僕は魔王董卓仲穎だ！ お前等かかってこいよ！ オラオラ！ と肩を振って威張り歩きたいけれど……

第118話 盲侯惇！ （２）

「うぅ、ううう……」

　そう只今の僕は突然現れた何者かに自分の脇腹、肝臓の位置を魔力を込めた足で蹴られ、道路を枕にして立てない状態で呻っている。

「仲穎君～！」
「仲頴～！」
「上田先輩～！」

　だからリちゃんや張繍さん、樊稠さんの三人が顔色を変え、慌てふためいた声音で僕に叫ぶように声をかけてくれたのだが。
　僕自身も敵の不意打ちによる攻撃をノーガドで受けたものだから自分の身体に力が入らない。

　だから僕自身も安易に立つことができずに呻っていると言う訳なのだが。
　僕の事を不意打ちで蹴った卑怯な奴……と言うか？　喧嘩はこうじゃないと駄目なのかな？　今度から気をつけようと自戒する僕の事を放置して蹴った男はと言うと？

「おい、おい。何だ！　こりゃ！　曹洪と郭嘉……。それに于禁……。お前等三人、こいつらに良いようにやられているじゃないか。本当に情けない奴等だな～。あっ、ははは～」

　そう僕に倒されて道路や路側帯で呻り転がる三人……。曹洪と郭嘉、于禁へと、僕の事を蹴り飛ばした男は最初は呆れ声……。最後にはケラケラと笑いながら三人へと大丈夫か？　と声を掛けるのだが。

　僕に倒された三人は呻り声を漏らす事はできるけれど立ち上がる事はできないでいるみたいだから。

「まあ、デブは今倒したから……。今立っている残りの三人は俺一人でやるか……」

　僕の事を蹴り飛ばした男はニヤニヤと笑いながら、自身の指をポキポキと鳴らしながら張繡さんと、樊稠さんへと歩み寄り始める。

　だから僕は自身の身体を何とか起こそうと試みるのだった。