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第16話 ヒミツのブラザーフッド
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何だこれ、何だこれ……!
「んあぁっ──そんな激しく突かないで、……!」
「全然激しくしてねえだろ。お前が勝手に腰振ってるだけだ」
「うそ、……うぁっ、あっ! だめ、頼寿……気持ちいいってばぁ……!」
自分でも何を言っているのか分からないくらい、頭がぐるぐるして言動までおかしくなってしまう。経験はないけれど、何だか危ない薬でもキメているみたいだ。
だけどどこかで僅かに理性が働いているから、頼政さんが興味深げに俺を眺めてスケッチしているのもちゃんと分かっていて──それが恥ずかしいって気持ちもちゃんと残っている。
「んやっ、あぁ……!」
俺が大騒ぎ状態だからか、頼寿は思うように俺を突けなくて不満そうだってことも分かっていた。だけど頼寿の熱は俺の深い所までしっかり届いていて、中で物凄く猛っているのが直接伝わってくる。
自分で腰を動かしているだけでこの有様なのに、頼寿に好き勝手やられたらどうなってしまうんだろう。
「は、あぁ……! あっ、あん……!」
「ちゃんと気持ちいい所に当てられてて偉いね、玉雪」
頼寿が言ったのかと思ったくらいそっくりな声で、頼政さんが不敵に笑った。
「飲み込みと適応は早い。だが制御ができねえ」
これは頼寿の声。
「これからどんどん成長していくんだろうな、お前の手で」
「ああ。愛人業で贅沢三昧させとくだけってのは勿体ねえだろ。こいつは表に出るべき男だ」
「表と言っても、世間的には裏だけどな」
兄弟で俺のことを色々話している中、俺は未だ頼寿にしがみついて鳴いていた。勝手に俺だけ気持ち良くなっている状態で申し訳ないけれど、もうそろそろ限界だ。
「ふ、あ……もうムリ、頼寿……ごめん、イく……!」
「構わねえ、我慢した分好きなだけ射精しろ」
「んんっ──!」
頼寿が俺の唇を塞ぎ、強く抱きしめてくれた。絶頂の中でキスするのって、呼吸は苦しいけれどめちゃくちゃ興奮するし満たされる。
「ふ、うぅ……、はあ……」
頼寿の胸と腹に思い切りかかってしまった……。
心地好い虚脱感に包まれたまま、ぐったりと頼寿にもたれる俺。この、もう何もかもがどうでも良くなってしまうほど甘ったるさが大好きだ。あったかい水の中でゆらゆらしている気分になる。
「対面座位のスケッチはできたが、今の玉雪の姿もいいな……ううむ、『事後』も良いモンだ。まずい、創作意欲が止まらないぞ」
顎を撫でて俺を観察している頼政さんに、頼寿がうんざり顔で言った。
「そろそろ玉雪を休ませてえ。明日も体力使うし、俺も寝るから今日は終わりにしてくれ」
「おっと、そうだな。仕事のために来ているということをつい忘れそうになる。悪かった」
「別に。……次は普通に休暇で来る」
その時は朝まで飲むぞ、と笑って、頼政さんがスケッチブックを脇に持ち部屋を出て行った。
「おやすみ、頼寿。玉雪」
「おやすみなさい、頼政さん……」
ドアが閉まり、足音が遠ざかってゆく。
長かった。これで俺もやっと眠れるぞ。
……と思ったその時、
「わぁっ!」
いきなり体が後ろに倒され、座った恰好からベッドに仰向けの状態にされた。天井を見上げる俺の視界に入り込んできたのは──底意地の悪い顔をした頼寿だ。
「やっと好き勝手できるぜ、タマ」
「へ……? な、何? もう寝るんじゃ……」
「言っておくが俺はイッてねえ。もう少し付き合ってもらうぞ」
「っ……!」
悪魔のような笑顔に、俺の中で再び熱を持ち始める頼寿のペニス。
「ちょと待って、……! 俺イッたばかりだしそんな体力……」
「口答えすんな」
「んぎゃあぁっ──!」
やべえ夜の幕開けだ。
そんな言葉を思い浮かべた俺の喉から、この夏一番の絶叫が迸ったのだった。
「んあぁっ──そんな激しく突かないで、……!」
「全然激しくしてねえだろ。お前が勝手に腰振ってるだけだ」
「うそ、……うぁっ、あっ! だめ、頼寿……気持ちいいってばぁ……!」
自分でも何を言っているのか分からないくらい、頭がぐるぐるして言動までおかしくなってしまう。経験はないけれど、何だか危ない薬でもキメているみたいだ。
だけどどこかで僅かに理性が働いているから、頼政さんが興味深げに俺を眺めてスケッチしているのもちゃんと分かっていて──それが恥ずかしいって気持ちもちゃんと残っている。
「んやっ、あぁ……!」
俺が大騒ぎ状態だからか、頼寿は思うように俺を突けなくて不満そうだってことも分かっていた。だけど頼寿の熱は俺の深い所までしっかり届いていて、中で物凄く猛っているのが直接伝わってくる。
自分で腰を動かしているだけでこの有様なのに、頼寿に好き勝手やられたらどうなってしまうんだろう。
「は、あぁ……! あっ、あん……!」
「ちゃんと気持ちいい所に当てられてて偉いね、玉雪」
頼寿が言ったのかと思ったくらいそっくりな声で、頼政さんが不敵に笑った。
「飲み込みと適応は早い。だが制御ができねえ」
これは頼寿の声。
「これからどんどん成長していくんだろうな、お前の手で」
「ああ。愛人業で贅沢三昧させとくだけってのは勿体ねえだろ。こいつは表に出るべき男だ」
「表と言っても、世間的には裏だけどな」
兄弟で俺のことを色々話している中、俺は未だ頼寿にしがみついて鳴いていた。勝手に俺だけ気持ち良くなっている状態で申し訳ないけれど、もうそろそろ限界だ。
「ふ、あ……もうムリ、頼寿……ごめん、イく……!」
「構わねえ、我慢した分好きなだけ射精しろ」
「んんっ──!」
頼寿が俺の唇を塞ぎ、強く抱きしめてくれた。絶頂の中でキスするのって、呼吸は苦しいけれどめちゃくちゃ興奮するし満たされる。
「ふ、うぅ……、はあ……」
頼寿の胸と腹に思い切りかかってしまった……。
心地好い虚脱感に包まれたまま、ぐったりと頼寿にもたれる俺。この、もう何もかもがどうでも良くなってしまうほど甘ったるさが大好きだ。あったかい水の中でゆらゆらしている気分になる。
「対面座位のスケッチはできたが、今の玉雪の姿もいいな……ううむ、『事後』も良いモンだ。まずい、創作意欲が止まらないぞ」
顎を撫でて俺を観察している頼政さんに、頼寿がうんざり顔で言った。
「そろそろ玉雪を休ませてえ。明日も体力使うし、俺も寝るから今日は終わりにしてくれ」
「おっと、そうだな。仕事のために来ているということをつい忘れそうになる。悪かった」
「別に。……次は普通に休暇で来る」
その時は朝まで飲むぞ、と笑って、頼政さんがスケッチブックを脇に持ち部屋を出て行った。
「おやすみ、頼寿。玉雪」
「おやすみなさい、頼政さん……」
ドアが閉まり、足音が遠ざかってゆく。
長かった。これで俺もやっと眠れるぞ。
……と思ったその時、
「わぁっ!」
いきなり体が後ろに倒され、座った恰好からベッドに仰向けの状態にされた。天井を見上げる俺の視界に入り込んできたのは──底意地の悪い顔をした頼寿だ。
「やっと好き勝手できるぜ、タマ」
「へ……? な、何? もう寝るんじゃ……」
「言っておくが俺はイッてねえ。もう少し付き合ってもらうぞ」
「っ……!」
悪魔のような笑顔に、俺の中で再び熱を持ち始める頼寿のペニス。
「ちょと待って、……! 俺イッたばかりだしそんな体力……」
「口答えすんな」
「んぎゃあぁっ──!」
やべえ夜の幕開けだ。
そんな言葉を思い浮かべた俺の喉から、この夏一番の絶叫が迸ったのだった。
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閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
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お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
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今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。



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