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君色の空に微笑みを・20
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午後六時。
寒そうにマフラーの中へ口元を埋める混一を見て、俺は苦笑いしながら暖房のスイッチを入れた。
「ごめんな。うちの暖房壊れててさ、なかなかあったかくならねえの」
「寒いよー。浩介……」
「も、もう少しだけ待っててくれ」
「ていうか浩介、部屋汚い。服も脱ぎっ放しだし、溜まった吸殻くらい捨てなよ」
「申し訳ない……」
唇を尖らせた混一が、敷きっ放しの俺の布団をちらりと見て言った。
「寒いから布団入る」
「あ、ああ。それがいいかも」
マフラーを外してコートを脱ぐ混一をぼんやり見つめる。あの混一が俺の家にいるなんて嘘みたいだと思った。
混一と過ごす愛しすぎる時間は、遂には俺の世界をも侵食してしまった。閉鎖的で空っぽだった俺の世界に、その全てをひっくり返す程の光が差したのだ。儚い、だけどどこまでも力強い、そんな光が。
「浩介も入るんだよ」
「え、狭くて男二人は無理だろ。スペース的に……」
「大丈夫、大丈夫。だって浩介は俺の上に乗る訳じゃん」
「っ……」
赤くなった俺を見て混一が笑う。
「早く、浩介」
俺は火照った頬を軽く擦り、意を決して布団の中に入った。ホテルや幻龍楼の部屋と違って、見慣れた自分の部屋で混一と密着するとなると俄然気持ちが高ぶってくる。
「こうしてるとさ、暖房なんていらないね」
「ん。でも混一の身体、凄い冷たくなってる……」
「すぐに熱くなるよ」
瞳を閉じ切らないうちに、俺達は唇を重ねた。
触れた唇はこんなにも冷たいのに、絡む舌と吐息は燃えるように熱い。その熱はすぐに互いの頬を上気させ、身体の中へゆっくりと広がってゆく。
「脱がして平気か? 寒くない……?」
「ん。……大丈夫」
腕枕をしてやりながら、俺は混一のシャツのボタンを一つずつ外していった。現れた真っ白な肌に手のひらを這わせ、温めるように撫で回す。
「気持ちいい……」
蕩けるような声で呟いた混一の頬や顎、首筋や胸元に何度も口付けを繰り返しながら布団の中へ潜り込む。暗闇の中、俺は夢中で混一の滑らかな肌を愛撫した。
「あ、……」
布団の中で混一が俺の頭を抱きしめている。身体の全てが性感帯のような混一の、とりわけ敏感な胸の突起を啄む俺に、もっと、もっとと訴えている。
「ふ、あ……。浩介……気持ちいい……」
耳に心地好い混一の声。名前を呼ばれると下半身が熱くなる。
「店の客とどっちがいい?」
「そんなの、浩介だよ……」
「……前の男とは?」
「意地悪なこと言うね。……浩介に決まってるだろ……」
堪らなくなって、俺は布団から顔を出した。
「ごめんな。どうしても混一の口から聞きたかったんだ」
「浩介のやきもち焼き」
そっぽを向いた混一の頬は弛んでいる。今にもその唇から、俺の大好きな小悪魔の笑いが洩れそうだ。
「……ふふ」
案の定笑みをこぼした混一が、俺に顔を背けたままで言った。
「嫉妬されるのは嬉しい。それだけ俺を好きでいてくれてるってことでしょ」
「そ、そりゃまあ……」
「白状するけど、俺も嫉妬してたよ。……あの夜、浩介と一緒にいたあの人に」
「嘘つけ。お前が女に嫉妬するなんてありえね……」
「本当だってば。だからわざとトイレで、あんな子供っぽい駆け引きみたいなことを……。余裕ぶってたけど心の中ではハラハラしてたんだ。俺は浩介のことが好きなんだって自覚したのも、あの時だよ」
「じゃあ、あの場面を見られてたのは俺にとっては好都合だったんだな」
「もし浩介が彼女と一緒にタクシーに乗ってたら……」
そこで区切って、その先を俺に答えさせようとする混一。
俺は彼の前髪をかき分けて額にキスをし、言った。
「悲しくて泣いちゃってたか?」
「まさか。道路に飛び出してでも阻止するつもりだったよ」
「あ、危ねえな、もう!」
自分で言って笑う混一に、俺も声をあげて笑ってしまった。
妥協や諦めとは無縁の混一なら、平気でそんなこともやってのける。彼はあの夜に限らず、人生の様々な場面においてそういうことが出来る人間なんだ。
「もう二度とそんな危ない真似しないように、これからは傍で俺が見張ってやる」
「そうなったら忙しくなるね、浩介」
「望むところだって」
「本当に?」
布団の中、混一が俺の股間に手のひらをあてがった。
「浩介のここも、年中無休で使うことになるんだよ?」
「が、頑張る……」
「毎日抱いて、キスしてくれる……? 毎日好きって言って、それから……」
遮るように混一の唇を塞いでから、俺はその形の良い鼻をくすぐって言った。
「大丈夫。お前がして欲しいことは、何だってしてやる」
「ほんとに? 俺、ワガママ過ぎて前の男に捨てられたくらいだよ」
「前の奴と俺は違うだろ。考えてもみろ、俺は混一しか知らないんだぞ。今までこんなに深く誰かと付き合ったことなんて一度もなかったんだ。初めて出来た大事な恋人を俺から捨てるなんて、あり得ない」
「……浩介」
「事あるごとに好きって言うし、勿論キスもしてやる。毎晩だって抱いてやる。身体の隅々まで撫で回して、嫌ってほど攻めてやる」
「あ……」
「言ってみろ、どうして欲しい?」
ズボン越しに握った混一のそれが、俺の手の中でゆっくりと反応し始める。
「さ、触って、浩介……」
「もう触ってるだろ」
「う……。もっと、直に触って……。わ、分かるだろ。俺がして欲しいこと……今更言わなくったって」
「分かるけど言わせたい。混一の口から聞きたいんだ」
俺が少し強く出ると、途端に顔を赤くさせて恥ずかしげに目を伏せてしまう混一。それが演技なんかじゃないのは、震える唇を見れば明白だ。
セックスに関してはプロの混一も、愛し合うことには慣れていない。困る混一が可愛くて、もっと意地悪したくなる。
「覚えてるか、混一。俺達が初めて幻龍楼で会った時のこと」
「覚えてるよ」
「あの時のお前、今の俺みたいに意地悪く笑って散々エロいことしたよな。マジで……俺には刺激が強過ぎたぜ」
「それはっ、浩介の反応が、可愛かったから……」
俺は混一のベルトを外しながら、目を細めて言った。
「今の混一も可愛い」
「そういうこと、言うなって……あっ!」
「パンツの中、すごい汗だな」
「ん……んっ、もっと……」
「どうされたい?」
潤んだ目で俺を見つめながら、混一が恥ずかしそうに囁いた。
「もっと激しく、思いっきりやらしくして……」
「っ……」
ああ。結局俺は混一に敵わない。
その目でそんなことを言われたら、あっという間に理性が飛んでしまうじゃないか。
「混一……」
「あっ!」
俺は下着の中に突っ込んだ手で混一のそれを激しく揉みしだき、無防備にさらけ出された乳首に思いきりかぶり付いた。
「あっ、あっ……! 浩介……」
身をくねらせながら喘ぐ混一は、もういつもの調子に戻っている。甘くて淫らな声、熱くなった肌――愛おし過ぎてどうにかなってしまいそうだ。
「浩介っ、……」
「熱いな。混一、……蕩けそうだぞ」
「浩介の手、気持ちいい……俺の好きなとこ、いっぱい触ってくれる……」
「混一の急所は、先端の裏側……だろ。ここを親指の腹で擦ると……」
「あっ、ぁ! ゾクゾクするっ……!」
「だろ」
俺は脱がした混一の下着や服を布団の外へ出し、その白い内股にキスをして言った。
「最初の時みたいにさ、混一。下から咥えてやるから、俺の上跨いで」
「う、うん……」
布団に両手両膝を付き、仰向けになった俺の顔の上へゆっくりと腰を下ろす混一。俺は腰を支えるつもりで、混一の尻に両手を置いた。
「混一のケツ、柔らけえなぁ。ずっと揉んでたくなる」
「な、何だよそれ……。あ、嫌だっ……」
手の動きはそのままに、俺は目の前で揺れている混一のそれを舌先でそっとなぞった。
「あぁっ……!」
眉根を寄せて満足げな声を洩らす混一。先端から根元まで深く咥え込むと、口の中で混一のそれが脈打つのが分かる。俺の中で感じてくれていると思うと嬉しかった。
「あったかい……」
唾液を絡めて舌を動かし、卑猥な音をたてて舐め回す。慣れない俺の愛撫は決して最高とは言えないけど、却って俺のぎこちない舌使いが混一にとっては良いみたいだ。
「ん、っぁ……。あぁっ!」
俺の上で身をくねらせる汗ばんだ白い肌が、部屋の明かりに照らされている。
俺は混一のそれを愛撫しつつ、探り当てた入口に指を這わせた。
「あぁっ、こ、浩介っ……!」
屹立したそれをしゃぶりながら、更に入口をほぐしてゆく。反射的に俺の指から逃れようとした混一だが、すぐにその口から甘い声が洩れ始めた。
「うっ、あ……! それ、やばい……、からっ……」
混一の切なげな声と、淫らに濡れた音。
何度となく耳にしてきたはずなのに、どうしてこんなに昂るのか。
「あったまってきたか?」
「ん、……うん」
「俺もそろそろ限界かも……」
身を起こした混一が俺の股間に手をあてがう。
「浩介もだいぶ窮屈みたいだ。お返ししないとね」
「わ、悪いな」
ズボンと同時に下着が下ろされ、混一がその前に蹲った。そっと根元を握り、静かに唇を被せてゆく。
「……う」
温かな混一の口の中、屹立した俺のそれが嬲られる。ゼリーのように柔らかな舌によって何度も、何度も……。
「くっ、ぅ……。混一、すげえ……」
「ん。……はぁっ、浩介……何かいつもより敏感だね、すごいビクビクしてる……」
「やばいな、このままだとすぐイきそうだ……」
「ふふ。その前に二人で気持ち良くなりたいよね」
そう言って、混一が布団の上に仰向けになった。大胆に開いた脚の間で俺を誘っている。
俺はどうして今更、緊張しているんだろう。
混一と繋がる寸前、いつも俺はこれが最後になるかもしれないと思っていた。だから後悔しないように、一瞬一瞬を自分の身体に刻み込もうと必死になっていた。
今はもう、そんな心配をする必要は無いのに。
「挿れて、浩介……」
「ああ……」
熱く猛った自身のそれが混一に触れた瞬間、ふと気付く。
――そうか。これからはそんな心配の必要が無いのか。
高鳴る鼓動は今まで味わったことのない、言葉では表せないほどの喜びの証。
幸せなんだ、今の俺は……。
「んっ、んぅ……」
腰に力を入れて混一の中に侵入すると、シーツを掴んだ混一がくぐもった声でそれに応えた。
「大丈夫か? 辛くねえ……?」
「平気……」
考えてみれば混一にとって無理なセックスなんてあるはずないんたけど、目尻に溜まった涙を見ていると否が応でも気遣いたくなる。
何せ、ほんの少しの傷も付けたくないほど大事な彼の身体だ。
「いつもよりドキドキしてるだけだ、……気持ちいいよ、浩介。今までで一番気持ちいい……」
「………」
俺は緩んだ涙腺が崩壊しないよう、強く唇を噛んだ。
「は、ぁっ……! あ、あぁ……」
背中を反らせて喘ぐ混一の下腹部を支え、何度も彼の中へ腰を打ち付ける。
混一の好きな奥の奥、更にその奥まで深く貫き、勢いをつけて引き抜く。再び挿入し、また思い切り引く。
「う、あぁっ、こ、浩介っ……あぁ!」
混一が拭っているのは汗なのか涙なのか、それすらももう分からない。
俺はただ彼を悦ばせる為に、俺の中にある彼への愛情を全て吐き出す為だけに腰を振る。他のことなんてどうでもいい。
今この瞬間、俺達だけの世界だ――。
「あっ、浩介……お、俺っ、……!」
「ん」
「ごめんね、浩介っ……イきそ……。我慢できなっ……ごめ……」
「謝るな」
俺は混一の頬を優しく撫でてから身体を倒した。
しっかりと抱きしめた混一の耳元で囁く。
「言っただろ、お前の望むことは全部叶えるって……」
「ふ、あ、あぁっ……浩介っ……!」
「くっ……!」
身体を倒したまま、片手で混一のそれを握る。
「浩介……」
俺の首に巻き付いた混一の腕。俺達は繋がったまま至近距離で見つめ合い、どちらからともなく唇を塞いだ。
「……好きだよ」
「俺も好き……」
一つになる、という意味を初めて理解した夜だった。
「――あぁっ!」
あの日俺達が出会ったのは偶然かもしれない。ひょっとしたら、ほんの些細な時間や気持ちの違いで俺と混一は会えなかったのかもしれない。
会えたとしても、もし俺の人生が順調だったら混一に惹かれなかったかもしれない。仕事が好きで友達も大勢いたなら、俺はあの奇妙なホテルの存在すら知らずに一生を終えたのかもしれない。
五年前の混一の横顔も、きっと忘れ去られたまま静かに消えて行っただろう。
数えきれないほどの偶然が積み重なった結果、それは俺と混一の運命になった。未熟で不器用な俺達だから、こんなにも互いを好きになれたんだ。
「………」
俺はまだ熱が残っている混一の体を抱きしめ、その白い肌が冷えてしまわないようにと布団を被せた。
「浩介の匂いがする……」
「そ、そうか? 定期的にちゃんと干してるんだけどな……ごめん」
「違うよ。浩介の匂い、安心するんだ。包み込まれてるみたいでさ……」
混一がそう言うから、思わず笑ってしまった。
「どうしたの?」
「いや、まさかあの幻龍楼の混一色が、俺の布団で寝てるなんて信じられなくてさ」
「……ふふ。その名前で呼ばれると、何だか懐かしい気分になるなぁ……」
「混一が辞めたら、皆寂しがるだろうな」
「え? 俺、幻龍楼辞めないよ。もうしばらく続ける」
「そ、そうなのか? てっきり、その……辞めるのかと」
口ごもる俺を見て、混一が噴き出した。
「ごめんごめん、言葉が足りなかった。辞めるのは色子の方だけで、これからは和了さんの手伝いに回るんだよ。皆のスケジュール管理したり、お客さんと麻雀打ったり。……やっぱり、仲良くなった皆と急に接点が無くなるのは寂しいから」
「そうだったのか……。俺もいいと思う、うん!」
「でしょ?」
これからのことを考えて嬉しそうに笑っている混一。俺はその横顔を見つめながら頬を弛め、彼の肩にそっとキスをした。
「で、浩介はどうすんの?」
「俺? 俺は……」
その瞬間、これまで忘れかけていたあの台詞が頭をかすめた。
――いつかは自分の店が持ちたいです!
あの頃思い描いていた俺の夢。無知で無鉄砲で、身の程知らずで、だけどそれでも本気で掴もうとしていた俺の夢。
例え他人に笑われても、不様に泥の中をもがいたとしても。
かけがえの無い、俺だけの夢――。
「……秘密。まだ教えない」
「何も考えて無いだけのくせに」
「そ、そんなことねえよ! ちゃんと考えてる」
「どうかな」
「混一が言ってたように、俺は俺と向き合って……考えてるさ」
「浩介なら何にだってなれるよ。俺が見込んだ男だもんな」
混一に言われると心の底から不思議な勇気が湧いてくる。本当に何だって出来るような気になってくる。
「もしこれから仕事が上手く行って、今より良い部屋を借りれるようになったらさ……混一、俺と一緒に暮らしてくれるか?」
「どうしようかな。浩介、散らかしたらちゃんと片付けてくれるかな……」
「ま、毎日掃除する。炊事洗濯もするし、何でもする」
混一とずっと一緒にいられるなら、そのくらい屁でもない。例えくたくたになって帰って来ようとも、酔っ払って起き上がれなくなろうとも。
彼の笑顔を守るためなら何だってしてやる。
「それじゃあ、俺の出る幕ないじゃん」
混一が笑って体の向きを変え、俺の顎にキスをしながら囁いた。
「その辺は話し合って決めようか。同棲ってそういうモンでしょ」
「………」
「俺も浩介の為なら何だってするよ」
「混一……」
俺達は布団の中でお互いの額をくっつけて笑い、やがて心地好い温かさに包まれながら目を閉じた。
寒そうにマフラーの中へ口元を埋める混一を見て、俺は苦笑いしながら暖房のスイッチを入れた。
「ごめんな。うちの暖房壊れててさ、なかなかあったかくならねえの」
「寒いよー。浩介……」
「も、もう少しだけ待っててくれ」
「ていうか浩介、部屋汚い。服も脱ぎっ放しだし、溜まった吸殻くらい捨てなよ」
「申し訳ない……」
唇を尖らせた混一が、敷きっ放しの俺の布団をちらりと見て言った。
「寒いから布団入る」
「あ、ああ。それがいいかも」
マフラーを外してコートを脱ぐ混一をぼんやり見つめる。あの混一が俺の家にいるなんて嘘みたいだと思った。
混一と過ごす愛しすぎる時間は、遂には俺の世界をも侵食してしまった。閉鎖的で空っぽだった俺の世界に、その全てをひっくり返す程の光が差したのだ。儚い、だけどどこまでも力強い、そんな光が。
「浩介も入るんだよ」
「え、狭くて男二人は無理だろ。スペース的に……」
「大丈夫、大丈夫。だって浩介は俺の上に乗る訳じゃん」
「っ……」
赤くなった俺を見て混一が笑う。
「早く、浩介」
俺は火照った頬を軽く擦り、意を決して布団の中に入った。ホテルや幻龍楼の部屋と違って、見慣れた自分の部屋で混一と密着するとなると俄然気持ちが高ぶってくる。
「こうしてるとさ、暖房なんていらないね」
「ん。でも混一の身体、凄い冷たくなってる……」
「すぐに熱くなるよ」
瞳を閉じ切らないうちに、俺達は唇を重ねた。
触れた唇はこんなにも冷たいのに、絡む舌と吐息は燃えるように熱い。その熱はすぐに互いの頬を上気させ、身体の中へゆっくりと広がってゆく。
「脱がして平気か? 寒くない……?」
「ん。……大丈夫」
腕枕をしてやりながら、俺は混一のシャツのボタンを一つずつ外していった。現れた真っ白な肌に手のひらを這わせ、温めるように撫で回す。
「気持ちいい……」
蕩けるような声で呟いた混一の頬や顎、首筋や胸元に何度も口付けを繰り返しながら布団の中へ潜り込む。暗闇の中、俺は夢中で混一の滑らかな肌を愛撫した。
「あ、……」
布団の中で混一が俺の頭を抱きしめている。身体の全てが性感帯のような混一の、とりわけ敏感な胸の突起を啄む俺に、もっと、もっとと訴えている。
「ふ、あ……。浩介……気持ちいい……」
耳に心地好い混一の声。名前を呼ばれると下半身が熱くなる。
「店の客とどっちがいい?」
「そんなの、浩介だよ……」
「……前の男とは?」
「意地悪なこと言うね。……浩介に決まってるだろ……」
堪らなくなって、俺は布団から顔を出した。
「ごめんな。どうしても混一の口から聞きたかったんだ」
「浩介のやきもち焼き」
そっぽを向いた混一の頬は弛んでいる。今にもその唇から、俺の大好きな小悪魔の笑いが洩れそうだ。
「……ふふ」
案の定笑みをこぼした混一が、俺に顔を背けたままで言った。
「嫉妬されるのは嬉しい。それだけ俺を好きでいてくれてるってことでしょ」
「そ、そりゃまあ……」
「白状するけど、俺も嫉妬してたよ。……あの夜、浩介と一緒にいたあの人に」
「嘘つけ。お前が女に嫉妬するなんてありえね……」
「本当だってば。だからわざとトイレで、あんな子供っぽい駆け引きみたいなことを……。余裕ぶってたけど心の中ではハラハラしてたんだ。俺は浩介のことが好きなんだって自覚したのも、あの時だよ」
「じゃあ、あの場面を見られてたのは俺にとっては好都合だったんだな」
「もし浩介が彼女と一緒にタクシーに乗ってたら……」
そこで区切って、その先を俺に答えさせようとする混一。
俺は彼の前髪をかき分けて額にキスをし、言った。
「悲しくて泣いちゃってたか?」
「まさか。道路に飛び出してでも阻止するつもりだったよ」
「あ、危ねえな、もう!」
自分で言って笑う混一に、俺も声をあげて笑ってしまった。
妥協や諦めとは無縁の混一なら、平気でそんなこともやってのける。彼はあの夜に限らず、人生の様々な場面においてそういうことが出来る人間なんだ。
「もう二度とそんな危ない真似しないように、これからは傍で俺が見張ってやる」
「そうなったら忙しくなるね、浩介」
「望むところだって」
「本当に?」
布団の中、混一が俺の股間に手のひらをあてがった。
「浩介のここも、年中無休で使うことになるんだよ?」
「が、頑張る……」
「毎日抱いて、キスしてくれる……? 毎日好きって言って、それから……」
遮るように混一の唇を塞いでから、俺はその形の良い鼻をくすぐって言った。
「大丈夫。お前がして欲しいことは、何だってしてやる」
「ほんとに? 俺、ワガママ過ぎて前の男に捨てられたくらいだよ」
「前の奴と俺は違うだろ。考えてもみろ、俺は混一しか知らないんだぞ。今までこんなに深く誰かと付き合ったことなんて一度もなかったんだ。初めて出来た大事な恋人を俺から捨てるなんて、あり得ない」
「……浩介」
「事あるごとに好きって言うし、勿論キスもしてやる。毎晩だって抱いてやる。身体の隅々まで撫で回して、嫌ってほど攻めてやる」
「あ……」
「言ってみろ、どうして欲しい?」
ズボン越しに握った混一のそれが、俺の手の中でゆっくりと反応し始める。
「さ、触って、浩介……」
「もう触ってるだろ」
「う……。もっと、直に触って……。わ、分かるだろ。俺がして欲しいこと……今更言わなくったって」
「分かるけど言わせたい。混一の口から聞きたいんだ」
俺が少し強く出ると、途端に顔を赤くさせて恥ずかしげに目を伏せてしまう混一。それが演技なんかじゃないのは、震える唇を見れば明白だ。
セックスに関してはプロの混一も、愛し合うことには慣れていない。困る混一が可愛くて、もっと意地悪したくなる。
「覚えてるか、混一。俺達が初めて幻龍楼で会った時のこと」
「覚えてるよ」
「あの時のお前、今の俺みたいに意地悪く笑って散々エロいことしたよな。マジで……俺には刺激が強過ぎたぜ」
「それはっ、浩介の反応が、可愛かったから……」
俺は混一のベルトを外しながら、目を細めて言った。
「今の混一も可愛い」
「そういうこと、言うなって……あっ!」
「パンツの中、すごい汗だな」
「ん……んっ、もっと……」
「どうされたい?」
潤んだ目で俺を見つめながら、混一が恥ずかしそうに囁いた。
「もっと激しく、思いっきりやらしくして……」
「っ……」
ああ。結局俺は混一に敵わない。
その目でそんなことを言われたら、あっという間に理性が飛んでしまうじゃないか。
「混一……」
「あっ!」
俺は下着の中に突っ込んだ手で混一のそれを激しく揉みしだき、無防備にさらけ出された乳首に思いきりかぶり付いた。
「あっ、あっ……! 浩介……」
身をくねらせながら喘ぐ混一は、もういつもの調子に戻っている。甘くて淫らな声、熱くなった肌――愛おし過ぎてどうにかなってしまいそうだ。
「浩介っ、……」
「熱いな。混一、……蕩けそうだぞ」
「浩介の手、気持ちいい……俺の好きなとこ、いっぱい触ってくれる……」
「混一の急所は、先端の裏側……だろ。ここを親指の腹で擦ると……」
「あっ、ぁ! ゾクゾクするっ……!」
「だろ」
俺は脱がした混一の下着や服を布団の外へ出し、その白い内股にキスをして言った。
「最初の時みたいにさ、混一。下から咥えてやるから、俺の上跨いで」
「う、うん……」
布団に両手両膝を付き、仰向けになった俺の顔の上へゆっくりと腰を下ろす混一。俺は腰を支えるつもりで、混一の尻に両手を置いた。
「混一のケツ、柔らけえなぁ。ずっと揉んでたくなる」
「な、何だよそれ……。あ、嫌だっ……」
手の動きはそのままに、俺は目の前で揺れている混一のそれを舌先でそっとなぞった。
「あぁっ……!」
眉根を寄せて満足げな声を洩らす混一。先端から根元まで深く咥え込むと、口の中で混一のそれが脈打つのが分かる。俺の中で感じてくれていると思うと嬉しかった。
「あったかい……」
唾液を絡めて舌を動かし、卑猥な音をたてて舐め回す。慣れない俺の愛撫は決して最高とは言えないけど、却って俺のぎこちない舌使いが混一にとっては良いみたいだ。
「ん、っぁ……。あぁっ!」
俺の上で身をくねらせる汗ばんだ白い肌が、部屋の明かりに照らされている。
俺は混一のそれを愛撫しつつ、探り当てた入口に指を這わせた。
「あぁっ、こ、浩介っ……!」
屹立したそれをしゃぶりながら、更に入口をほぐしてゆく。反射的に俺の指から逃れようとした混一だが、すぐにその口から甘い声が洩れ始めた。
「うっ、あ……! それ、やばい……、からっ……」
混一の切なげな声と、淫らに濡れた音。
何度となく耳にしてきたはずなのに、どうしてこんなに昂るのか。
「あったまってきたか?」
「ん、……うん」
「俺もそろそろ限界かも……」
身を起こした混一が俺の股間に手をあてがう。
「浩介もだいぶ窮屈みたいだ。お返ししないとね」
「わ、悪いな」
ズボンと同時に下着が下ろされ、混一がその前に蹲った。そっと根元を握り、静かに唇を被せてゆく。
「……う」
温かな混一の口の中、屹立した俺のそれが嬲られる。ゼリーのように柔らかな舌によって何度も、何度も……。
「くっ、ぅ……。混一、すげえ……」
「ん。……はぁっ、浩介……何かいつもより敏感だね、すごいビクビクしてる……」
「やばいな、このままだとすぐイきそうだ……」
「ふふ。その前に二人で気持ち良くなりたいよね」
そう言って、混一が布団の上に仰向けになった。大胆に開いた脚の間で俺を誘っている。
俺はどうして今更、緊張しているんだろう。
混一と繋がる寸前、いつも俺はこれが最後になるかもしれないと思っていた。だから後悔しないように、一瞬一瞬を自分の身体に刻み込もうと必死になっていた。
今はもう、そんな心配をする必要は無いのに。
「挿れて、浩介……」
「ああ……」
熱く猛った自身のそれが混一に触れた瞬間、ふと気付く。
――そうか。これからはそんな心配の必要が無いのか。
高鳴る鼓動は今まで味わったことのない、言葉では表せないほどの喜びの証。
幸せなんだ、今の俺は……。
「んっ、んぅ……」
腰に力を入れて混一の中に侵入すると、シーツを掴んだ混一がくぐもった声でそれに応えた。
「大丈夫か? 辛くねえ……?」
「平気……」
考えてみれば混一にとって無理なセックスなんてあるはずないんたけど、目尻に溜まった涙を見ていると否が応でも気遣いたくなる。
何せ、ほんの少しの傷も付けたくないほど大事な彼の身体だ。
「いつもよりドキドキしてるだけだ、……気持ちいいよ、浩介。今までで一番気持ちいい……」
「………」
俺は緩んだ涙腺が崩壊しないよう、強く唇を噛んだ。
「は、ぁっ……! あ、あぁ……」
背中を反らせて喘ぐ混一の下腹部を支え、何度も彼の中へ腰を打ち付ける。
混一の好きな奥の奥、更にその奥まで深く貫き、勢いをつけて引き抜く。再び挿入し、また思い切り引く。
「う、あぁっ、こ、浩介っ……あぁ!」
混一が拭っているのは汗なのか涙なのか、それすらももう分からない。
俺はただ彼を悦ばせる為に、俺の中にある彼への愛情を全て吐き出す為だけに腰を振る。他のことなんてどうでもいい。
今この瞬間、俺達だけの世界だ――。
「あっ、浩介……お、俺っ、……!」
「ん」
「ごめんね、浩介っ……イきそ……。我慢できなっ……ごめ……」
「謝るな」
俺は混一の頬を優しく撫でてから身体を倒した。
しっかりと抱きしめた混一の耳元で囁く。
「言っただろ、お前の望むことは全部叶えるって……」
「ふ、あ、あぁっ……浩介っ……!」
「くっ……!」
身体を倒したまま、片手で混一のそれを握る。
「浩介……」
俺の首に巻き付いた混一の腕。俺達は繋がったまま至近距離で見つめ合い、どちらからともなく唇を塞いだ。
「……好きだよ」
「俺も好き……」
一つになる、という意味を初めて理解した夜だった。
「――あぁっ!」
あの日俺達が出会ったのは偶然かもしれない。ひょっとしたら、ほんの些細な時間や気持ちの違いで俺と混一は会えなかったのかもしれない。
会えたとしても、もし俺の人生が順調だったら混一に惹かれなかったかもしれない。仕事が好きで友達も大勢いたなら、俺はあの奇妙なホテルの存在すら知らずに一生を終えたのかもしれない。
五年前の混一の横顔も、きっと忘れ去られたまま静かに消えて行っただろう。
数えきれないほどの偶然が積み重なった結果、それは俺と混一の運命になった。未熟で不器用な俺達だから、こんなにも互いを好きになれたんだ。
「………」
俺はまだ熱が残っている混一の体を抱きしめ、その白い肌が冷えてしまわないようにと布団を被せた。
「浩介の匂いがする……」
「そ、そうか? 定期的にちゃんと干してるんだけどな……ごめん」
「違うよ。浩介の匂い、安心するんだ。包み込まれてるみたいでさ……」
混一がそう言うから、思わず笑ってしまった。
「どうしたの?」
「いや、まさかあの幻龍楼の混一色が、俺の布団で寝てるなんて信じられなくてさ」
「……ふふ。その名前で呼ばれると、何だか懐かしい気分になるなぁ……」
「混一が辞めたら、皆寂しがるだろうな」
「え? 俺、幻龍楼辞めないよ。もうしばらく続ける」
「そ、そうなのか? てっきり、その……辞めるのかと」
口ごもる俺を見て、混一が噴き出した。
「ごめんごめん、言葉が足りなかった。辞めるのは色子の方だけで、これからは和了さんの手伝いに回るんだよ。皆のスケジュール管理したり、お客さんと麻雀打ったり。……やっぱり、仲良くなった皆と急に接点が無くなるのは寂しいから」
「そうだったのか……。俺もいいと思う、うん!」
「でしょ?」
これからのことを考えて嬉しそうに笑っている混一。俺はその横顔を見つめながら頬を弛め、彼の肩にそっとキスをした。
「で、浩介はどうすんの?」
「俺? 俺は……」
その瞬間、これまで忘れかけていたあの台詞が頭をかすめた。
――いつかは自分の店が持ちたいです!
あの頃思い描いていた俺の夢。無知で無鉄砲で、身の程知らずで、だけどそれでも本気で掴もうとしていた俺の夢。
例え他人に笑われても、不様に泥の中をもがいたとしても。
かけがえの無い、俺だけの夢――。
「……秘密。まだ教えない」
「何も考えて無いだけのくせに」
「そ、そんなことねえよ! ちゃんと考えてる」
「どうかな」
「混一が言ってたように、俺は俺と向き合って……考えてるさ」
「浩介なら何にだってなれるよ。俺が見込んだ男だもんな」
混一に言われると心の底から不思議な勇気が湧いてくる。本当に何だって出来るような気になってくる。
「もしこれから仕事が上手く行って、今より良い部屋を借りれるようになったらさ……混一、俺と一緒に暮らしてくれるか?」
「どうしようかな。浩介、散らかしたらちゃんと片付けてくれるかな……」
「ま、毎日掃除する。炊事洗濯もするし、何でもする」
混一とずっと一緒にいられるなら、そのくらい屁でもない。例えくたくたになって帰って来ようとも、酔っ払って起き上がれなくなろうとも。
彼の笑顔を守るためなら何だってしてやる。
「それじゃあ、俺の出る幕ないじゃん」
混一が笑って体の向きを変え、俺の顎にキスをしながら囁いた。
「その辺は話し合って決めようか。同棲ってそういうモンでしょ」
「………」
「俺も浩介の為なら何だってするよ」
「混一……」
俺達は布団の中でお互いの額をくっつけて笑い、やがて心地好い温かさに包まれながら目を閉じた。
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