俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第25話 帰宅（１）

『あれ、姉ちゃん帰ったんだ……』

　玄関の扉を開け、閉めして──自分が履いている先の尖った革靴を脱ぎながら俺は自身の脳裏で呟けば。

「ただいま返りました……」と。

　俺は伯父さんと伯母さんへと帰宅をしましたといつものように挨拶をして、取り敢えず玄関に教科書が入ったスポーツバッグを置いてキッチンへと向かうのだ。

　俺が夕飯を終わらせないと伯母さんが片づけを終える事ができない、イコール……。

　伯母さんがいつまで経ってもリビングでドラマを見たりして寛ぐ事ができないから俺は慌ててキッチンへと向かうのが、ヤンキーなってからの日常……。


　俺が真面目な頃は、久美ちゃん先生の個人授業を終えれば真っ直ぐ家に帰宅していたけれど。
　俺が今日からヤンキーなってからは、久美ちゃんとの個人授業が終われば。
　俺は大島達とヤンキーになる為の訓練をまだあの頃……。

　そう姉ちゃんが家出……？

　伯父さんや伯母さんに家を追い出されてから許しを得て帰宅する迄の一週間前後ぐらいだったかな……？

　まあ、要するに姉ちゃんは彼氏の家を追い出されたみたいでね……。

　姉ちゃんが伯父さんや俺と喧嘩をして家を飛び出した二日後には。姉ちゃん彼氏のお母さんから伯母さんへと電話……。

　家出娘の姉ちゃんが彼氏の家にこのまま居座り、居候……。

　そう、このままダラダラ姉ちゃんに家で寝泊まりされ、息子の嫁になるのは家も困るから、姉ちゃんを伯母さんでも伯父さんでもいいから迎えにきてくれと。
　自分の息子は姉ちゃんの事をさんざん玩具……。自分の性欲の捌けにした癖に。
　姉ちゃんの素行が良くないヤンキー娘で。若いのに貞操観念が乏しく異性にだらしない姉ちゃんは自分の息子の嫁に相応しくないからと。
　彼氏の両親は今直ぐ家出娘の姉ちゃんを迎えにきてくれと伯母さんに電話の向こうから嘆願してきたみたいだ。