ゲームの世界は異世界だから女体化とか、何でもありでいいよね？

第１章 過去の責任を生涯かけてとります！

第69話 治世だから能臣? （１）

「起きろ～！　曹操孟徳～！　起きろ～！」

　僕は声を大にして叫び、名指ししながら、もうお昼になると言うのにまだ寝ている寝坊助さんに対して。

『ドン！　ガン！』と……。

　そう中華仕様の木製ベッドと言うか？　まるでソファーのようなベッド……。みなさんも中華ファンタジーな映画やアニメ、マンガなどでは見たことがあるとは思うけれど。
　ベッド、ソファーにもなる優れ物の上で熟睡……。

「スヤスヤ」と可愛く寝ているダークエルフの少女を僕は粗々しく、蹴り飛ばせば。

「ギャン！」と悲鳴──！
　その後は「痛い！」と悲痛な声を漏らして僕に「何をするのだ？」とまだ寝ぼけた顔、声音で不満を漏らせば。

「今のは夏侯惇なのか？　それとも荀彧なのか……？　う～ん、いや、もしかすると？　郭嘉なのか～？」と尋ね。
「いい加減にしろ……」と。

　蹴った相手は僕なのに名前を先ほどから何度も間違えつつ更に不満を漏らし、床の上でへたり込むように座りながら、自分の瞼を可愛く華奢な手で擦る可愛いダークエルフの少女なのだが。

　今日も何処かの誰かさん達……。

　そう今日も近代日本で自分達の美貌とプロポーションを維持するために姉妹仲良くスポーツジムへと通っている何進将軍我が家の御姉さま」から今日も相変わらず、自身へのお仕事下知がないからと部屋で引き篭もり生活を続けているダークエルフの少女……。

　まあ史実では大変な悪戯っ子で、曹洪や夏侯惇、夏侯淵達と許昌の町の若い娘を攫っては悪戯をしていたらしい。許昌の町の手に負えないヤンキー兄ちゃん……。傾奇者……。

　今の僕の転生先の日本！　ジャパン！　尾張の大うつけ者！　傾奇者でヤンキー兄ちゃんでもあり。佐々や前田犬千代、池田恒興達と尾張の町や村の若い娘達を攫っては悪戯していた手に負えない、暴れん坊さま事……。覇王信長公と一緒でね。

　三國志の覇王であり！　魏王！　英雄中の英雄王でもある曹操孟徳を僕は蹴り起こしたのだが。
　曹操孟徳は相変わらずこの通り寝ぼけ、また転寝を始めだしたから。

「孟徳、何をボケボケしているんだよ！　僕だよ！　僕！　アプリゲームのお前の御主人さまだ！　早く起きろ！　用事があるのだ！」と。

　僕は寝ぼけている曹操孟徳へと罵声を吐き起こす。
　すると孟徳は自分の目を擦りつつ「ふわぁ～」と大欠伸をしながらこちらを向いた。
　そして「理君……？」と言葉を漏らしつつ僕の容姿を舐めるように見詰めだした。

「僕だよ。僕……。李儒理樹だよ」

　僕は首を傾げ、こちらを見る孟徳へと声をかける。

「えぇ～～～！　何で理君が僕と一緒でダークエルフの少女なんだよ～？　それにさ、理君が何でこの世界にいる訳？　それって可笑しいじゃない～～～？」

　孟徳の奴は今の僕の容姿を見て声を大にして叫び、騒ぎ始める。

「僕も知らないよ。こんな風になっちゃったんだから」

　僕の眼下で『あわわわ』と動揺をしている孟徳に不貞腐れたような声音で言葉を返せば。

「僕、実は李儒の転生者でね。何太后さまの事を悪者から助けたのだよ。その後は何太后さまや何進将軍、皇甫嵩将軍達と大人しく仲良く日本人として暮らしていたのだけれど。董卓閣下に黄巾党の件で呼び出され、対処するようにと命令されて……。この世界へとダークエルフの少女へと変身してきたのだよ」

　僕は孟徳にかくかくしかじかと説明をすると。