俺と（従姉）姉ちゃんの良くある『今日から俺は？』の話だ。

第17話 帰宅（５）

　今度は男子達の声……会話が俺の耳へと聞こえてきた。その中には姉ちゃんの彼氏が居ると俺ははっきりと分かったと同時に。俺は昨晩の姉ちゃんの荒々しい脅し文句の事を脳裏に思い出し、自身の顔色を変えれば。

「おい、美奈子！　何処にいるんだ？　お前を凌辱しようとした変態男は？」

　俺の耳へと姉ちゃんの彼氏だと思われるヤンキー兄ちゃんの低い声……。それも大変に憤怒している唸り声が俺の耳へと聞こえてきた。

　俺は直ぐに『どうしよう？』、『どうしたら良い？』と、自分の身体を震わせ、歯からもガチガチと音を出しながら思案をする。

「ああ、うちの丁稚で変態なびったれガキならば二階にいるよ」

　でも俺の耳に姉ちゃんの声が……。俺が二階に居ると彼氏に教える台詞が聞こえてきたから。

　俺は『やはり、大島に助けてくれ』と嘆願をするべきだったと後悔の念を抱きつつ。

　今自分自身が置かれている厄災に対しての打開策を思案するのだった。



『二階の窓から飛び降りて逃げるか？』

　俺は瞬時に思い、二階からの飛び降り脱出を検討するのだった。

　でもそんな根性等、たかが市立商業高校のヤンキー連中にビビリまくり、おし〇こを漏らしそうな俺にできる根性等始めからない訳だから。

『ああ、どうしよう？』、『ああ、どうしたら良い……』

　俺が涙目を浮かべながら思案をしている間にも、階段を荒々しく上がる数人の足音と。
　俺の事を嘲笑う男女の声は部屋の前へと辿り着いてしまうから。
　俺は逃げる事もできずにツモってしまい。途方に暮れる。


　◇◇◇