俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第20話 嘆願……（10）

「マジか山本～？」
「そりゃ、姉ちゃんを他の奴に盗られたのならば、山本も悲しよなぁ～？」
「ああ、確かに。わっ、ははは」

　大島のツレ達が俺の事を侮り、嘲笑ってきた。

　だから俺は、「えっ、どうだろう？」と、にへらと笑いながら自分の感情押さえ、自身の顔をできるだけ引き攣らせないように……。

　そう、こいつら！　大島のツレ達を怒らせないようにしながら言葉を選び返した。

　だってこいつら！　大島のツレ達は！　姉ちゃんの彼氏やツレ達とは違い本物のヤンキー……。中学生時代でも広島市内でも有名なヤンキーばかりでね、自分達の地元の管轄の警察署の少年課から完全にマークされている暴走族とかしている奴等で、将来は本職になるのでは？　と思われる奴等ばかりだから。

　俺は大島のツレ達に侮り、嘲笑いを受けようと耐え忍びつつ、こいつらの顔色を窺いながら言葉を返した。怖くて仕方がないから。