【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う

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魔族

邪魔するなら帰ってくれ

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 あぁもどかしい。昨日の夜は久々に寝れなかった。またアルフィの焦らしプレイ週間に突入してしまったようだ。勇者対策を考えないといけないのに、このままじゃなにも考えられないぞ。
 いつものバーで休んでいるが、今日はまったく酒が進まない。それどころじゃないからだ。
「こんばんはー。邪魔すんでぇー」
「邪魔するなら帰ってくれ」
 ああもう考えが纏まらない。
「あいよー。いやなんでやねん」
「あ!オカン!」
「なんやの、あんたおったんかいな」
「色々無理言ってごめんね。本当にこの店に卸してくれるなんて」
「気にせんでええって。私とあんたの仲やないの」
「ん?誰?」
 パンチパーマの3頭身ぐらいのおばちゃんが、いつの間にかアルフィを挟んで向こう側の席に座っている。エプロンを付けた何処にでもいそうなおばちゃんだが、民全員の顔を把握する俺が知らないのだから、カストの人間ではないのだろう。
「シャルル様、この人僕の友達のオカンです」
「友達のお母さん?」
「えっと、オカンは、ん?あだ名?だっけ?」
「本名やで」
「らしいです」
「アルフィの友達なの?」
「うん!あ、オカン、この人がシャルル様!」
「はぁ、いつもこの子がお世話になってます。オカンです」
「いえいえ、こちらこそ」
 なんだか凄い濃い奴が現れたが、俺は今思考の半分以上を貞操帯に持って行かれているため、あまり深く考えられない。
「オカンなんか食べた?ここなんでも出てくるよ」
「ほんまかいな。ほなあれ、あれやあれ、なんやっけ」
「なんでしょう」
「あのーあれで、あれしとるやつや、和えたのん。あれを、な?」
「どうぞ」
「出てきたあああ!ねえシャルル様見た!?今の説明でなんか出てきたよ!?」
「ん?そうだな」
 いかん。全然聞いてなかった。
「え!?なんで!?なんで!?」
「マスター、これなんや?」
「違ったああ!やっぱ違ったよシャルル様!そりゃ違うよ!まったく説明になってなかったのだから!」
「そうだなぁ」
 えっと、このパンチパーマ誰だ?
「まあええまあええ。なんや美味そうやし」
「結局なにが食べたかったの?」
「忘れたわ。いやなにこれ美味いやん」
「友禅和えです」
 今チラッと聞こえたが、どんな料理でもこっちで食えるのは嬉しいが、固有名詞まで一緒なのはなんでだよと思わざるを得ない。あぁ、なんでこういうどうでも良いことは考えられるんだ。
「そう言えばあれ凄かったよ、硬化剤」
「せやろ?あれかなり人気商品やで」
「ウチでも人気です」
「マスターの方でも売れてるんだ。僕以外にも買う人やっぱいるんだね」
「足りへんくなったら言ってな?また持ってくるわ」
「それより新作ないの?」
「新作かいな。これなんかどうや?」
「これは?」
「媚薬やで」
「おおおぉ!ナイスタイミング!」
「ウチにも卸して頂けますか?」
「2人共興味津々やな。ええで、ほな持ってき。数持ってきて良かったわ」
 楽しそうだが貞操帯が気になって話に入れない。せっかくアルフィの友人が来ているというのに申し訳ない。
「シャルル様!シャルル様!行こう!さあ!」
「なんだアルフィ、友達と話さなくていいのか?」
「おばちゃんしばらくこの街おるから遠慮せんと行っといで」
「だって!」
 ふう、遂に第二ラウンドが始まってしまう。
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