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第2話 頼寿との共同生活
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「おう、買ってきたぞタマちゃん。カフェオレとアイス」
「ず、随分と大量に買ってきたな……」
「お前の好みを知らねえから、片っ端からそれっぽいのを詰め込んできた」
「……だからってこんなに……まあいいけど」
ぶつぶつ言いながらカフェオレを受け取ろうと立ち上がり、キッチンカウンターへ向かう。五種類のカフェオレの中にはショコラオレやカフェラテなども混ざっていたが、俺の好きな「うし印のミルクカフェオレ」があったから良しとする。
「俺の好きなの、これ。うし印のやつ。……アイスの方は、何でも好きだけど……」
ビニール袋をガサゴソしながら頼寿の方を見ると、彼は無言でガラステーブルの前に立っていた。一気に冷や汗が噴き出てくる──さっき出した精液を拭き忘れてたのだ。
「………」
「そ、それ違うから。ちょっとさっき、ヨーグルト零しちゃって……!」
バレバレの嘘でも、良識のある人間なら「そうなのか」と見て見ぬふりをして流してくれる。
だけど、頼寿は……
「………」
「……わっ、何してんの!」
人差し指の先でテーブル上のソレを拭い、真顔で俺の方へと近付いて来たのだ。
「な、何? なになに、何だよっ?」
「……ヨーグルトだって言うなら、舐めてみろ」
「やっ、やだ! ふざけんなっ」
よく見れば表情は真顔でも、形の良い眉がピクピクしている。
「人をアゴで使っておいて、呑気に千摺りとはな。誰が掃除すると思ってんだ」
「ご、ごめ、なさ……」
俺を見下しているから余裕のある男だと思っていた頼寿の顔面がピキピキしている。まさかこんな所に彼の地雷があったなんて。「これだからガキは」くらいの冷たい言葉で済むと思ったのに。
「こんなに青臭せぇヨーグルトがあるとは思えねえがな……」
「あ、ああぁ……ごご、ごめんなさぃ……!」
まさに地獄の鬼──。
俺は自分の精液がついた頼寿の手で顔面にアイアンクローを決められ、生まれてこの方出したことのない絶叫を迸らせることとなったのだった。
「ず、随分と大量に買ってきたな……」
「お前の好みを知らねえから、片っ端からそれっぽいのを詰め込んできた」
「……だからってこんなに……まあいいけど」
ぶつぶつ言いながらカフェオレを受け取ろうと立ち上がり、キッチンカウンターへ向かう。五種類のカフェオレの中にはショコラオレやカフェラテなども混ざっていたが、俺の好きな「うし印のミルクカフェオレ」があったから良しとする。
「俺の好きなの、これ。うし印のやつ。……アイスの方は、何でも好きだけど……」
ビニール袋をガサゴソしながら頼寿の方を見ると、彼は無言でガラステーブルの前に立っていた。一気に冷や汗が噴き出てくる──さっき出した精液を拭き忘れてたのだ。
「………」
「そ、それ違うから。ちょっとさっき、ヨーグルト零しちゃって……!」
バレバレの嘘でも、良識のある人間なら「そうなのか」と見て見ぬふりをして流してくれる。
だけど、頼寿は……
「………」
「……わっ、何してんの!」
人差し指の先でテーブル上のソレを拭い、真顔で俺の方へと近付いて来たのだ。
「な、何? なになに、何だよっ?」
「……ヨーグルトだって言うなら、舐めてみろ」
「やっ、やだ! ふざけんなっ」
よく見れば表情は真顔でも、形の良い眉がピクピクしている。
「人をアゴで使っておいて、呑気に千摺りとはな。誰が掃除すると思ってんだ」
「ご、ごめ、なさ……」
俺を見下しているから余裕のある男だと思っていた頼寿の顔面がピキピキしている。まさかこんな所に彼の地雷があったなんて。「これだからガキは」くらいの冷たい言葉で済むと思ったのに。
「こんなに青臭せぇヨーグルトがあるとは思えねえがな……」
「あ、ああぁ……ごご、ごめんなさぃ……!」
まさに地獄の鬼──。
俺は自分の精液がついた頼寿の手で顔面にアイアンクローを決められ、生まれてこの方出したことのない絶叫を迸らせることとなったのだった。
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閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
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お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
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今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。



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