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第5話 俺転校する? しない? (5)

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「母さん?」
「……何、あなた?」

 俺が二階の自分の部屋で一人『うぉ~!』、『うぉ~!』と吠えていると。
 下の部屋から親父様がお袋様へと声をかけるのが聞こえてきた。

 だから俺は『ん? 何々?』と思えば。

「あの馬鹿で阿保だった新作の奴がやっと大学行こうと勉強をする気になったのだから。あいつだけこの家に一人で住ませて。俺達二人で会社の移転先へと引っ越そうか?」

 俺は親父様の口から漏れた言葉を聞き。
 俺の夢、願い、要望が神様の力で成就されたと確信をした。

 だから俺は歓喜だよ──!

『おっ! マジ! 親父! ありがとう~。俺~、新作~! 感謝! 感激! バ〇モン〇カレー!』

 俺が自身の脳裏で叫ぶくらい歓喜! 感動した!

「う~ん、そうね……」

 しかしこの通りだ! 家のお袋様は一人息子の俺の事が可愛くて仕方がないからこの場……。

 そう土壇場でお袋様は親父がだした提案に対して余り気乗りがしないと言った物言いの口調を漏らすから。
 俺は『えっ! 嘘だろう?』と、自分の顔色を変え思えば。

「……お父さん、この家の近所には不良の健ちゃんがいるから、新作を一人暮らしをさせるのは駄目よ……」

 お袋様は親父様へと告げる。

「……ん? 何で母さん、健ちゃんが近所にいたら駄目なんだ? 別に健ちゃんが近所に居ても一人暮らしさせても問題はないのではないか……?」

 お袋様の言葉を聞き親父様は首を傾げながら言葉を返す。
 俺もお袋様の言葉を聞き、親父様ではないが。

『何でお袋は大島が近所ならば俺の一人暮らしは駄目なのだろうか?』

 俺も親父様のように自分の首を傾げる。

「……ん? 何で、ッて、お父さん……。健ちゃんは不良、ヤンキーだよ! それも広島でも超がつくほどの有名人だと。近所の人達が言っていたのよ! そんな健ちゃんが、新作が一人暮らしだとわかれば。この家は直ぐに不良達のたまり場……。そう事ある毎に警察へと通報を受け。その都度私達夫婦は警察に呼ばれ、新作を迎えにいくようになるわよ。お父さん……。それでもいいの……?」

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