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魔族
うん、死ぬわ
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「俺はマスターを許すとは言ってないからな」
「シャルル様、こちらのボトルは私からのプレゼントでございます」
あれから考えたが、1番悪いのはヤバい商品を街の連中に売っていたマスターだ。そのせいで俺だけでなくこの街全体が魔族との関わりを持ってしまった。
「おい、せめてもう無闇に街の人間に商品を売るなよ?」
「まあ今扱ってる範囲なら、そこまで問題無いと思うんやけどなぁ」
「そうだね。本気のオカン印の魔道具ってわけじゃないんだし、この程度はパーティーグッズみたいなもんじゃない?」
「え?なに?これ以上ヤバいやつがあんの?」
「凄いなぁ。それ聞いて足震えとんのに、なんでそんな綺麗な目で期待できるんや」
「これがシャルル様のエロい所で、こんなだから僕が帰れなくなったんだよ」
「えらいのに捕まったな、あんた」
なんだかんだいつものバーで、いつものメンバー。この場所がどんどん心地良くなっていく。だからこそ死にたくは無いんだが。魔王軍幹部が味方なら、なんとか生き残れる道もあるかも知れないし。
「オカンはやっぱ魔法とか凄いのか?」
「なんやアホっぽい質問やな」
「すまんが俺は魔法とか全然わからんのだ」
「まあなんかと使えるけど、おばちゃんは魔道具作る方が性に合ってるからな」
「戦いに使える魔道具とかは無いのか?」
もし凄い魔道具があれば勇者も怖くないかも知れない。
「昔はそんなんばっか作ってた時代もあってんけどな。今は専ら夜の魔道具ばっか作っとるねん。そっちの方がおもろいし儲かるからな」
「残念だがありがたい行いだな」
「まあ勇者かなんか知らんけど、普通の人間ならちょちょいっと魔法で倒すぐらいは出来るで」
「本当か!?」
最高じゃないか。それなら全部オカンに任せておけば。
「じゃあ勇者が来たらオカンに殺して貰おう」
「いやいやアルフィ。流石に殺しちゃ」
「殺さないなら、オカン出したら魔族と繋がってるのバレるよ?」
「あ」
え?ちょっと待って?じゃあ、えっと。
「ね?殺すしかないでしょ?」
「いやいや!じゃあ魔王どうすんの!?勇者が死んだら魔王倒せないじゃん!」
「ちょっと、シャルル様。オカンは魔王軍幹部なんだから、あんまりそういうこと目の前で言うもんじゃないよ?」
「ええて。おばちゃんも別にまだ復活もしてない魔王に情もなんもないねんし」
「えっと、となるとだ」
どうなるんだ?えっと、殺せないならオカンは見つかっちゃ駄目。てことは。
「結局オカン抜きで戦うしかないね」
「くそおお!振り出しに戻った!」
「あ、そう言えばシャルル様、手紙着てたよ?」
「手紙?俺宛か?」
「うん。差出人が勇者だったから、今までの流れで郵便受けに入れちゃったみたい。シャルル様宛だよ」
「そうかそうか。なになに?」
『俺の仲間を監禁するとは面白いことをする。言い訳はそちらで聞こう。すぐに向かう』
簡潔な文章が書かれたそれを再度綺麗に封筒に戻す。
「ちなみに同じのが全部で13通入ってたよ。なんて書いてあったの?」
「うん、死ぬわ」
「ちょ!?マジで!?本気で来るの!?マジあいつ空気読めないんだから!もう!」
俺から手紙を奪って読んだアルフィがプリプリ怒っている。
「なんやの?勇者来んのん?カレー作ったろか?戦えへんならせめてカレー作るぐらいはするで!?みんなで食べるならカレーやろ!」
「でしたら良い人参がございまして」
「えー?僕人参嫌い」
「アホか!好き嫌いしてるからいつまで経ってもそんな小こいねん!ちゃんと食べなさい!」
「ぶー」
駄目だこいつらに任せてたら死ぬ確率が倍増する。どうする?考えろ俺。物語通り進むなら、ここは勇者を撃退出来るはずだが、そんななんの確証も無い希望には縋れない。
「うーん!作戦会議だ!全員俺の指示通り動いて貰うぞ!」
やるしか無い、生き残るんだ!
「シャルル様、こちらのボトルは私からのプレゼントでございます」
あれから考えたが、1番悪いのはヤバい商品を街の連中に売っていたマスターだ。そのせいで俺だけでなくこの街全体が魔族との関わりを持ってしまった。
「おい、せめてもう無闇に街の人間に商品を売るなよ?」
「まあ今扱ってる範囲なら、そこまで問題無いと思うんやけどなぁ」
「そうだね。本気のオカン印の魔道具ってわけじゃないんだし、この程度はパーティーグッズみたいなもんじゃない?」
「え?なに?これ以上ヤバいやつがあんの?」
「凄いなぁ。それ聞いて足震えとんのに、なんでそんな綺麗な目で期待できるんや」
「これがシャルル様のエロい所で、こんなだから僕が帰れなくなったんだよ」
「えらいのに捕まったな、あんた」
なんだかんだいつものバーで、いつものメンバー。この場所がどんどん心地良くなっていく。だからこそ死にたくは無いんだが。魔王軍幹部が味方なら、なんとか生き残れる道もあるかも知れないし。
「オカンはやっぱ魔法とか凄いのか?」
「なんやアホっぽい質問やな」
「すまんが俺は魔法とか全然わからんのだ」
「まあなんかと使えるけど、おばちゃんは魔道具作る方が性に合ってるからな」
「戦いに使える魔道具とかは無いのか?」
もし凄い魔道具があれば勇者も怖くないかも知れない。
「昔はそんなんばっか作ってた時代もあってんけどな。今は専ら夜の魔道具ばっか作っとるねん。そっちの方がおもろいし儲かるからな」
「残念だがありがたい行いだな」
「まあ勇者かなんか知らんけど、普通の人間ならちょちょいっと魔法で倒すぐらいは出来るで」
「本当か!?」
最高じゃないか。それなら全部オカンに任せておけば。
「じゃあ勇者が来たらオカンに殺して貰おう」
「いやいやアルフィ。流石に殺しちゃ」
「殺さないなら、オカン出したら魔族と繋がってるのバレるよ?」
「あ」
え?ちょっと待って?じゃあ、えっと。
「ね?殺すしかないでしょ?」
「いやいや!じゃあ魔王どうすんの!?勇者が死んだら魔王倒せないじゃん!」
「ちょっと、シャルル様。オカンは魔王軍幹部なんだから、あんまりそういうこと目の前で言うもんじゃないよ?」
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「えっと、となるとだ」
どうなるんだ?えっと、殺せないならオカンは見つかっちゃ駄目。てことは。
「結局オカン抜きで戦うしかないね」
「くそおお!振り出しに戻った!」
「あ、そう言えばシャルル様、手紙着てたよ?」
「手紙?俺宛か?」
「うん。差出人が勇者だったから、今までの流れで郵便受けに入れちゃったみたい。シャルル様宛だよ」
「そうかそうか。なになに?」
『俺の仲間を監禁するとは面白いことをする。言い訳はそちらで聞こう。すぐに向かう』
簡潔な文章が書かれたそれを再度綺麗に封筒に戻す。
「ちなみに同じのが全部で13通入ってたよ。なんて書いてあったの?」
「うん、死ぬわ」
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俺から手紙を奪って読んだアルフィがプリプリ怒っている。
「なんやの?勇者来んのん?カレー作ったろか?戦えへんならせめてカレー作るぐらいはするで!?みんなで食べるならカレーやろ!」
「でしたら良い人参がございまして」
「えー?僕人参嫌い」
「アホか!好き嫌いしてるからいつまで経ってもそんな小こいねん!ちゃんと食べなさい!」
「ぶー」
駄目だこいつらに任せてたら死ぬ確率が倍増する。どうする?考えろ俺。物語通り進むなら、ここは勇者を撃退出来るはずだが、そんななんの確証も無い希望には縋れない。
「うーん!作戦会議だ!全員俺の指示通り動いて貰うぞ!」
やるしか無い、生き残るんだ!
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