上 下
8 / 128
監禁

おねだりしてみて♡

しおりを挟む
 その夜は、正直ずっとそわそわしていた。来るんじゃないか?その扉を開けて。そう思い何度もベッドから出たり入ったりを繰り返す。そして、やっぱり扉はコンコンと控えめに叩かれる。
「あんな大きいの初めて見たから驚いちゃった」
 昨日と同様にベッドに並んで腰掛け、楽しそうに今日の観光を振り返るアルフィ。しかし俺は全然内容が頭に入ってこない。
「そうだシャルル様、肩凝ってない?僕凄く上手なんだよ?」
「ソソソウナノカ」
 ベッドに腰掛ける俺の後ろに回り込んだアルフィは、肩を優しく揉んでくれている。肩凝りは日本人が言い出したもので、外国人は肩なんて凝らないという嘘か本当かわからない話を思い出し、じゃあなんでこの世界のアルフィが肩凝りを知ってるのか、やっぱりここは本当の世界ではなく、物語の世界なのか、もしかしたら俺の妄想や夢なんじゃないか、なんて全く今と関係無いことを必死に考えて思考をずらす。
「シャルルさまぁ」
 ビクッと身体が飛びそうになる。急に耳元で聞こえたアルフィの声は、昨日の夜と同じで妙な色気を纏っている。
「シャルル様は昼間ああ言ってくれたけど、本当にそうなのかなぁ?」
 肩に置いていたはずの手は、腕から腰、そして脇腹、お腹へと移動していく。
「だってさ?シャルル様ってぇ」
 アルフィの柔らかい手が俺のシャツの中に侵入した。止めろ、今手を掴んで止めるんだ。
「経験、ないでしょ?」
「ふわっ!」
 服の中で上へ上へと上がってきた手は、遂に俺の乳首に到達し、指先で軽く擦るように触られる。アルフィの身体はピッタリと俺の背中にくっ付いていて、後ろから抱き締めるように固定されている。相変わらず耳元に置かれた口からは、あの明るく純粋なアルフィとは思えない言葉が次々と出てくる。
「童貞なのになんでそんなことわかるの?」
「んっ!?」
 乳首がクッと摘まれる。
「ねえ?凄く歳下の僕をエロい目で見てた癖に、偉そうにそういう行為は愛する人と?」
「くはぁ!あ、あぁ」
 今度は爪で優しく、フェザータッチで焦らされる。
「男の僕に乳首おもちゃにされて、情けない声出しちゃう癖に?ねえシャルル様、気付いてる?」
「はぁ!うぅ、お、うっ!」
 引っ張られて、つねられて、でもすぐまた優しく撫でられて、簡単に翻弄される自分。
「シャルル様気付いてる?ずっとチ、ン、ポ、勃起してるよ?」
 知っている。興奮してるのだ。弟のようだと思った、誰より一緒にいて心地良いと思えた友に対し、16歳も歳下で、まだ歳若い少年に、俺は、俺は。
「おねだりしてみて?ねえ、出来る?ちゃんと出来たらご褒美あげるよ?」
「くぅぅ、う、うぐ」
 すぐに口から卑猥な言葉が出そうになる。しかし、俺はグッと堪えた。
「ふふ、意気地なし」
 身体から離れたアルフィは、いつもと同じ表情に戻って笑う。
「明日もいっぱい遊ぼうね?昼も、夜もね」
 与えられた部屋へと帰るアルフィに、今度は声を掛けられなかった。なにが目的なんだ、あいつは。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

弟の可愛さに気づくまで

Sara
BL
弟に夜這いされて戸惑いながらも何だかんだ受け入れていくお兄ちゃん❤︎が描きたくて…

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

処理中です...