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君臨
今日もついてないなぁ
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「あの先輩ちょっと良いですか?」
「え?なに?」
今日も今日とて会社で仕事漬けのシャルル様。夢の中でどれだけ僕が応援しても、所詮は夢でしかない。現実のシャルル様が変わることはなく、今日もやっぱり辛い思いをするのだろう。
「色々手伝ってくれるのは嬉しいですし、ミスも少ないし助かるんですけど、その」
最近シャルル様が手伝っているチームリーダーの子だ。確か4年目とか言ってたか。シャルル様が15年目だから、かなり歳下だな。
「もうちょっと自分で考えて動いたり出来ませんか?こっちが指示出すの待つんじゃなくて。先輩にはわかんないかもですけど、なにも考えてない人に指示出すのって凄い大変なんですよ?」
うわぁ、言うなぁ。ああもうシャルル様返事出来ないよ。泣いてないだけ偉い。
「失礼します」
行っちゃった。自分に自信がないのとか、妙に卑屈なのは一緒だけど、この行動力の無さはどうにかならんかね。動き出せればきっと全部上手くいくのに。やれば出来る!って毎晩言い続けてるのは無駄なのか。
ショックでふらふら歩き出すシャルル様。これはコーヒー買って屋上で泣くパターンか。姿は見えずともお供しますぞ。よしよしはまた夜にね。あ!駄目駄目!そっち駄目!
「お前マジで言ったな!」
「あはは!言ったよ!言わないとわかんねえだろ!」
自販機の前でさっき言い捨てして去った後輩が話している。シャルル様がそれに気付いて咄嗟に隠れる。いやせめて目の前に出て行くか、引き返すかしなよ!
「良いのか?あれでも超先輩だぞ?」
「いや、だってチームのみんながうんざりしてるのわかるだろ?お前だって言ってたじゃん。わざわざフォントまで後輩に聞きに来てんじゃねえよって」
「まあそうだわな。よっ!流石チームリーダー!」
「ま、だからってなんも変わんねえだろうけどな」
「そういや今日の打ち合わせあいつ来んの?気まずくね?」
「来ねえよ、呼んでねえし。意見言わねえやついても意味ないだろ?あとで決定事項伝えりゃ充分だわ」
「違いねえ」
はい、最後までしっかり全部聞いて白目になってますね。せめて途中で帰れば良いのに。律儀に陰口全部聞いてちゃ世話ないよ。
でもまあこんな奴らの話間に受けることないよ!聞こえてないだろうけど!大丈夫!だってこいつらなにもわかってないからね。
この世界に来てから半年ぐらい経つかな。その間にこの世界のこと見て勉強して、この会社とか仕事のこともなんとなくわかってきた程度の僕でもわかる。シャルル様はただ指示を聞いてそれだけやってるんじゃない。言われた仕事を最高品質で仕上げるのはもちろんとして、意見は言わないけど滅茶苦茶質問しまくる。指示を聞きまくる。それをこいつらウザがってるけど、それってシャルル様からのアドバイスだからね!?そこ統一してなくても大丈夫か!?ここの仕様詰めなくて良いのか!?ってシャルル様がアシストしてるんだよ!?わかってる!?なんでお前程度の若造が楽々結果出せてるのか!シャルル様がアシストしてるからだよ!ばーか!
結局逃げるように上の階の自販機まで走ったシャルル様は、ブラックコーヒーを買おうとしてボタンを押し間違えて紅茶を買い、屋上に行ったけど雨が降っていて引き返し、途中で部長に見つかってサボるなと怒られて戻った。
「今日もついてないなぁ」
「え?なに?」
今日も今日とて会社で仕事漬けのシャルル様。夢の中でどれだけ僕が応援しても、所詮は夢でしかない。現実のシャルル様が変わることはなく、今日もやっぱり辛い思いをするのだろう。
「色々手伝ってくれるのは嬉しいですし、ミスも少ないし助かるんですけど、その」
最近シャルル様が手伝っているチームリーダーの子だ。確か4年目とか言ってたか。シャルル様が15年目だから、かなり歳下だな。
「もうちょっと自分で考えて動いたり出来ませんか?こっちが指示出すの待つんじゃなくて。先輩にはわかんないかもですけど、なにも考えてない人に指示出すのって凄い大変なんですよ?」
うわぁ、言うなぁ。ああもうシャルル様返事出来ないよ。泣いてないだけ偉い。
「失礼します」
行っちゃった。自分に自信がないのとか、妙に卑屈なのは一緒だけど、この行動力の無さはどうにかならんかね。動き出せればきっと全部上手くいくのに。やれば出来る!って毎晩言い続けてるのは無駄なのか。
ショックでふらふら歩き出すシャルル様。これはコーヒー買って屋上で泣くパターンか。姿は見えずともお供しますぞ。よしよしはまた夜にね。あ!駄目駄目!そっち駄目!
「お前マジで言ったな!」
「あはは!言ったよ!言わないとわかんねえだろ!」
自販機の前でさっき言い捨てして去った後輩が話している。シャルル様がそれに気付いて咄嗟に隠れる。いやせめて目の前に出て行くか、引き返すかしなよ!
「良いのか?あれでも超先輩だぞ?」
「いや、だってチームのみんながうんざりしてるのわかるだろ?お前だって言ってたじゃん。わざわざフォントまで後輩に聞きに来てんじゃねえよって」
「まあそうだわな。よっ!流石チームリーダー!」
「ま、だからってなんも変わんねえだろうけどな」
「そういや今日の打ち合わせあいつ来んの?気まずくね?」
「来ねえよ、呼んでねえし。意見言わねえやついても意味ないだろ?あとで決定事項伝えりゃ充分だわ」
「違いねえ」
はい、最後までしっかり全部聞いて白目になってますね。せめて途中で帰れば良いのに。律儀に陰口全部聞いてちゃ世話ないよ。
でもまあこんな奴らの話間に受けることないよ!聞こえてないだろうけど!大丈夫!だってこいつらなにもわかってないからね。
この世界に来てから半年ぐらい経つかな。その間にこの世界のこと見て勉強して、この会社とか仕事のこともなんとなくわかってきた程度の僕でもわかる。シャルル様はただ指示を聞いてそれだけやってるんじゃない。言われた仕事を最高品質で仕上げるのはもちろんとして、意見は言わないけど滅茶苦茶質問しまくる。指示を聞きまくる。それをこいつらウザがってるけど、それってシャルル様からのアドバイスだからね!?そこ統一してなくても大丈夫か!?ここの仕様詰めなくて良いのか!?ってシャルル様がアシストしてるんだよ!?わかってる!?なんでお前程度の若造が楽々結果出せてるのか!シャルル様がアシストしてるからだよ!ばーか!
結局逃げるように上の階の自販機まで走ったシャルル様は、ブラックコーヒーを買おうとしてボタンを押し間違えて紅茶を買い、屋上に行ったけど雨が降っていて引き返し、途中で部長に見つかってサボるなと怒られて戻った。
「今日もついてないなぁ」
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