☆なんちゃってクエスト★

Natsu

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□始まり編

【教会?】

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「迷える小羊よ。我が教会に何のようかな?」

「仲間が息絶えたので、復活させてほしいのです」

「よろしい。では、我が教会に30000¢の寄付をささげなさい」

「30000¢とはずいぶん高いですね。なぜそんなに高いのですか?」

「え? それは……あれですよ、教会の運営費用として使うのです」

「それはおかしいですね。国からも運営費用は支払われているはずです。なのに貧しい民衆からも資金を徴収するのでしょうか。まさか資金が無い者は見捨てるおつもりなのですか?」

「い、いや、それは、その質問はタブーと…いうか、なんというか……まあ、いうならばそういうシステムというか……」

「ではここではっきりしてください。神父、私このようなものを発見しましたが見覚えはありますか?」

「………? あっ! そ、それは、昨日コユメちゃんに送ったダイヤの指輪……はっ!?」

「なるほど。聖職者なのに夜のお店を遊び歩き、女性にプレゼントをしていたと?」

「い、いい、いやや……い、いまま今のは…ちががっ……」

「プレゼント代は、まさか寄付からじゃないですよね?」

「あ、あぁぁっ……うんぬっ……!」

「そういえば寄付金は30000¢でしたっけ?」

「………………そうだ今思い出しましたよ、キャンペーン中なのです。本日の寄付金はいりませんでした」

「あら、そうなのですか?」

「はい、あなたの日々の善行が幸運を呼んだのでしょうね。ここでも善行を積むとより良い人生が送れるでしょう。先ほどの件はどうかご内密ということでよろしくお願い致します」

「わかりました。不思議なことに私が行く教会はいつもキャンペーン中なのですよ。これも善行の賜物なのでしょうか」

「……う…うんぬっ……!」


「──はっ!?」

 宿屋の中、ロゼンは汗だくで目を覚ました。
 隣のベッドではゼンスがいびきをかいて寝ている。

「ゆ、夢……そうだよな、死んだ人間が生き返るわけないし、そもそも聖職者があんなことするわけないもんな。あー、びっくりした」

 ロゼンはベッドに横になるが、

「あの神父のうんぬっ……ていう口癖はなんだったんだろう……」

 自分の夢の中の内容の癖に、どうでもいいことが気になって眠れなくなったとかなんとか。
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