俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第31話 あんな俺を見てくれていた奴もいたけれど。良くなってからの俺の事を見るようになった奴もいる（16）

「でもとか男らしくないことを言わないでよね。新作～！　うちもつい最近まで彼氏が居たし。彼氏がいるのに、新作～、あんたから自分の物だと言われても彼氏のことを裏切るようになるし。あんたも直ぐに男を捨て、変えるような女は嫌だと思うから。あの時……。うちがあんたと久し振りに会った時は、新作が怒ると思うけれど。うちはあんたにああ言うしかなかったの。だからあの時のうちの言葉は許してくれるよね？　うちはあんたの初めての女性ひとで。うちも女の子の一番大切な物をあげたのだから良いよね？」

　それでも姉ちゃんは俺に嘘偽りばかりを告げ、自分は悪くないと正当化するけれど。あの時……。俺と姉ちゃんが数年ぶりに会い。俺にコイツが悪態をついてきたけれど。あれはコイツの本心で、ダサイ俺の事をこいつは久美ちゃんや唯のように優しく、愛おしく見てはくれなかった事ぐらい。
　あの時の俺ならば解らないかも知れないけれど。今の女馴れしている俺ならばコイツが只単に彼氏と以前のように夜遅くまで逢い、戯れ、遊ぶ事が出来ないから。俺に自分の寂しさを紛らわす為に戯言ばかりを言っているのだと。
　俺は悟る事が出来ると。俺は高を括っていたから、マジでコイツ、ウザイ、面倒な女……。やはりこいつはビッチ・セフレ女サセコでパン助だ！　と俺は蔑み、再認識してしまう失態をまた犯すから。