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■救助編
【14】
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外に出るため、ロゼンパーティーに警護されながら村人は洞窟の通路を歩いていた。
結局、村人が突然いなくなり、洞窟の中に封印されていた原因とは?
名探偵、否、魔法使いティアが説明する。
「フロアを調べてみたら、壁や地面に今にも消えそうな魔法陣がかすれて残っていたのよ。"昔からある【邪心の洞窟】と言って、村で悪さをした者を戒めるために作られた "ってナルシアが言っていたでしょ? おそらく悪さしたやつを捕らえておく目的で作られた洞窟だけどそのうち使われなくなって廃れていった。でも使わないなら不要な魔法陣は消しておくものだけど忘れちゃったのね。そのせいで古く汚れた魔法陣が効果を間違えて暴走してしまった。結果として罪のない村人を罪人と勘違いして強制的に転移封印してしまい、ギガンオウ……あれは魔法陣がボロすぎてモンスター化しちゃったようだけど本来は罪人を見張っておくガーディアンだったと思うの。それを私たちが倒したから封印が解けて、村人が解放されたってわけよ」
その説明を聞いて、なるほど、と一同は得する。
「………?」
ゼンスだけは意味をまったく理解できていなかった。
まさか改行だらけのこの物語りでこんな長文が始まるなんて思ってもみなかったのだ。
「ロ、ロゼン、今のティアの説明理解できたか……?」
「まあ、おおむねな。でもやっぱりあの夏の日の思い出は語られなかった……ぐえっ!?」
「り、理解できた!? ふざけんじゃねえ! お前はこっち側の人間のはずだろ!?」
「え……なに……な…んかわかん…ないけど……すい…ません……さよなら……」
センスが胸倉を掴んでガクガクと揺らしてくるため、首がしまってロゼンは魂が抜けそうになった。
そんのなこんなと一同は通路を進み続け、外からの光が見えるところまでやってくる。
「──あ!」
出口付近に見えた影が声をあげた。
「み、みんな! やっぱりここにいたんだね!」
洞窟のすぐ目の前で待っていたナルシアが手を振ってきた。
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名探偵、否、魔法使いティアが説明する。
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その説明を聞いて、なるほど、と一同は得する。
「………?」
ゼンスだけは意味をまったく理解できていなかった。
まさか改行だらけのこの物語りでこんな長文が始まるなんて思ってもみなかったのだ。
「ロ、ロゼン、今のティアの説明理解できたか……?」
「まあ、おおむねな。でもやっぱりあの夏の日の思い出は語られなかった……ぐえっ!?」
「り、理解できた!? ふざけんじゃねえ! お前はこっち側の人間のはずだろ!?」
「え……なに……な…んかわかん…ないけど……すい…ません……さよなら……」
センスが胸倉を掴んでガクガクと揺らしてくるため、首がしまってロゼンは魂が抜けそうになった。
そんのなこんなと一同は通路を進み続け、外からの光が見えるところまでやってくる。
「──あ!」
出口付近に見えた影が声をあげた。
「み、みんな! やっぱりここにいたんだね!」
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