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□始まり編
【逃亡】
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「探せー!」
「まだ近くにいるはずだ!」
現在、北国の城下町は犯罪者集団を捕まえるために、国を警備し治安を守る部隊“守備隊“が走り回っていた。
「………」
そんな中、城下町の暗い路地に息をひそめて隠れる影の存在がある。
「ねえ」
「………」
「ねえ」
「………」
「ねえってば」
「うっさい黙ってろ! 居場所がばれるだろうが!」
「――いたぞ! あの路地だ!」
「げっ!? ほらみろ、ばれたじゃねえか!」
「てめえが叫んだからだろうがロゼン!」
「とにかく逃げましょうか」
「あ、逃げたぞ!」
「逃がすな!」
守備隊から逃げる犯罪者集団とは、なんとロゼンパーティーのことだった。
追っ手から逃げ回る最中、パーティーは様々な疑問をリーダーにぶつける。
「ねえロゼン、なんで私たち追われてるの?」
「いい質問だティア。その答えはあの戦士が持ってる巨大な布袋に詰まっているのさ」
「おいロゼン、ミモザが持ってる巨大な布袋は何なんだ?」
「的確な疑問だゼンス。あの巨大な布袋の中には、一生を遊んで暮らしてもおつりがくるほどの輝きが詰まっているのさ」
「さっきから居場所が完全にばれていますね。何故なんでしょう?」
「それはもっとも簡単な疑問だミモザ。その答えは、その布袋がでかくて目立ちすぎるんだよ!」
ロゼンはミモザがかついでいる巨大な布袋を指差した。
「お城の宝物庫の財宝を詰め込んだらこの大きさになりましたので」
「いくら好きなだけ持ってけって言われても限度があるだろ限度が! すぐに返してこい!」
「……返す?」
「なんだその顔! ロゼン様が狂ってしまったわ、みたいな顔は! これだけは言っとくが狂ってんのはおま」
「待って! それだけあればイチゴパフェ何杯食べれる!?」
「んん!? なんかよくわからんけど、とにかく凄いってことでいいんだな!」
ロゼンの気持ちもつゆ知らず好き勝手盛り上がっている仲間たちを見て、
(あれ……? 俺が狂ってんの?)
と、真剣に考えてしまったロゼンであった。
「まだ近くにいるはずだ!」
現在、北国の城下町は犯罪者集団を捕まえるために、国を警備し治安を守る部隊“守備隊“が走り回っていた。
「………」
そんな中、城下町の暗い路地に息をひそめて隠れる影の存在がある。
「ねえ」
「………」
「ねえ」
「………」
「ねえってば」
「うっさい黙ってろ! 居場所がばれるだろうが!」
「――いたぞ! あの路地だ!」
「げっ!? ほらみろ、ばれたじゃねえか!」
「てめえが叫んだからだろうがロゼン!」
「とにかく逃げましょうか」
「あ、逃げたぞ!」
「逃がすな!」
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追っ手から逃げ回る最中、パーティーは様々な疑問をリーダーにぶつける。
「ねえロゼン、なんで私たち追われてるの?」
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「おいロゼン、ミモザが持ってる巨大な布袋は何なんだ?」
「的確な疑問だゼンス。あの巨大な布袋の中には、一生を遊んで暮らしてもおつりがくるほどの輝きが詰まっているのさ」
「さっきから居場所が完全にばれていますね。何故なんでしょう?」
「それはもっとも簡単な疑問だミモザ。その答えは、その布袋がでかくて目立ちすぎるんだよ!」
ロゼンはミモザがかついでいる巨大な布袋を指差した。
「お城の宝物庫の財宝を詰め込んだらこの大きさになりましたので」
「いくら好きなだけ持ってけって言われても限度があるだろ限度が! すぐに返してこい!」
「……返す?」
「なんだその顔! ロゼン様が狂ってしまったわ、みたいな顔は! これだけは言っとくが狂ってんのはおま」
「待って! それだけあればイチゴパフェ何杯食べれる!?」
「んん!? なんかよくわからんけど、とにかく凄いってことでいいんだな!」
ロゼンの気持ちもつゆ知らず好き勝手盛り上がっている仲間たちを見て、
(あれ……? 俺が狂ってんの?)
と、真剣に考えてしまったロゼンであった。
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