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第19話 スプラッシュ!!
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本番十秒前。
頼寿と軽く抱き合って視線を合わせ、大きく息を吸い込む。何だか砂糖の甘い香りで酔ってしまいそうだ。
「スタートです!」
その合図で俺達は水の中に頭まで潜り、──水中はぼやけて見えないけれど──しっかりと目を開けて見つめ合った。
一瞬の閃光の後、暗闇だったプールの中がパァッと綺麗なブルーのライトに彩られた。ここからは聞こえないが、ラウンジではステージ用のBGMが流れているはずだ。
頼寿に微笑みかけ、無重力の中でその体に軽く抱きつく。ゆらゆらと揺れる頼寿の髪。細かい気泡は俺の好きなブルーソーダみたいだ。ライトがパープルになればグレープソーダ、ゴールドに変わればシャンパンになる。
頼寿の手が俺の後頭部に添えられ、俺達は目を閉じ唇を重ねた。水を飲まないように気を付けながら、ゆっくりと片脚を頼寿の下半身に巻き付かせる。
「ぷはっ……!」
自ら顔を出し、今度はちゃんと見える状態で視線を合わせた。
「大丈夫か」
「全然平気!」
こちらの声はラウンジに聞こえていないため、今回はプレイ中でも気にせず声を掛け合えるのは有難い。
前髪をかき上げた頼寿が色っぽくて胸が高鳴り、これまでの緊張に本番の興奮も加算されて妙なテンションになってくる。──楽しいと、感じ始めている。
「んっ、……」
水中のキスも良かったけれど、やっぱり空気のある場所でのキスは最高だ。絡んだ舌は甘くて溶けてしまいそう。俺も頼寿も身体中が甘くなっていて、角砂糖のようにこのまま溶けて一つになれたら……なんて、柄にもなく乙女のようなことを考えてしまう。
「は、ぅ……頼寿、……」
「甘いな。喉が焼けそうだ」
俺の顎から喉へと舌でなぞりながら、頼寿が競泳パンツの中に手を入れてきた。尻を揉まれても、そのせいで俺の体が熱くなって頼寿に強くしがみついても、俺達の体は水の中に浮いたままだ。どんなに激しく絡んでも沈むことはない。安心して乱れられる。
「頼寿。俺ほんと我慢したんだからさぁ、……気持ち良くしてくれよ……」
「大勢に見られてるぞ、いいのか?」
からかうように言われたが、俺は満面の悪戯っぽい笑顔で頼寿の肩に頬を寄せた。
「別にいいよ、それも楽しんでるから」
水槽の向こうでは大人達が各々寛ぎながらショーを見ている。グラスを手に隣同士笑い合い、頷き、俺達に色々な感情を込めた視線を送っている。
そんな視線すら心地好くなってきているのは、今日が特別なショーだからだろうか? それとも。
「そこまで言うなら覚悟してるんだろうな」
不敵な笑みと共に、頼寿が俺の方へ体重をかけてきた。斜め下から片腕で頼寿にしがみつく恰好になり、俺も頼寿の競泳パンツに指をかける。
「は、あぁ……頼寿、ぁ……」
「潜るぞ、玉雪」
「ん……!」
下から上へと上ってゆく気泡達。
次々と色を変えるライト。
裸になって抱き合い、深く深く潜る俺と頼寿──。
頼寿と軽く抱き合って視線を合わせ、大きく息を吸い込む。何だか砂糖の甘い香りで酔ってしまいそうだ。
「スタートです!」
その合図で俺達は水の中に頭まで潜り、──水中はぼやけて見えないけれど──しっかりと目を開けて見つめ合った。
一瞬の閃光の後、暗闇だったプールの中がパァッと綺麗なブルーのライトに彩られた。ここからは聞こえないが、ラウンジではステージ用のBGMが流れているはずだ。
頼寿に微笑みかけ、無重力の中でその体に軽く抱きつく。ゆらゆらと揺れる頼寿の髪。細かい気泡は俺の好きなブルーソーダみたいだ。ライトがパープルになればグレープソーダ、ゴールドに変わればシャンパンになる。
頼寿の手が俺の後頭部に添えられ、俺達は目を閉じ唇を重ねた。水を飲まないように気を付けながら、ゆっくりと片脚を頼寿の下半身に巻き付かせる。
「ぷはっ……!」
自ら顔を出し、今度はちゃんと見える状態で視線を合わせた。
「大丈夫か」
「全然平気!」
こちらの声はラウンジに聞こえていないため、今回はプレイ中でも気にせず声を掛け合えるのは有難い。
前髪をかき上げた頼寿が色っぽくて胸が高鳴り、これまでの緊張に本番の興奮も加算されて妙なテンションになってくる。──楽しいと、感じ始めている。
「んっ、……」
水中のキスも良かったけれど、やっぱり空気のある場所でのキスは最高だ。絡んだ舌は甘くて溶けてしまいそう。俺も頼寿も身体中が甘くなっていて、角砂糖のようにこのまま溶けて一つになれたら……なんて、柄にもなく乙女のようなことを考えてしまう。
「は、ぅ……頼寿、……」
「甘いな。喉が焼けそうだ」
俺の顎から喉へと舌でなぞりながら、頼寿が競泳パンツの中に手を入れてきた。尻を揉まれても、そのせいで俺の体が熱くなって頼寿に強くしがみついても、俺達の体は水の中に浮いたままだ。どんなに激しく絡んでも沈むことはない。安心して乱れられる。
「頼寿。俺ほんと我慢したんだからさぁ、……気持ち良くしてくれよ……」
「大勢に見られてるぞ、いいのか?」
からかうように言われたが、俺は満面の悪戯っぽい笑顔で頼寿の肩に頬を寄せた。
「別にいいよ、それも楽しんでるから」
水槽の向こうでは大人達が各々寛ぎながらショーを見ている。グラスを手に隣同士笑い合い、頷き、俺達に色々な感情を込めた視線を送っている。
そんな視線すら心地好くなってきているのは、今日が特別なショーだからだろうか? それとも。
「そこまで言うなら覚悟してるんだろうな」
不敵な笑みと共に、頼寿が俺の方へ体重をかけてきた。斜め下から片腕で頼寿にしがみつく恰好になり、俺も頼寿の競泳パンツに指をかける。
「は、あぁ……頼寿、ぁ……」
「潜るぞ、玉雪」
「ん……!」
下から上へと上ってゆく気泡達。
次々と色を変えるライト。
裸になって抱き合い、深く深く潜る俺と頼寿──。
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