上 下
104 / 274

第15話 俺は二人の喧嘩を止める! (8)

しおりを挟む
 姉ちゃんはやはりヤンキーだからこの通りだ。伯父さんに顔を拳で殴られて涙を流してはいるけれど。
 自分の奥歯を噛み締めつつ耐え忍びながらも、伯父さんへと悪態をつき続けるのだが。

 姉ちゃんは「あっ!」と声を漏らしたと思えば。
 姉ちゃんと伯父さんの間に入り、二人の喧嘩を止めようとしている俺の身体を上手く交わして、ダイニングテーブルの上に置いてある木製の鍋敷きをサッ! と掴み、振り上げ──。伯父さんの事を殴る体制へと入る。

 だから伯父さんは、姉ちゃんの髪を鷲掴みする行為を辞め、慌てて自身の身体をガードできる体制をとる

 だから瞬時に二人には隙が生じる。

『よし! 今がチャンスだ!』

 俺は自身の脳裏で呟くと。そのまま従姉の姉ちゃんへと抱きつき、押し倒し、床の上へと倒れ込むのだ。鼻血が抜けている姉ちゃんの頭──。後頭部がダイニングテーブルの机や椅子──床に頭を打たないように俺の腕で庇いつつ器用にドン! と倒れ込めば。
 俺は勢い良く姉ちゃんに覆い被さり押し倒し、押さえ込んで。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ラ・ラ・グッドバイ

おくむらなをし
恋愛
大学の事務員として働く派遣社員の吉田は、何度目かの失恋をした。 仕事も恋も長続きしない自分に苛立ちながら副業にしている日雇いの現場へ向かい、そこで栗谷ほまれという年下の女性に出会った。 妙にパーソナルスペースが狭い彼女の態度に戸惑いながらも一緒に食事をして別れ際、彼女は「またね」という言葉を口にする。 その後2人は意外なかたちで再開することとなり……。 ◇この作品はフィクションです。全20話+アフターSS、完結済み。 ◇この小説はNOVELDAYSにも掲載しています。

目覚めた公爵令嬢は、悪事を許しません

さち姫
恋愛
公爵の娘として生まれたスティングは、この国の第1王子ガナッシュと幼い時から婚約が決まっていた。 政略結婚でありながらもスティングはガナッシュのことが好きだった。 だが、ガナッシュは乳母の孫であるレインを溺愛していた。 ことある事にガナッシュはレインの肩を持ち、スティングの言う事を全く聞かなかった。 そんな中帝国より留学できている皇子、皇女とスティングは仲良くなる。 ガナッシュ様。私は幾つも、忠告をして参りました。それなのにレインを望まれるのです。 いいんです。もう、疲れました。 私は少し自由に生きてみたいと思います。 前に投稿していた小説です(*^^*)

【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。

紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。 アルファポリスのインセンティブの仕組み。 ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。 どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。 実際に新人賞に応募していくまでの過程。 春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)

お願い縛っていじめて!

鬼龍院美沙子
恋愛
未亡人になって還暦も過ぎた私に再び女の幸せを愛情を嫉妬を目覚めさせてくれる独身男性がいる。

抱かれたいの?

鬼龍院美沙子
恋愛
還暦過ぎた男と女。 それぞれの人生がある中弁護士 上田に友人山下を紹介してくれと依頼が三件くる。 分別がある女達が本気で最後の華を咲かせる。

虹ノ像

おくむらなをし
歴史・時代
明治中期、商家の娘トモと、大火で住処を失ったハルは出逢う。 おっちょこちょいなハルと、どこか冷めているトモは、次第に心を通わせていく。 ふたりの大切なひとときのお話。 ◇この物語はフィクションです。全21話、完結済み。 ◇この小説はNOVELDAYSにも掲載しています。

笑い方を忘れたわたしが笑えるようになるまで

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃に強制的に王城に連れてこられたわたしには指定の場所で水を汲めば、その水を飲んだ者の見た目を若返らせたり、傷を癒やすことができるという不思議な力を持っていた。 大事な人を失い、悲しみに暮れながらも、その人たちの分も生きるのだと日々を過ごしていた、そんなある日のこと。性悪な騎士団長の妹であり、公爵令嬢のベルベッタ様に不思議な力が使えるようになり、逆にわたしは力が使えなくなってしまった。 それを知った王子はわたしとの婚約を解消し、ベルベッタ様と婚約。そして、相手も了承しているといって、わたしにベルベッタ様の婚約者である、隣国の王子の元に行くように命令する。 隣国の王子と過ごしていく内に、また不思議な力が使えるようになったわたしとは逆にベルベッタ様の力が失われたと報告が入る。 そこから、わたしが笑い方を思い出すための日々が始まる―― ※独特の世界観であり設定はゆるめです。 最初は胸糞展開ですが形勢逆転していきます。

私を欲しがる男!

鬼龍院美沙子
恋愛
何十年も私を狙い私に相応しい男になりプロポーズしてきた男。お互い還暦を過ぎてるのに若い頃のように燃え上がった。

処理中です...