【完結】ハードな甘とろ調教でイチャラブ洗脳されたいから悪役貴族にはなりたくないが勇者と戦おうと思う

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監禁

屋敷に置いておけない

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「朝日が眩しいね」
 朝食後に屋敷のテラスでティーカップを並べてひと休み。アルフィはいつもの調子で楽しそうにニコニコしている。
「どうかな?紅茶美味しい?」
「ああ、これは良い茶葉だな」
「わかる?へへ、バークフォードで流通してる中でも最高級なんだよ」
「そうなのか?ほお」
「淹れ方も街の紅茶通の人に教えて貰って特訓したんだから」
「確かに堂に入っていたな」
 アルフィの特技を堪能している場合じゃないよな。アルフィがこの街に来てもう4日目。そろそろビシッと言わねばならない。
「今日はどこに行く?あ、でもシャルル様もお仕事あるよね」
「そう、だな」
「大丈夫だよ、僕はひとりでも。いつまでも仕事の邪魔してたら悪いし」
 言わないといけない。このままじゃ駄目だ。頭ではわかっているが切り出せない。
「広場で食べ歩きして来るよ。屋台いっぱいあったしね」
 そもそも彼は勇者の仲間として魔王と戦うはずのアルフォンソ・ディ・バークフォードなのだ。物語上では帰りが遅いのを心配して勇者が訪ねて来る。物語と違って監禁しているわけでも洗脳しているわけでもないが、このままここに居られたら勇者に要らぬ疑いを掛けられかねないのだ。
「シャルル様にもお土産買って帰るね。お仕事どれぐらいに終わりそう?」
「アルフィ、話がある」
 もう駄目だ。これ以上はまずい。アルフィが当たり前に屋敷に住んでいるこの状況に慣れてはいけない。
「確かに俺も領主としての仕事に戻らないといけない。だがそれだけじゃない。君もそろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
 アルフィは黙って話を聞いている。沈黙に耐えるので必死だが、今日は俺も譲る気は無いのだ。嫌われるのは嫌だが彼の為でもある。大人の俺がしっかりと、駄目なものは駄目と叱ってやらねばなるまい。
「君も19歳、子爵殿の元で他に仕事があるんじゃないのか?いつまでもここに居ていいわけはないだろう?」
 そうだまだ若いとはいえ、この世界では彼は立派な社会人のはずだ。これが視察なのか、本当の休暇で観光なのかはわからないが、いつか帰らないといけない。
「領地の観光は充分なはずだ。今日はそろそろ帰り支度をしてもらう」
 黙って、こちらをただ見つめるアルフィ。嘘だよって言ってやりたくなるが、そこをグッと我慢する。俺は大人だ、大人なんだ。
「えーっと、僕帰らないよ?」
「駄目だ、これ以上領地には置いておけない」
「なんで?」
「その、君の仕事が」
「仕事は大丈夫だよ」
 言いたくない、が、言わねばなるまい。嫌われる覚悟は、出来ている。
「き、君は少し、失礼が過ぎるんだよ。わかってるだろ?その、夜のことだ。これでも俺は伯爵。君は侯爵の御子息とは言え、俺より下の身分だ。礼を弁えず無礼な行いをする子供を、いつまでも屋敷に置いておけない」
 耐えろ耐えろ耐えろ。このままじゃお互いのためにならない。いっそ相手のためだと思うんだ。
「俺は仕事に行ってくる。俺が帰るまでには支度を済ませてくれ」
 目を合わせないように席を立つ。彼が今どんな顔をしているのか、それを確認するのが怖くて。
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