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第32話 家族の思い(2)

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 俺は真横で相変わらず「シクシク」と泣く姉ちゃんに対して男らしくない言い訳をダラダラと告げている。

「嘘を言わないでよ、新作……。うちが中学校一年生になった時の祝いをこの家でした時に。うちがあんたに自分の制服姿がどうか? 似合うか? 可愛いか……? その他にもうちがあんたに色々と問いかけたり、話しかけても『うん、うん』と頷くしか、してくれん、かった、じゃん。うちはあんたのことを好きだから、一杯話しかけたのに頷くか、無視をした癖に嘘ばかりいわないでよね。うちの処女を奪って、散々おもちゃにした癖に嘘ばかりついて、いい加減にしてよ。あんたは……」

 だから姉ちゃんの方も売り言葉に買い言葉……。姉ちゃん、そんな昔の事を良く覚えているなと言う出来事を例題にあげ、俺に恨み辛みを告げてくるから。

「いや、あれは、小学生の俺から見ると。姉ちゃんが余りにも奇麗で可愛く俺には見えて。大人になった姉ちゃんが別の世界の人に見えたと言うか? 俺から見た姉ちゃんは本当に大人の女性に見えてさ。俺自身が姉ちゃんの事を照れ恥かしくて真面に見る事ができない。大人になった姉ちゃんとどんな会話をして良いか、俺には解らないから、ちゃんとした解答や会話ができなかっただけだよ」

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