俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第23話 今日から俺は武者修行です（９）

　だからと言って他校のヤンキー兄ちゃんが駆け出しのヤンキー……。

　いくら可愛い、ちんちくりんの俺の事を許してくれる寛大な処置をとってくれる訳もない。

　だって俺の顔を大変に不機嫌極まりない顔……。

　チビの俺の事を見下ろすように睨み、『ガン！』をつけてくるヤンキー兄ちゃんは、瀬戸普通科高校と言って。俺が通っているえのかわ高校と同じく偏差値の低い男子高校でね。
　家の学園と同じくヤンキーの巣窟高校……。

　昨日俺がボコボコに殴られ、しばかれた家の姉ちゃんが通っている商業高校のヤンキー達よりも完全に格上のヤンキー兄ちゃん達が集う高校だから。
　俺のようなハンパ者では太刀打ちできない高校のヤンキーお兄様……。

　そんな恐ろしい高校の生徒お兄様に対して俺は、恐れ多くも自分から映画やテレビ、マンガの悪人、ならず者達の真似をして、『ドン！』と意図的に肩を当て不満……。

　まあ、イチャモンをつけた訳だから、瀬戸ポンのヤンキー兄ちゃんに俺は許して貰える訳もなく。

　俺が顔を殴られ、痛さの余り、自ら肩膝を地面につけると。ヤンキーのお兄様は大変に丁寧……。手際良く、俺の肩を『ドン！』と足蹴りするから。

　俺は情けなく地面に『ドテン！』と鈍い音を立て横たわるのだ。
　新品の長ランとツータックのドカンを着衣したまま横たわり、汚しながら。