俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第19話 怒り……（15）

　今の令和の時代では考えられないくらいあの当時……。昭和の終わり頃は人の価値もまだ低いし、未成年の犯罪に関しても今よりも寛大で、これぐらいの傷害事件なら良くある事なので新聞にさえ載らないから。

　俺と伯父さんの二人は姉ちゃん達の良いサンドバックになった。

　だけどさ、こんな刹那状態も長くは続かない。

「あんた達何をしているの～？」

　俺の伯母さんがとうとう二階へと慌てて上がり、踏み込んできて驚愕した。

　俺と伯父さんの状態が余りにも悲惨だからね。

　そして伯母さんは俺と伯父さんが男気！　意地になって口に出せなかった言葉、台詞……。


　そう、昭和世代の人間達が中々口に出す事が出来ないでいた言葉……。


「美奈子～、あんた達……。家のお父さんと新ちゃんにこれ以上酷い事をするならば。私は警察に電話をするから。あんた達は学校退学や警察沙汰になって鑑別所に行くようになってもしらないからね」と。

　伯母さんが姉ちゃんと彼氏、ツレ達を諫める、ではなく。脅したのだ。

「美奈子の彼氏！　それと友人のあんた達も覚悟しときなさいよ！　家のお父さんと新ちゃんにこれだけ酷い事をしたのだから。あんた達の親御さんにも電話を入れ謝罪要求するから」と。

　伯母さんは、自身の目に涙を一杯溜めつつ姉ちゃんや彼氏、ツレ達を睨みつつ脅迫した。