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第3話 ミツバチと甘党の先生

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 保健室のデスクで「春のスポーツテスト」のプリントを眺めていると、控えめなノックと共に出入口のドアが開いた。
「先生、いますか?」
 入って来たのは体育着姿の生徒だった。怪我をした様子はなく、具合が悪そうでもない。

 部屋の中央には会議用の長机とパイプ椅子が三脚用意されている。蜂川蜜羽と名乗った生徒は端のパイプ椅子に腰掛け、机に身を乗り出して口を尖らせながら言った。

「何か最近、体がだるくて。あんまり眠れないし、運動するのも辛くなっちゃって」

 俺の頭の中にインプットされている「美人男子高生リスト」を捲るまでもない。この学校で蜂川蜜羽を知らない教師がいたとしたら、そいつはとんだゲテモノ好きだ。
 健康的で天真爛漫な愛らしさ。人形のように整った顔。この学校の制服はもちろん似合うが、体育着はもっと似合う。

 今日の息抜きは上物のハニーミルク、といったところか。……俺は蜜羽の髪の色を見て勝手にそうタイトルを付けた。

「食欲は?」
「食欲はあります」
「お腹の具合は?」
「まあ、普通だと思います。そんな気にしたことは……」
 俺は蜜羽の横に移動し、伏せた背中を片手で摩った。
「冷えてるのかもね、教室もエアコン効いてるでしょ。あんまり冷えると体がだるくなるのは当然だよ」
「うーん、確かに家でも冷房点けっぱなしで寝てます。……先生の手、あったかい」
「体が冷えると血の流れが悪くなって、肩凝りとか頭痛とかが起こるんだよ。夏でもお風呂によく浸かって、熱いお茶を飲んだりするといい。……後は、マッサージとかね」

 背中から肩にかけてゆっくり圧すと、気持ちいい、と蜜羽がうっとりした声を出した。手のひら全体を使って摩り、刺激し、指先に力を込めて凝りを解す。蜜羽の背中は服越しでも温かいが、確かに少し硬くて、だるそうだった。

「部活はやってないの?」
「帰宅部です」
「外でどんなことして遊んでるんだ?」
「普通です。カラオケ、ゲーセンとか」
 適度にストレス解消はできているということか。それでも寝付きが悪いというと、……

「もう少し全体的にマッサージした方がいいかもね。ベッドまでおいで」
 体育着のパンツから伸びる生足が美味そうだ。俺はベッドへ向かう相沢蜜羽の後ろ姿を凝視しながら、はしたないと思いつつも舌なめずりしてしまった。

「それじゃあ、俺の膝の上に座って」
 後ろから蜜羽を抱っこし、胸を張った彼の脇腹に触れて両サイドからゆっくりと圧して行く。
「意外と締まってるね。細いのかと思ったけど、すっきりしたお腹だ」
 脇腹から下腹部にかけてマッサージという名のセクハラをしても、蜜羽は「ひゃっ」と笑うだけで全く警戒していない。

「お腹は冷えると厄介だから、自分でもたまにマッサージするといいよ」
「お腹は厄介。自分でもたまに、……」
 昼飯後のマッサージで眠くなったのか、蜜羽がぼんやりと俺の言葉を反芻する。

 そろそろ始めてもいいかな。
 俺は口元だけで笑い、体育着の中へ両手を滑らせた。

「わっ、……」
 腹から胸元を強く弄り、薄い胸板をすくい上げるように何度も揉みしだく。この適度な硬さが良い。ある程度体が温まっていたため、肌には薄らと汗もかいている。

「せ、先生……何でおっぱい揉むの。俺、女じゃないです……」
「知ってるさ。だからいいんだ」
 まだ敏感な部分には触れない。胸板を何度も強く撫で、両手で掴むように揉み込み、また撫でる。これもマッサージといえばマッサージだ。現に蜜羽も「ふわあ」と心地良さにうっとりしている。

「気持ちいい?」
「体がぽかぽかして……」
「もっと熱くなるよ、ほら」
「うあぁっ!」
 そのタイミングで乳首に触れると、蜜羽の体が面白いほど跳ねた。

「硬くなってるだろ? 刺激すると血の巡りが良くなるのが分かる」
「んっ、――で、でも」
 はあ、と俺の方が逆に感嘆の声を漏らしてしまう。……男子高生の硬くなった乳首、最高だ。

「せ、先生っ……俺、声出ちゃうから、も、いいです……」
「何がいいって?」
「マッサージしなくて、い……ふあぁっ……」
 俺は背後から蜜羽の耳に囁いた。
「敏感でスケベな体だな。もっと良くしてやるよ、そこに寝ろ」
「せ、せんせ……?」
 蕩けた顔で俺を振り返る蜜羽。顔が真っ赤だ。涎まで垂れている。

 俺はもはや演じることを止めていた。ここまで美味そうなデザートを前にして仮面を被っていられるほど、俺は出来た男じゃない。

「あっ……」
 ベッドに仰向けとなった蜜羽に覆い被さり、体育着を大きく捲り上げて露出した乳首を強く含む。まるで捕食している気分だった。時間をかけてゆっくり、口の中で敏感になった蜜羽の乳首に唾液と舌を絡ませる。薄く色付いた桜色の乳輪が堪らなくエロティックで、乳でなく蜜を吸うように、何度も何度も音をたてて啄んだ。
「先生っ、あ、……あぁ……」
「エロい気分になると、体が熱くなるだろ。若い内はどんどんオナニーして血行を良くした方がいいぞ」
「お、俺……そんなことっ……しません……」
 思わず顔がニヤけてしまう。ハニーミルクがハニーカスタードクリームミルクにグレードアップした気分だった。

「こうやって触ったり、……」
「えっ、――や、やぁっ、だめ……! せんせ、そんなの……!」
 体育着のパンツの上から股間を揉むと、蜜羽が背中を仰け反らせて腰を引いた。しっかり反応しているが、やはりまだ恥ずかしさの方が大きいらしい。

「分からないなら教えてやる。保健の先生らしくな」
 膝までパンツをずり下ろし、下着の上から円を描くように股間を揉む。上向きになったそれは既に硬く、下着には染みができていた。堪らない匂いだ。今すぐ中にあるそれを頬張りたい。

「や、だ……先生っ、俺、そこ触られると……!」
「痺れる感じがするだろ。感じてる証拠だ」
「ん、んぅ……、痺れて……あんっ」
 少しだけ身を起こし、蜜羽の耳に唇を寄せる。

「自分で下着をずらして、言ってみろ。――」
 続く言葉を囁けば、蜜羽の顔が真っ赤になった。
「む、無理っ、……恥ずかしい、です……!」
「ならこの状態で授業に戻るんだな」
 潤んだ目。だらしのない口元。足の爪先から頭のてっぺんまで、彼の全てを辱めたくてうずうずする。
 蜜羽が強く目を閉じ、震える手で下着を下げた。露出した先端からは甘い蜜が垂れている。

「せ、先生……」
 覚悟を決めたのか、蜜羽が上目に俺を見て唇を開いた。
「お、俺のおちんちん、先生の舌で、ナメナメして……?」
 もうその言葉だけでイきそうになる。俺はかろうじてふにゃけ顔になるのを堪え、俺のために頑張ってくれた愛しい蜜羽の頭ではなく先端を撫でてやった。そして――
「よく言えたな」
「え、あ……何っ――あぁぁっ!」
 思い切り、根元まで一気に頬張る。

「せ、先生っ! だめ、そんなの、ってぇ……! あっ、あ……!」
 蜜羽の背中が反り返り、逃げようとして腰が浮き、大きく開いた両脚が宙を蹴った。この状態で暴れられると傷付けてしまいかねない。俺は彼の腰を強く支え、尚も激しく口の中のそれを舐め回す。

「せっ、先生……! これ、やばいっ……、おかしくなる……ちんちん溶けちゃうっ……!」
 ああ、いちいち良い反応をする。そんな台詞を吐かれたら、途中で止めてやれやしない。
「あ、あぁっ、ん……! 先生ぇっ……」
 締まった体の割には小ぶりなそれを、口の中で蹂躙する。舌を巻き付かせ、唇を窄めて扱き上げる。薄いアンダーヘアを指でくしゅくしゅかき混ぜながら、溢れ出る蜜を何度も味わって嚥下する。
 蜜羽の若いペニスはスイーツのような甘さはないが、舌の肥えた俺を満足させるのに十分な「甘さ」を持っていた。体液と汗が混ざった極上の味だ。

「くぅ、う……んっ、せんせ……そんなっ、先っぽのとこ、吸ったら、あぁっ……!」
「ここが一番好きなんだ、俺は」
「お、俺も、ぉっ……」
 素直で敏感で可愛い奴。あんなに恥ずかしがっていたのに、今では俺の頭を押さえ込むような真似までしている。もっと刺激が欲しくて、無意識に腰まで揺れている。
「ここに来る前にトイレに寄ったか? 小便の味もするぞ」
「やっ、やだ……! 恥ずかし、から、あっ、あぁぁっ……!」
 じゅぷじゅぷと音を立てて蜜羽の極上ペニスを味わう。例え蜜羽のそれがふやけても、俺の方は何時間でもこうしていられる勢いだ。刺激を感じながらも蜜羽が射精できないのは、俺がわざとそういう攻め方をしているからだった。

 正直言ってセックスにはあまり興味がない。もちろん経験はあるが、相手の体を舌で味わうことの方がセックスよりも断然興奮する。下手したら自分は射精しなくても良いくらいだ。俺は、俺の舌に蹂躙される相手を見ているだけで満足するのだから。

「ああっ、ん……せんせっ……、あぁっ! 気持ち、いよぉ……!」
「どこが気持ち良いんだ。さっき教えたように言ってみろ」
「ふ、あっ……。お、おちんちん……気持ちいいっ……先っぽのとこ、先生にべろべろされると……、ああぁっ……!」
 百点満点の回答だ。これはご褒美をあげなければならない。
「イッていいぞ蜜羽、先っぽ舐めながら扱いてやる」
「あっ、あ……! 先生っ、ふあぁっ――!」

 射精の直前に蜜羽の先端を咥え、口の中へたっぷりと出された体液を存分に味わった。

「せんせ、……ありがとう、ございました……。体ぽかぽか……」
 こちらこそありがとうございました。

 俺は脚を開いたままの蜜羽の前で両手を合わせ、先生になるため勉強してきて良かったと心から彼に感謝した。



 第三話・終
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