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頼朝はルシフェルと契約する
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天上での大会議。
彼は、全知全能者の前に来て言った。
「私はここにいます。私は全ての人類を養って、誰一人も失われないようにしましょう。私は約束します。ですから、私にあなたの栄光をください。」と。
しかし彼の思いとは裏腹に、彼と彼の軍勢は全知全能者の軍勢によって、天上から投げ落とされた。
なぜなら彼は、全ての人類を永遠に支配しようとしたからである。
彼は、天上での戦いに敗北した。
暁の子、明の明星と称えられた彼は、天から落ちてしまった。
天上での彼の名は『ルシフェル』。
それは、暁の子という意味である。
天上での戦いでルシフェルに従った軍勢も、もろともに天から投げ落とされた。
この者たちも、自分たちのことを「ルシフェル」と呼んだ。
それは、ルシフェルに最後まで従った者たちだからである。
彼ら「ルシフェル」も、天上の軍勢として戦った者たちであり、その力は人知を超えている。
暁の子は天から投げ落とされたので、堕天使となった。
「ルシフェル」達は、『堕天使ルシフェル』への忠誠心を失っていない。
再度戦いを挑み勝利して、悪魔が全てを支配する世の実現を待ち望んでいる。
かくしてルシフェル達は、気の遠くなるほどの長い期間、世界各地を彷徨い続けた。
ルシフェルはかつての勢力を再び取り戻さんがため、この世に権威・権能を得るための媒体となる人間を、気の遠くなるほど長い期間探し求めているのである。
ルシフェルは、世界中をさ迷いあぐねた挙句、東洋のある島国に辿り着いた。
そこでとうとう彼は見つけた。おあつらえ向きの欲の塊の人間を。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は平安末期。平治の乱で捕らえられた源頼朝は、平清盛の手中にあった。
『死にとうない、死にとうない。清盛なんぞに勝てるわけがなかったのじゃ。父上も兄者も戯け者じゃ。』
頼朝は、亡くなった父源義朝や兄達に対して恨み言をぼやき続けていた。
頼朝は平治の乱での敗走時に、逃げ遅れてあっけなく捕まってしまった。ドジであるが、このことは頼朝にとって幸いとなる。父や兄と行動を共にしていれば、命を失っていたであろう。
頼朝の父と兄達は、一旦落ち延びて再起を図ろうとしたが、次兄の朝長は傷が悪化したために動けなくなり、潔く自ら死を望んで父義朝によって命を取られた。朝長17歳であった。それは源氏の棟梁家に生まれたが故の、むごたらしい父子の運命であった。
義朝も仲間の裏切りに遭い誅された。37歳、無念の最期であった。
悪源太の異名を馳せた長兄義平は、獅子奮迅の活躍を見せたが、結局捕らえられ、斬首された。19歳であった。
既に13歳に達していた頼朝が処刑されることは、時間の問題であった。
狭い部屋に監禁された頼朝は、絶望の時を刻んでいた。
『死にとうない。もっと面白楽しく暮らしたかった。何故に父上は、清盛と戦をしたのか。戯け者じゃ!』
頼朝には、源氏の棟梁としての誇りは微塵もなく、唯々欲への執着心があった。
ルシフェルは、自分たちの野望のために、頼朝が利用できる人物かどうかを見定めていた。それは、頼朝の能力を測っているのではなく、この男がルシフェルの野望に利用できるか否かが問題なのである。
『この男なら、己の欲のために国だって売るだろう。政権を乗っ取るための血筋も持ち合わせている。』
そう判断したルシフェルは、頼朝に呼び掛けた。
薄暗い部屋の中、不気味に低く唸るような声が聞こえた。
「我こそは暁の子、明けの明星なり。我を拝せよ。」
頼朝は、『何?』と、いぶかしんだ。
頼朝以外誰もいない部屋の中で、それは空耳かと疑った。再度、声が聞こえた。
「我を拝せよ、頼朝。」
確かに誰かが呼び掛けている。
『わしを源氏の棟梁と知っての狼藉か?』
頼朝は、誰かに悪ふざけをされているのだと推察し、腹を立てた。誇りは無くても、自尊心は極めて高かったので、無性に腹を立てた。
『おのれ、狼藉ものめ。』
と、頼朝は武家の癖で太刀の柄に手をかけた。
次の瞬間、頼朝の足下に強烈な火矢が刺さった。脚が吹き飛ばされそうな威力であった。頼朝は身の毛がよだった。
「心せよ。これは汝を滅ぼす火炎なり。」と言う声が聞こえた。
よく見るとそれは火矢では無かった。火炎そのものが、まるで矢のように床に突き刺さったのであった。頼朝は心底恐怖を感じて、抗う気を無くしてしまった。
次に頼朝は、強烈な苦痛に見舞われた。それは耐え難い苦痛であった。
餓鬼のような邪悪な者たちが、頼朝の体中に取り付き、肉に食らいつき、筋を痛めつけ、内臓をわしづかみにしている。恐ろしい苦痛に頼朝は苛まれた。
「頼朝、思い知ったか。口ほどにもない奴じゃ。」
邪悪な者たちが、口々にそう喚き散らす。
「許してたもう!助けてたもう!」
頼朝は、苦しみから逃れようと、破れかぶれに叫んだ。
すると、頼朝に取り付いていた邪悪な者たちは消え去り、頼朝は苦痛から解放された。火炎も消えていた。
『もうあのような苦しみには、二度と遭いとうない。』
頼朝は、ぐったりとへたれ込んだ。
火炎は幻のように消えてしまったが、頼朝が体に受けた苦痛は、まだしっかりと残っている。
そこへまた、声が聞こえた。
「我を軽んずるなかれ。毎日毎夜、我を拝せよ。」
頼朝は咄嗟に床に這いつくばって、深々と頭を下げた。彼は恐怖に恐れおののいていた。
「拝しまする、拝しまする。疑うことなく、命ある限り貴方様を拝しまする。されど我が身は、明日にでも斬首の憂き目に遭うものでございまする。」
ルシフェルは、思った通りの男だと、頼朝の平身低頭な態度に満足した。そこでルシフェルは、頼朝に言った。
「されば我は、汝の命を生き長らえさせん。」
「何と!」
頼朝はルシフェルの言葉に喜んで、土下座をしたまま飛び上がった。
この恐ろしい物の怪ならば、本当に自分を助け出す力があるかも知れない、と頼朝は希望を感じた。
「これは汝との契約である。汝が我との契約を違うことあらば、我は汝をたちどころに滅ぼすものなり。」
この言葉を最後に、何も聞こえなくなった。
声が聞こえなくなってからも、頼朝は暫くは床に額を擦り付けていた。
気配がすっかりなくなったと感じて、やっと頼朝は頭を上げた。
『今のは夢ではない。わしは恐ろしい目に遭うた。はてさて、わしが果たす契約とは一体何であったか?おう、そうじゃ、あのお方を拝する事であった。容易いことではないか。』
頼朝には元々信仰心というものが無かった。
ーーーーー
こうして誰もが処刑されると思っていた頼朝は、清盛の継母である池禅尼の嘆願もあって、伊豆への配流となった。
これには平家方の誰もが驚いたが、平清盛自身も驚いていた。
「はて、妙だな。何故に、頼朝を生かしてしまったのか。訳が分からぬ。」
『魔が差した』では片づけられぬ大失態であった。この後、平家は無残にも滅亡させられるのであるから。
頼朝は一人きりになった時、高笑いした。
『やはり、あのお方の仰る通りになった。わしはあのお方の言うことを、是が非でも守らねばならぬ。』
それから二十年間、頼朝は何不自由なく暮らすことができた。いや、不自由がないどころか、遊び過ぎた。
頼朝の女好きは度を越えていた。土地の女に手当たり次第に手を付けては、捨てた。
何人もの子を腹ませては、捨てた。
頼朝が好き勝手に女遊びができたのは、ルシフェルがそれを許していたからである。
ルシフェルは、世の中の乱れを好んだ。人間の心の乱れを好んだ。
ということで、頼朝はルシフェルとの約束だけはひたすら守っていた。
秘密の場所にこじんまりとした祭壇を作り、毎日毎夜、一人でルシフェルを拝んでいたのである。
傍から見ると、読経に勤しんでいるように見えたが、実際は違った。拝む相手は、頼朝自身も良く知らないルシフェルだった。
彼は、全知全能者の前に来て言った。
「私はここにいます。私は全ての人類を養って、誰一人も失われないようにしましょう。私は約束します。ですから、私にあなたの栄光をください。」と。
しかし彼の思いとは裏腹に、彼と彼の軍勢は全知全能者の軍勢によって、天上から投げ落とされた。
なぜなら彼は、全ての人類を永遠に支配しようとしたからである。
彼は、天上での戦いに敗北した。
暁の子、明の明星と称えられた彼は、天から落ちてしまった。
天上での彼の名は『ルシフェル』。
それは、暁の子という意味である。
天上での戦いでルシフェルに従った軍勢も、もろともに天から投げ落とされた。
この者たちも、自分たちのことを「ルシフェル」と呼んだ。
それは、ルシフェルに最後まで従った者たちだからである。
彼ら「ルシフェル」も、天上の軍勢として戦った者たちであり、その力は人知を超えている。
暁の子は天から投げ落とされたので、堕天使となった。
「ルシフェル」達は、『堕天使ルシフェル』への忠誠心を失っていない。
再度戦いを挑み勝利して、悪魔が全てを支配する世の実現を待ち望んでいる。
かくしてルシフェル達は、気の遠くなるほどの長い期間、世界各地を彷徨い続けた。
ルシフェルはかつての勢力を再び取り戻さんがため、この世に権威・権能を得るための媒体となる人間を、気の遠くなるほど長い期間探し求めているのである。
ルシフェルは、世界中をさ迷いあぐねた挙句、東洋のある島国に辿り着いた。
そこでとうとう彼は見つけた。おあつらえ向きの欲の塊の人間を。
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時は平安末期。平治の乱で捕らえられた源頼朝は、平清盛の手中にあった。
『死にとうない、死にとうない。清盛なんぞに勝てるわけがなかったのじゃ。父上も兄者も戯け者じゃ。』
頼朝は、亡くなった父源義朝や兄達に対して恨み言をぼやき続けていた。
頼朝は平治の乱での敗走時に、逃げ遅れてあっけなく捕まってしまった。ドジであるが、このことは頼朝にとって幸いとなる。父や兄と行動を共にしていれば、命を失っていたであろう。
頼朝の父と兄達は、一旦落ち延びて再起を図ろうとしたが、次兄の朝長は傷が悪化したために動けなくなり、潔く自ら死を望んで父義朝によって命を取られた。朝長17歳であった。それは源氏の棟梁家に生まれたが故の、むごたらしい父子の運命であった。
義朝も仲間の裏切りに遭い誅された。37歳、無念の最期であった。
悪源太の異名を馳せた長兄義平は、獅子奮迅の活躍を見せたが、結局捕らえられ、斬首された。19歳であった。
既に13歳に達していた頼朝が処刑されることは、時間の問題であった。
狭い部屋に監禁された頼朝は、絶望の時を刻んでいた。
『死にとうない。もっと面白楽しく暮らしたかった。何故に父上は、清盛と戦をしたのか。戯け者じゃ!』
頼朝には、源氏の棟梁としての誇りは微塵もなく、唯々欲への執着心があった。
ルシフェルは、自分たちの野望のために、頼朝が利用できる人物かどうかを見定めていた。それは、頼朝の能力を測っているのではなく、この男がルシフェルの野望に利用できるか否かが問題なのである。
『この男なら、己の欲のために国だって売るだろう。政権を乗っ取るための血筋も持ち合わせている。』
そう判断したルシフェルは、頼朝に呼び掛けた。
薄暗い部屋の中、不気味に低く唸るような声が聞こえた。
「我こそは暁の子、明けの明星なり。我を拝せよ。」
頼朝は、『何?』と、いぶかしんだ。
頼朝以外誰もいない部屋の中で、それは空耳かと疑った。再度、声が聞こえた。
「我を拝せよ、頼朝。」
確かに誰かが呼び掛けている。
『わしを源氏の棟梁と知っての狼藉か?』
頼朝は、誰かに悪ふざけをされているのだと推察し、腹を立てた。誇りは無くても、自尊心は極めて高かったので、無性に腹を立てた。
『おのれ、狼藉ものめ。』
と、頼朝は武家の癖で太刀の柄に手をかけた。
次の瞬間、頼朝の足下に強烈な火矢が刺さった。脚が吹き飛ばされそうな威力であった。頼朝は身の毛がよだった。
「心せよ。これは汝を滅ぼす火炎なり。」と言う声が聞こえた。
よく見るとそれは火矢では無かった。火炎そのものが、まるで矢のように床に突き刺さったのであった。頼朝は心底恐怖を感じて、抗う気を無くしてしまった。
次に頼朝は、強烈な苦痛に見舞われた。それは耐え難い苦痛であった。
餓鬼のような邪悪な者たちが、頼朝の体中に取り付き、肉に食らいつき、筋を痛めつけ、内臓をわしづかみにしている。恐ろしい苦痛に頼朝は苛まれた。
「頼朝、思い知ったか。口ほどにもない奴じゃ。」
邪悪な者たちが、口々にそう喚き散らす。
「許してたもう!助けてたもう!」
頼朝は、苦しみから逃れようと、破れかぶれに叫んだ。
すると、頼朝に取り付いていた邪悪な者たちは消え去り、頼朝は苦痛から解放された。火炎も消えていた。
『もうあのような苦しみには、二度と遭いとうない。』
頼朝は、ぐったりとへたれ込んだ。
火炎は幻のように消えてしまったが、頼朝が体に受けた苦痛は、まだしっかりと残っている。
そこへまた、声が聞こえた。
「我を軽んずるなかれ。毎日毎夜、我を拝せよ。」
頼朝は咄嗟に床に這いつくばって、深々と頭を下げた。彼は恐怖に恐れおののいていた。
「拝しまする、拝しまする。疑うことなく、命ある限り貴方様を拝しまする。されど我が身は、明日にでも斬首の憂き目に遭うものでございまする。」
ルシフェルは、思った通りの男だと、頼朝の平身低頭な態度に満足した。そこでルシフェルは、頼朝に言った。
「されば我は、汝の命を生き長らえさせん。」
「何と!」
頼朝はルシフェルの言葉に喜んで、土下座をしたまま飛び上がった。
この恐ろしい物の怪ならば、本当に自分を助け出す力があるかも知れない、と頼朝は希望を感じた。
「これは汝との契約である。汝が我との契約を違うことあらば、我は汝をたちどころに滅ぼすものなり。」
この言葉を最後に、何も聞こえなくなった。
声が聞こえなくなってからも、頼朝は暫くは床に額を擦り付けていた。
気配がすっかりなくなったと感じて、やっと頼朝は頭を上げた。
『今のは夢ではない。わしは恐ろしい目に遭うた。はてさて、わしが果たす契約とは一体何であったか?おう、そうじゃ、あのお方を拝する事であった。容易いことではないか。』
頼朝には元々信仰心というものが無かった。
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こうして誰もが処刑されると思っていた頼朝は、清盛の継母である池禅尼の嘆願もあって、伊豆への配流となった。
これには平家方の誰もが驚いたが、平清盛自身も驚いていた。
「はて、妙だな。何故に、頼朝を生かしてしまったのか。訳が分からぬ。」
『魔が差した』では片づけられぬ大失態であった。この後、平家は無残にも滅亡させられるのであるから。
頼朝は一人きりになった時、高笑いした。
『やはり、あのお方の仰る通りになった。わしはあのお方の言うことを、是が非でも守らねばならぬ。』
それから二十年間、頼朝は何不自由なく暮らすことができた。いや、不自由がないどころか、遊び過ぎた。
頼朝の女好きは度を越えていた。土地の女に手当たり次第に手を付けては、捨てた。
何人もの子を腹ませては、捨てた。
頼朝が好き勝手に女遊びができたのは、ルシフェルがそれを許していたからである。
ルシフェルは、世の中の乱れを好んだ。人間の心の乱れを好んだ。
ということで、頼朝はルシフェルとの約束だけはひたすら守っていた。
秘密の場所にこじんまりとした祭壇を作り、毎日毎夜、一人でルシフェルを拝んでいたのである。
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