、ゆっくりとヘラで伸ばして行く。
「ん、……」
「動いたら駄目だよ」
「は、はい……」
カットしたイチゴを乗せて、ハニーソースをたっぷりと回しかけて、カスタードクリームを塗り、輪切りにしたバナナを並べる。終わる頃には部屋は甘い匂いでいっぱいになっていた。蜜羽くんの頬は赤く、俺の股間は破裂しそうなほど高ぶっている。
「出来たよ、蜜羽くん。真のハニーミルクケーキの完成だ」
「わ、……お、俺も見たいな……。甘い匂いが、すっごい……」
蜜羽くんのスマホで撮影し、彼に画面を見せる。
「あはは、すごい! 本当にデコレーションケーキだ」
「美味しそうだ、蜜羽くん」
えっと、と蜜羽くんが照れ臭そうに笑ってから言った。
「お兄さん。どうぞ、召し上がれ!」
「蜜羽くんっ……!」
食べてしまうのは勿体ないけれど、完食しなければ完成しない。俺は蜜羽くんの脚を持ち上げ、愛らしい足の指を一本ずつ丁寧にしゃぶった。
「あぁっ、あは……くすぐったい……」
指の間のクリームを舐め取り、小指を含んで吸い上げる。そうしてゆっくりと脛から膝にかけて舌を這わせ、口に付いたクリームを自分で舐め取った。
「あ、ふ、……」
脇の下に垂れた生クリームを舐め上げる。唇を被せ、何度も舐める。音を立てて啜りながら唇を徐々に胸へと移動させ、伸ばした舌でクリームをかき分けた。
「ふあぁっ、ん……」
「ふふ。クリームの下から、可愛い桃色のおっぱいが出てきた」
「あんん、……そこ、弱い……んです……。やさ、しく……」
「もちろん……」
甘いクリームと一緒に乳首をべろべろと舐めながら、俺は自身のそこを熱心に扱いた。もちろんクリームに付いてしまわないよう、気を付けながらだ。
反対側の乳首も同じように舐めて出し、真っ白い体に乳首だけが見えているという、恥ずかしい恰好になってしまった蜜羽くん。
「お、お兄さん……。おっぱい、すうすうします……」
「そこだけ舐めたからね。大丈夫、これから全身すうすうさせてあげるよ」
胸板から脇腹にかけてを一気に舐め、可愛くて小さなヘソにキスをしてクリームを啜り、内股に塗ったカスタードを丹念に舐め取って行く。甘くて、甘くて、頭がくらくらした。
「お、兄さん……あの、俺……」
「心配しなくていいよ。一番美味しいところは一番最後に食べてあげるからね」
「ん、ぁ……」
クリームとハニーソースの甘い香りに包まれたペニスに、そっと口付ける。
「あっ……」
舌を伸ばして舐めれば、可愛いケーキがピクンと反応した。
「お兄さん、も、っと……。早く食べて、我慢できない……」
「食べてもらいたいんだね、蜜羽くん。ちゃんとおねだりして言ってごらん」
「ん、……俺の、ハチミツ味のおちんちん、いっぱい舐めて、……下さい」
夢にまで見た蜜羽くんの可愛いペニス。蜜羽くんの、男の子の証。
「あんっ、……は、あぁっ……お、にい、さん……! 気持ちいいっ……ああぁっ!」
「蜜羽くん。……蜜羽くん、凄く美味しいよっ……、ああ、蜜羽くんのハニーミルク……吸えば吸うほど、甘い蜜がっ……」
側面から根元までを激しく舐め回し、先端を吸って吸って吸い上げて、ふっくらとした二つの玉を舌で転がすように弄ぶ。
「ふあぁっ、あ、あんんっ……!」
更には小さなお尻に顔を埋め、ペニスよりも卑猥にヒクついている穴を思う存分愛撫した。
ああ、今の俺は長年の夢を実現させている真っ最中だ。
蜜羽くんの声、感じている顔、体の動きに、この味……。全てを記憶するよう、一瞬一瞬に思いを込めて奉仕する。最高のひと時だった。
「んっ、あ……! お、お兄さん……! お尻、ぃ……」
「俺のちんちんは挿れてあげられないよ、ごめんね……。俺は知ってるんだ、君とセックスできるのは、君を本当に愛している『彼ら』だけに許されている特権なんだと……」
「あ、あぁ……イッちゃ、うかも、です……」
俺はほくそ笑んで、蜜羽くんのペニスをずっぽりと口に含んだ。
最後は蜜羽くん自身のハニーミルクで。
「あっ、お兄さん、イきます、……イッ、あぁぁ――!」
「………」
もう思い残すことはない。
――俺は、君に出会えて良かった。
「あれ……お、お兄さん?」
「……ごめんよ、蜜羽くん」
新店舗での責任者を任された俺だが、あれ以来ハチミツケーキしか作れなくなってしまい……結局元の店に戻ってまた一から修行をしている。
「お、お兄さんのうそつき」
「嘘じゃないんだ、本当に……。ごめんよ、ケーキたくさんサービスするから許してくれ」
情けない俺を蜜羽くんが「ふふ」と笑って、普段より多くケーキを買ってくれた。
「でもちょっと良かった。またお兄さんのケーキが食べられるんですね」
「蜜羽くん……」
「俺のケーキも」
「っ……!」
小声で囁いて、可愛いミツバチが店を飛び出して行く。
……俺の修行はまだまだ続きそうだ。
第七話・終
ハロウィンの夜のことを覚えている。ミツバチの衣装を着て自慢げに五百円玉を差し出した君に、この日のために特別に焼いたケーキをこっそりおまけしてあげた。
『ハッピーバースデー・ミツバチくん』
そう描かれたチョコプレートを見て、君は無邪気にはしゃいでいたね。十月の終わりは君の誕生日。毎年のことだから、しっかり覚えてしまったよ。
「ええっ。お兄さん、別のお店に行っちゃうんですか?」
あれから何年も経ったというのに、未だに君は僕の店でケーキを買ってくれる。遠く離れた町に二号店を出すことになって俺がそこの店長に任命され、今日でこの店とも、君ともお別れだ。
「ああ、残念だけど。違う店で店長になるんだよ」
「凄い! お兄さんのケーキ本当に美味しいから、絶対有名になるって思ってたんです」
「ありがとう。これからもこの店をよろしくね」
「もちろん! 俺、ここのハニーミルクケーキが大好きなんです」
それは初めは店に無かったケーキで、君と出会ってから新しく作り上げたものだったんだ。気持ちが伝わったみたいで嬉しくて、思わず泣きそうになってしまうよ。
「もうすぐ閉店だ。最後のお客さんが君で良かった」
「へへ。俺も最後に買えて良かった」
カウンター越しに微笑み合い、俺達は最後のお別れの握手をした。
――駄目だ。綺麗なまま別れたいのに。
こんな大人の欲望なんて、彼には教えちゃいけないのに。
「……蜜羽くん」
――駄目だ、駄目だ、駄目だ。
「良かったら最後に、……俺からの特別なケーキをプレゼントしてもいいかな」
――駄目だ。もう、抑えきれない。
「どうぞ上がって、遠慮なく。お茶でも出すよ」
「いえ、ここで待ってます。お兄さん忙しいのに、ご迷惑になっちゃうし」
アパートの前まで彼を連れてきたはいいが、流石に警戒されているか。ミツバチ蜜羽くんは大きな目をきょろきょろさせて、玄関から俺の部屋を眺めている。
「引っ越しの準備も済んでるし、大丈夫だよ。大がかりなケーキだから、出来れば手伝ってもらいたいな」
「そ、そうですか? じゃあ……」
今の俺は、お菓子で子供を釣るおじさんと同じだ。胸が痛んだがこの気持ちをどうすることもできなくて、結局蜜羽くんを部屋の中に入れてしまった。
「ちょっと待っててね」
ローテーブルの前で座った蜜羽くんが、「はい」と素直に笑う。
この日のために準備してきたんだ。
最後に、蜜羽くんとの思い出がどうしても欲しくて――。
「えっと、……お兄さん。ケーキって……」
「蜜羽くん」
ホイップクリームが入ったボウルに、フルーツが盛られた皿。その他色々な器具。俺はそれらをテーブルに並べ、蜜羽くんに言った。
「裸になって、そこに寝てごらん」
「で、でも……」
「俺のこれまでの集大成を、君というケーキで完成させたいんだ」
「俺が、ケーキ……?」
そうだ、と俺は蜜羽くんのリンゴ色の頬を撫でた。
「俺が自分の手で君というケーキを作り、俺がその全てを自分で食べたい。……いつからかずっと、そんな夢を抱いていたんだ」
「お兄さんの夢、なんですか」
駄目もとでのお願いだ。これで嫌われても構わなかった。どうせ二度と会えないなら、ありったけの気持ちを彼にぶつけたい。
「……分かりました。お願いします」
「蜜羽くん、……」
「その代わり、残さず食べて下さいね」
「………」
真っ白なホイップクリーム。ふわふわの泡のようなそれを蜜羽くんの胸に落とし、ゆっくりとヘラで伸ばして行く。
「ん、……」
「動いたら駄目だよ」
「は、はい……」
カットしたイチゴを乗せて、ハニーソースをたっぷりと回しかけて、カスタードクリームを塗り、輪切りにしたバナナを並べる。終わる頃には部屋は甘い匂いでいっぱいになっていた。蜜羽くんの頬は赤く、俺の股間は破裂しそうなほど高ぶっている。
「出来たよ、蜜羽くん。真のハニーミルクケーキの完成だ」
「わ、……お、俺も見たいな……。甘い匂いが、すっごい……」
蜜羽くんのスマホで撮影し、彼に画面を見せる。
「あはは、すごい! 本当にデコレーションケーキだ」
「美味しそうだ、蜜羽くん」
えっと、と蜜羽くんが照れ臭そうに笑ってから言った。
「お兄さん。どうぞ、召し上がれ!」
「蜜羽くんっ……!」
食べてしまうのは勿体ないけれど、完食しなければ完成しない。俺は蜜羽くんの脚を持ち上げ、愛らしい足の指を一本ずつ丁寧にしゃぶった。
「あぁっ、あは……くすぐったい……」
指の間のクリームを舐め取り、小指を含んで吸い上げる。そうしてゆっくりと脛から膝にかけて舌を這わせ、口に付いたクリームを自分で舐め取った。
「あ、ふ、……」
脇の下に垂れた生クリームを舐め上げる。唇を被せ、何度も舐める。音を立てて啜りながら唇を徐々に胸へと移動させ、伸ばした舌でクリームをかき分けた。
「ふあぁっ、ん……」
「ふふ。クリームの下から、可愛い桃色のおっぱいが出てきた」
「あんん、……そこ、弱い……んです……。やさ、しく……」
「もちろん……」
甘いクリームと一緒に乳首をべろべろと舐めながら、俺は自身のそこを熱心に扱いた。もちろんクリームに付いてしまわないよう、気を付けながらだ。
反対側の乳首も同じように舐めて出し、真っ白い体に乳首だけが見えているという、恥ずかしい恰好になってしまった蜜羽くん。
「お、お兄さん……。おっぱい、すうすうします……」
「そこだけ舐めたからね。大丈夫、これから全身すうすうさせてあげるよ」
胸板から脇腹にかけてを一気に舐め、可愛くて小さなヘソにキスをしてクリームを啜り、内股に塗ったカスタードを丹念に舐め取って行く。甘くて、甘くて、頭がくらくらした。
「お、兄さん……あの、俺……」
「心配しなくていいよ。一番美味しいところは一番最後に食べてあげるからね」
「ん、ぁ……」
クリームとハニーソースの甘い香りに包まれたペニスに、そっと口付ける。
「あっ……」
舌を伸ばして舐めれば、可愛いケーキがピクンと反応した。
「お兄さん、も、っと……。早く食べて、我慢できない……」
「食べてもらいたいんだね、蜜羽くん。ちゃんとおねだりして言ってごらん」
「ん、……俺の、ハチミツ味のおちんちん、いっぱい舐めて、……下さい」
夢にまで見た蜜羽くんの可愛いペニス。蜜羽くんの、男の子の証。
「あんっ、……は、あぁっ……お、にい、さん……! 気持ちいいっ……ああぁっ!」
「蜜羽くん。……蜜羽くん、凄く美味しいよっ……、ああ、蜜羽くんのハニーミルク……吸えば吸うほど、甘い蜜がっ……」
側面から根元までを激しく舐め回し、先端を吸って吸って吸い上げて、ふっくらとした二つの玉を舌で転がすように弄ぶ。
「ふあぁっ、あ、あんんっ……!」
更には小さなお尻に顔を埋め、ペニスよりも卑猥にヒクついている穴を思う存分愛撫した。
ああ、今の俺は長年の夢を実現させている真っ最中だ。
蜜羽くんの声、感じている顔、体の動きに、この味……。全てを記憶するよう、一瞬一瞬に思いを込めて奉仕する。最高のひと時だった。
「んっ、あ……! お、お兄さん……! お尻、ぃ……」
「俺のちんちんは挿れてあげられないよ、ごめんね……。俺は知ってるんだ、君とセックスできるのは、君を本当に愛している『彼ら』だけに許されている特権なんだと……」
「あ、あぁ……イッちゃ、うかも、です……」
俺はほくそ笑んで、蜜羽くんのペニスをずっぽりと口に含んだ。
最後は蜜羽くん自身のハニーミルクで。
「あっ、お兄さん、イきます、……イッ、あぁぁ――!」
「………」
もう思い残すことはない。
――俺は、君に出会えて良かった。
「あれ……お、お兄さん?」
「……ごめんよ、蜜羽くん」
新店舗での責任者を任された俺だが、あれ以来ハチミツケーキしか作れなくなってしまい……結局元の店に戻ってまた一から修行をしている。
「お、お兄さんのうそつき」
「嘘じゃないんだ、本当に……。ごめんよ、ケーキたくさんサービスするから許してくれ」
情けない俺を蜜羽くんが「ふふ」と笑って、普段より多くケーキを買ってくれた。
「でもちょっと良かった。またお兄さんのケーキが食べられるんですね」
「蜜羽くん……」
「俺のケーキも」
「っ……!」
小声で囁いて、可愛いミツバチが店を飛び出して行く。
……俺の修行はまだまだ続きそうだ。
第七話・終
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