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第3話 ROSSO
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「頼寿の相方にしては幼い感じだね。まだ見習いさんかな?」
ロッソ君が俺の髪をくしゃくしゃに撫でながら楽しそうに笑う。彼は彼でまた頼寿と同レベルの自由人らしく、俺が嫌がっているのに全く気付いていない。
「ちょ、ちょっと、頭やめて下さいっ……」
「業界慣れしてない感じが初々しくて可愛いよ。頼寿、いい子見つけたねえ」
頼寿は腕組みをしながら「まあな」と言うだけで、ロッソ君を止めようとはしなかった。この二人がどういう関係で、そして今回どういう理由で俺がこの店に連れて来られたのか全く分からないが、どうやらロクなことにはならないと見た。
「で、今日はどうするの。普通に楽しむ? ちょっとステージ乗ってく?」
「今日は玉雪に見学させに来ただけだからな、端の方で飲ませてもらうつもりだ」
「分かった。じゃあ適当にドリンク持ってくからゆっくりしてってよ。玉雪くんも楽しんでね!」
「は、はい……」
頼寿の後を追って、目立たない隅にあるボックス席に座る。早速運ばれてきたドリンクは頼寿はブルーの綺麗なカクテルで、俺は炭酸オレンジジュースだった。
ここからは死角でだいぶ見えなくなったが、相変わらず他の席では男同士のイチャイチャが続いている。
「なあ、ロッソ君が言ってた『ステージ』って何? 頼寿、ここで歌でも歌ってたのか?」
「歌じゃねえが、パフォーマンスみたいなモノだな」
「踊り、とか?」
「踊りでもねえ。簡単に言うと、客前でセックスするパフォーマンスってことだ」
「ふうん……えっ?」
セックスするパフォーマンス。客前で。そんな仕事がこの世に存在しているのか……信じられない。
「ス、ストリップ的な……?」
「それとはまた違う、ガチでセックスを魅せるショーだ」
「そんなことしていいの……? 捕まらない?」
「知らねえ。ロッソが上手くやってんだろ」
そんな世界があるなんて驚きだ。だけど考えてみれば会長と休暇でタイに行った時は、ゴーゴーボーイのナイトクラブでイケメン同士のセックスショーが行なわれていた。女性客も多くてびっくりしたけれど、かなり有名なショーだと会長が言っていたっけ。
「……え、ていうかそれを頼寿がやってたってこと? マジで? びっくりなんだけど」
「俺の本業はコッチ系だからな。ステージに立たなくても、依頼を受けてパフォーマーを育成したりとかよ」
「ふうん、変わった仕事なんだな。そういうのってやっぱ巨根の絶倫じゃなきゃ務まんないモンなの?」
「それに越したことはねえな」
セックスが仕事になるのって、風俗とAVだけだと思っていた。本当にどうなってるんだ、この世の中は。
ロッソ君が俺の髪をくしゃくしゃに撫でながら楽しそうに笑う。彼は彼でまた頼寿と同レベルの自由人らしく、俺が嫌がっているのに全く気付いていない。
「ちょ、ちょっと、頭やめて下さいっ……」
「業界慣れしてない感じが初々しくて可愛いよ。頼寿、いい子見つけたねえ」
頼寿は腕組みをしながら「まあな」と言うだけで、ロッソ君を止めようとはしなかった。この二人がどういう関係で、そして今回どういう理由で俺がこの店に連れて来られたのか全く分からないが、どうやらロクなことにはならないと見た。
「で、今日はどうするの。普通に楽しむ? ちょっとステージ乗ってく?」
「今日は玉雪に見学させに来ただけだからな、端の方で飲ませてもらうつもりだ」
「分かった。じゃあ適当にドリンク持ってくからゆっくりしてってよ。玉雪くんも楽しんでね!」
「は、はい……」
頼寿の後を追って、目立たない隅にあるボックス席に座る。早速運ばれてきたドリンクは頼寿はブルーの綺麗なカクテルで、俺は炭酸オレンジジュースだった。
ここからは死角でだいぶ見えなくなったが、相変わらず他の席では男同士のイチャイチャが続いている。
「なあ、ロッソ君が言ってた『ステージ』って何? 頼寿、ここで歌でも歌ってたのか?」
「歌じゃねえが、パフォーマンスみたいなモノだな」
「踊り、とか?」
「踊りでもねえ。簡単に言うと、客前でセックスするパフォーマンスってことだ」
「ふうん……えっ?」
セックスするパフォーマンス。客前で。そんな仕事がこの世に存在しているのか……信じられない。
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引き続き宜しくお願いします。
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今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。



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