【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う

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そういう大切なことは早く言え!

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 いつものバーでの出来事。俺とアルフィは仕事も終わり今日も2人でのんびりしていた。お気に入りのカクテルを飲みながら、マスターの小言を聞き流し、アルフィに愛を囁いていたその時のことだ。
「そういやアルフィって前と比べてどれぐらい強くなったんだ?魔法は普通に使えるんだよな?」
「うん。今はどんな魔法でも細かく操れるよ。出力も大幅に増えたし」
「もしかしてオカンぐらい強いのか?」
 まあオカンは魔王軍の幹部だったんだから、それは流石に無いだろうが。
「元の僕の魔力に、オカンの魔力を足したんだから、魔力量だけは僕の方が多いけど、それと戦闘はまた別だね。実際戦っても手も足も出ないよ、きっと」
「まあそうだよな。強くなったって言っても、魔王軍幹部と比べちゃ駄目だよ。あはは」
 オカンは本当に強かったからなぁ。
「いやあ、でも僕だってもう魔王軍幹部なんだし、いつまでも弱音吐いてちゃ駄目だよね」
「んー?そうだな、アルフィは魔王軍幹部になったんだからそういう時は絶対に先に俺に相談してからなるべきだし最悪事後承諾であっても速やかに報告を済ませるべきだったんじゃないかないやあれか昨日か今日かいつなったんだ?んええええ!?なったのおおお!?幹部にいい!?もおおお!まった勝手な!くそお!勝手なことをおおお!」
「久々にシャルル様が吠えてる。かーわいい」
「何度でも言うぞ!?そういう大切なことは早く言え!てかやる前に相談しろよおお!」
「だって相談したら反対するから」
「そりゃするよ!魔王軍だぞ!?人類の敵だぞ!?」
「でも前も言ったけど、このまま勇者と戦っても、王国は味方してくれないよ?なんなら僕が魔族ってわかったら、後ろから撃ってくる可能性もある。それなら開き直って魔王軍に与すれば、少なくともそっちの戦力は期待出来る」
「ぐぬぬ」
 確かに俺達だけで強くなった勇者を倒すのは難しいかも知れない。仲間を増やして来たらもっと厄介だ。味方にはならない、最悪敵になるかも知れない王国の機嫌を取るより、魔王軍に入った方が都合が良い。確かに理屈では間違っていない。
「そうか、まだそっちの方が生き残れる目があるか」
「でしょ?それに、救わないといけない奴らもいたんだよ」
「ん?救う?」
「それはまた今度紹介するよ」
 はあ、どうする?このままじゃ、いやどう足掻いても勇者はこの街へ攻めて来るだろう。そして俺達は?魔王軍だ。ふふ、これじゃ完璧にシナリオ通り。今更だけどな!
「あああぁ、これで良いのか?」
「まったく、毎回なにがそんなに気掛かりなの?状況的にこれが最善でしょ?」
「いや、まあ、そうなんだが」
 今もしも、俺が転生者で前世でこの世界のことを物語で読んだって言ったら、アルフィはなんて言うだろうか。もし俺が言われたら?自分が物語のキャラクターだと認めるか?いや、あり得ないと笑うだろう。
 だがこの先は敵を撃退出来ていた今までと違う。今まで通りシナリオに沿って進めば、先にあるのは勇者に殺されるというバッドエンドだ。今までが抗えない程にシナリオ通りだからこそ、よりその先の未来に信憑性が出てくる。
「シャルル様?」
「大丈夫、だよな?」
 限りなく嫌な予感はするが、まあそんなの今までも同じだ。そう、今までもどうにかなったんだから、きっと大丈夫だ。そんな希望的な観測に何の意味もないと理解しながらも、そう思う他やりようがなかった。
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