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魔族
怖いよ!ホラーだよ!
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唇堪能して満足して寝てんじゃねえよ!そう、問題の勇者についてなにも解決していないのだ。
「アルフィ、今日も手紙来てたな」
「郵便受け見たの?凄いでしょ?何通送ったんだって話だよ」
この世界では郵便物が届く確率は100%ではない。私的な手紙は行商のついでとかで持って行って貰うのが基本だが、行商人が魔物や盗賊に襲われたり、紛失したり普通に捨てられたりと、届かないことなんて多々ある。だから大切な手紙は多めに何通か出すのが通例ではあるが。
「今まで何通ぐらい来たんだ?」
「今日ので24通目」
届かなかった分も合わせると何通送ったのか考えたくもない。異常だ、狂気すら感じる。中身は見てないが、アルフィ曰く全部同じ文章で、早く帰って来いという内容らしい。手紙1通送るのにはそこそこの金を行商人に払わねばならないというのに。
「しかも日付が違うの」
「送った日?」
「そう。毎日何通も書いて送ってる」
「怖いよ!ホラーだよ!」
「なにが怖いって1番昔のは僕がこの街に来て3日目に書いてるからね」
「やっぱりまずいって!なあ、やっぱり勇者に手紙は」
「書かないってば。あんな怖いやつとは出来たらここらで関係切りたい」
「でも手紙がいっぱい来てたってことは、それだけ心配してくれてたんじゃ」
「違うよ、あいつは自分の思い通りいかないと我慢出来ないだけ。てかそもそもあいつが欲しいのは僕じゃなくて、ある程度魔法が使える人間。僕より上がいたらすぐそっちに切り替えて、僕なんてぽーいだよ。実際初めは兄さんに一緒に旅に出ろって命令してたんだから。だけど兄さんは子爵としての仕事があるからって、仕方なく!仕方なく僕にしたんだってさ!なんだそれ!信じられる!?」
不仲の原因はなかなかに根深いらしい。まずいなぁ、話の感じじゃ勇者はアルフィを欲している。それならこの街に来ることも想定しないと。
「もし、もしも、勇者がアルフィを連れ戻しに来たら、どうする?」
あれ?黙った。あんなやつ返り討ちにしてやる!ぐらい言うかと思ったのに。
「それは、面倒だね」
青い顔になってる。あれ?アルフィさん?
「ちなみにさ、アルフィがこう、無理矢理帰らせたりって」
「あいつ性格最悪だけど強いんだよ」
目を逸らす逸らす。
「じゃあ仲直り」
「しないよ!?絶対!いやそもそも喧嘩なんてしてないし!あいつが勝手に粘着してるだけじゃん!?てかそれって僕にあいつと旅に出ろって言ってるようなもんだからね!?良いの!?」
「あ、そ、それは」
「それは?」
アルフィがそんなやつと旅に出るなんて絶対嫌だ。だがここに来られるとまずいことになる。どうすれば。
「へえ?即答しないんだ?」
「あ、ちがっ!」
「そっか、そっかそっか。いや、大丈夫だよ?こんなことぐらいで僕のシャルル様への愛は無くなったりしないから」
「アルフィ」
笑顔が怖いよ?
「ただ、ちょっと思い出して貰わないとね?シャルル様が、僕のなんなのかを!」
なんか凄く怒ってらっしゃった。
「アルフィ、今日も手紙来てたな」
「郵便受け見たの?凄いでしょ?何通送ったんだって話だよ」
この世界では郵便物が届く確率は100%ではない。私的な手紙は行商のついでとかで持って行って貰うのが基本だが、行商人が魔物や盗賊に襲われたり、紛失したり普通に捨てられたりと、届かないことなんて多々ある。だから大切な手紙は多めに何通か出すのが通例ではあるが。
「今まで何通ぐらい来たんだ?」
「今日ので24通目」
届かなかった分も合わせると何通送ったのか考えたくもない。異常だ、狂気すら感じる。中身は見てないが、アルフィ曰く全部同じ文章で、早く帰って来いという内容らしい。手紙1通送るのにはそこそこの金を行商人に払わねばならないというのに。
「しかも日付が違うの」
「送った日?」
「そう。毎日何通も書いて送ってる」
「怖いよ!ホラーだよ!」
「なにが怖いって1番昔のは僕がこの街に来て3日目に書いてるからね」
「やっぱりまずいって!なあ、やっぱり勇者に手紙は」
「書かないってば。あんな怖いやつとは出来たらここらで関係切りたい」
「でも手紙がいっぱい来てたってことは、それだけ心配してくれてたんじゃ」
「違うよ、あいつは自分の思い通りいかないと我慢出来ないだけ。てかそもそもあいつが欲しいのは僕じゃなくて、ある程度魔法が使える人間。僕より上がいたらすぐそっちに切り替えて、僕なんてぽーいだよ。実際初めは兄さんに一緒に旅に出ろって命令してたんだから。だけど兄さんは子爵としての仕事があるからって、仕方なく!仕方なく僕にしたんだってさ!なんだそれ!信じられる!?」
不仲の原因はなかなかに根深いらしい。まずいなぁ、話の感じじゃ勇者はアルフィを欲している。それならこの街に来ることも想定しないと。
「もし、もしも、勇者がアルフィを連れ戻しに来たら、どうする?」
あれ?黙った。あんなやつ返り討ちにしてやる!ぐらい言うかと思ったのに。
「それは、面倒だね」
青い顔になってる。あれ?アルフィさん?
「ちなみにさ、アルフィがこう、無理矢理帰らせたりって」
「あいつ性格最悪だけど強いんだよ」
目を逸らす逸らす。
「じゃあ仲直り」
「しないよ!?絶対!いやそもそも喧嘩なんてしてないし!あいつが勝手に粘着してるだけじゃん!?てかそれって僕にあいつと旅に出ろって言ってるようなもんだからね!?良いの!?」
「あ、そ、それは」
「それは?」
アルフィがそんなやつと旅に出るなんて絶対嫌だ。だがここに来られるとまずいことになる。どうすれば。
「へえ?即答しないんだ?」
「あ、ちがっ!」
「そっか、そっかそっか。いや、大丈夫だよ?こんなことぐらいで僕のシャルル様への愛は無くなったりしないから」
「アルフィ」
笑顔が怖いよ?
「ただ、ちょっと思い出して貰わないとね?シャルル様が、僕のなんなのかを!」
なんか凄く怒ってらっしゃった。
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