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第31話 あんな俺を見てくれていた奴もいたけれど。良くなってからの俺の事を見るようになった奴もいる(17)

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「えっ、うぅ~、ん」と俺は姉ちゃんへと気だるげ……。面倒くさい顔、様子、声音で返事を返した。

 だからコイツは俺の様子を見て、自分に気がないと悟るから。

「うぅ、ううう……。酷いよ。新作……。うちが幼い頃に散々悪戯をしておもちゃにした癖に、他に男が居たからいらないとか、本当に酷い男じゃねぇ……。うちをこんな風にしたのはあんたの癖に。もう、うちのことをいらないなんて言って捨てるなんて本当に酷いひと……。汚いひと……」

 俺に恨み辛みをまた呪いの呪文のように呻りながら嘆いてきた。

「でも姉ちゃんが俺の事を誘ってきたんじゃないか……。新作、一緒にお風呂に入ろうとか、一緒に寝ようって……。だから俺は、それが姉ちゃんの合図、サインだと思って……。誘ってくれているとばかり思っていたから……」

 俺は本当にだらしない。男らしくない様子を真横で、俺に何とか取り入ろう。元鞘に収まろうと、あの手この手と策を弄してくる姉ちゃんの事を何とか突き放し、俺の事……。

 そう、只今良い関係になりつつある、久美ちゃんや唯との関係を終わらせたくない。上手くいかせたいから姉ちゃんには、どうせその場しのぎ……。俺を自分の一時的な性欲の捌けにしたいと。
 俺に集い、寄り添ってくる奴等みたいな事を考えているのだろうと思っているから。何とかコイツには俺の事を諦めてもらいたいなと心から思うから。俺の顔は大変に困った顔……。男らしくない顔と言い訳が続くので。

「うちは父ちゃんや母ちゃんに、後がつかえるから新作と一緒に風呂に入れと告げられただけで……。あんたと一緒に寝ていたのも父ちゃんと母ちゃんが新作と一緒に仲良く寝るようにと告げてくるから。一緒に寝ていただけだから、本当だよ……。なのに、あんたは、いつもうちのことを悪戯してくるから。うちはこんな女になったんじゃない。だから新作、うちのことをちゃんと責任とってお嫁さんにしてよ。絶対に……」



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