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第35話 アイツの不満……(8)

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 俺はこの日の晩に、苦笑を浮かべながら、コイツに大変に酷い事を告げてしまったようだ。

 でもこの日の俺は、それでも姉ちゃんに対して少し酷い事を告げたかな? の程度で余り反省はしていない。

 だって姉ちゃんはビッチ女サセコだから誰とでも安易にできる女だから、これぐらいの言葉……。俺の悪態を聞いたぐらいでは悲しむ事もないと思っているから。
 俺は自身の顔を引き攣らせつつ「あっ、ははは」と苦笑を浮かべ誤魔化してみた。

「酷い、酷い、新作……。うちはあんたに好かれようと必死になって毎日尽くしていたのに浮気をするなんて酷い。酷い奴……」

 しかしこの通りだよ。姉ちゃんは俺に睨むガンをつける訳でもなく悲しい顔、目でポロポロと涙を流しながら嘆き、不満を漏らしてきた。

 だから俺はえっ! と驚嘆するのだ。コイツが俺の予想に反した様子……。

 そうコイツの今迄の性格ならば、俺の頬を二、三発は叩いて──お腹や足に蹴りぐらいは入れながら逆切れ……。怒声を吐いてくると思っていた。

 でも姉ちゃんは普通の乙女のように泣きながら、俺に酷い男……。自分の事を弄び、騙した酷い奴だと、自分の麗しい顔をくちゃ、くちゃにしながら訴えかけてきたのだ。

 それでも俺は姉ちゃん対して面倒な女だと思いながら「知らんって……」と悪態をついた。

 だから姉ちゃんは久美ちゃんの大人のルージュの跡がついたグラスを俺に投げつけようとするから。
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