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第四章 そして学園
62.授業開始!
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さてさて、この学園は、入学式とオリエンテーション、学園案内などの行事的なものは2日間で終了で、3日目の今日からは普通に授業が開始される。
授業初日の本日1限目は魔力コントロールの授業だ。
「サバンズ嬢、負けないからな!」
ハイ、そして私は、さっそくまたデュオルからライバル視をされている。なんでやねん。まあさあ、やる気があるのはいいことだから、いいけどさあ。あんまり絡まれるとちょっとウザいわ。
首席が私だからだろうか?それとも、私が首席だからだろうか?
……考えても判らないわね。
今は、授業を滞りなく受けよう。
「みんな揃ったね~?まず初日の今日は、現段階での魔力のコントロール力を確認をさせてもらうよ~」
のほほんとした担当のアイル先生に連れられて、校庭の東側にある、アーチェリー場のような場所へ移動する。
私たちがいる40m先くらいに的が立っていて、的の上に表示版みたいなものが付いていた。
「みんなあの的が見えるね~?ここからあの的に向かって魔力を当ててもらいたいんだあ。中心に当たるほど高い点数が出るようになっているから~、得意な種類の魔法でチャレンジしてくださ~い」
おお、魔法の授業っぽい!さっそく楽しそう。
的は5台あって、先生に呼ばれた順に並んで「はい、始め!」と言われてから魔法を飛ばす。ちなみに、この世界は魔法を使うときに杖は使わない。ファンタジー好きからするとちょっと残念なんだけどね。「コツがいるから、まずは一人3回ね~」とのことで、みんな真剣な顔で的に向かう。
入学条件が厳しい学園だけあって、みんな魔法コントロールが上手い。平均値は65点くらいかな。1年生にしては上出来とのこと。先生もにこにこ見ながら、アドバイスをしてくれている。1回目より2回目が点数が上がって喜んだりして、クラスメイトのみんなも緊張しながらも楽しそうだ。私もうきうきと順番を待っていると、おおっ、とどよめきが起こる。
「85点!シュマールさん、素晴らしいね~!」
「ありがとうございます!頑張りました」
ソーニャが今までの最高得点を出す。弾ける笑顔がかわいいわ。聞いてはいたけど、確かに優秀だね。頼もしいわあ。
などとおばちゃん思考でいると、また大きなどよめきが起きた。
「90点!グリッタくんも素晴らしい!」
先生に褒められ、クラスメイトに囲まれたデュオルは照れ臭そうにしながらも、私と目が合うとドヤ顔をしてきた。
いやね、1位じゃなきゃダメなんですか?とは思わないけどさ。私も努力はしているので。点数とかは測ったことなんてないから分からないけども、ちょっとはプライドもあるもん!頑張るぞ。と、思いながら奴に笑顔で拍手を返す。
「では、最後の5人お願いしま~す」
先生に言われて、私を含めた最後の5人が並ぶ。
そして私は軽くふう、と息を吐き、集中力を高める。使うのはもちろん風魔法だ。風の矢をイメージする。
「始め!」
掛け声に合わせて魔法を放つ。私の指先から放たれた風の矢は、他の四人より遥かに早く的に向かって飛んでいき、中心近くに当たったのが見えた。うん、まあまあかな。
「100点!サバンズさん、さすがですねぇ!」
まさかの100点だった。
クラスメイトがこれでもかというほど盛り上がってくれている。
「お姉さんのマリーアさんも初めは98点でしたよ。それも凄いことでしたが、リリアンナさんも素晴らしい。魔力コントロールの指輪も早くから外せそうですね」
ほくほく顔でそう語る先生の裏で、デュオルが悔しそうに睨んでいる。
「なんでお前が100点なんだ!」
そして叫ばれた。
更にお前とは。お前にお前と言われる筋合いはないが。まあ、流してやろう、大人だからな!
「何でって……、そりゃあ、練習しましたから」
でも、少し突き放した言い方になるのは許してほしい。だって13歳だもん。
「グリッタくん。魔力コントロールは本人の努力が1番顕著に出るところです。ここはサバンズさんを称賛するべきですよ。君の得点だって、十二分に誇れる努力の結果です。これから、いくらでも追いつけます」
アイル先生が穏やかに微笑みを浮かべて、諭すようにデュオルの肩に手を添える。デュオルは地面を睨み付けるように見ていた。
「……んで……」
「はい?」
「何で!!お前はあの時!何もできなくて、助けられただけだろう?愛し子だのと言われたって、何もできなかったくせに……!なんで……力が……!」
うっ、そこ?傷を抉るの?
先生もみんなも困り顔だよ。そりゃそうだよねぇ。
私は何もできなかった。事実は事実だけど、彼が求めるものはなんなのだろう。
授業初日の本日1限目は魔力コントロールの授業だ。
「サバンズ嬢、負けないからな!」
ハイ、そして私は、さっそくまたデュオルからライバル視をされている。なんでやねん。まあさあ、やる気があるのはいいことだから、いいけどさあ。あんまり絡まれるとちょっとウザいわ。
首席が私だからだろうか?それとも、私が首席だからだろうか?
……考えても判らないわね。
今は、授業を滞りなく受けよう。
「みんな揃ったね~?まず初日の今日は、現段階での魔力のコントロール力を確認をさせてもらうよ~」
のほほんとした担当のアイル先生に連れられて、校庭の東側にある、アーチェリー場のような場所へ移動する。
私たちがいる40m先くらいに的が立っていて、的の上に表示版みたいなものが付いていた。
「みんなあの的が見えるね~?ここからあの的に向かって魔力を当ててもらいたいんだあ。中心に当たるほど高い点数が出るようになっているから~、得意な種類の魔法でチャレンジしてくださ~い」
おお、魔法の授業っぽい!さっそく楽しそう。
的は5台あって、先生に呼ばれた順に並んで「はい、始め!」と言われてから魔法を飛ばす。ちなみに、この世界は魔法を使うときに杖は使わない。ファンタジー好きからするとちょっと残念なんだけどね。「コツがいるから、まずは一人3回ね~」とのことで、みんな真剣な顔で的に向かう。
入学条件が厳しい学園だけあって、みんな魔法コントロールが上手い。平均値は65点くらいかな。1年生にしては上出来とのこと。先生もにこにこ見ながら、アドバイスをしてくれている。1回目より2回目が点数が上がって喜んだりして、クラスメイトのみんなも緊張しながらも楽しそうだ。私もうきうきと順番を待っていると、おおっ、とどよめきが起こる。
「85点!シュマールさん、素晴らしいね~!」
「ありがとうございます!頑張りました」
ソーニャが今までの最高得点を出す。弾ける笑顔がかわいいわ。聞いてはいたけど、確かに優秀だね。頼もしいわあ。
などとおばちゃん思考でいると、また大きなどよめきが起きた。
「90点!グリッタくんも素晴らしい!」
先生に褒められ、クラスメイトに囲まれたデュオルは照れ臭そうにしながらも、私と目が合うとドヤ顔をしてきた。
いやね、1位じゃなきゃダメなんですか?とは思わないけどさ。私も努力はしているので。点数とかは測ったことなんてないから分からないけども、ちょっとはプライドもあるもん!頑張るぞ。と、思いながら奴に笑顔で拍手を返す。
「では、最後の5人お願いしま~す」
先生に言われて、私を含めた最後の5人が並ぶ。
そして私は軽くふう、と息を吐き、集中力を高める。使うのはもちろん風魔法だ。風の矢をイメージする。
「始め!」
掛け声に合わせて魔法を放つ。私の指先から放たれた風の矢は、他の四人より遥かに早く的に向かって飛んでいき、中心近くに当たったのが見えた。うん、まあまあかな。
「100点!サバンズさん、さすがですねぇ!」
まさかの100点だった。
クラスメイトがこれでもかというほど盛り上がってくれている。
「お姉さんのマリーアさんも初めは98点でしたよ。それも凄いことでしたが、リリアンナさんも素晴らしい。魔力コントロールの指輪も早くから外せそうですね」
ほくほく顔でそう語る先生の裏で、デュオルが悔しそうに睨んでいる。
「なんでお前が100点なんだ!」
そして叫ばれた。
更にお前とは。お前にお前と言われる筋合いはないが。まあ、流してやろう、大人だからな!
「何でって……、そりゃあ、練習しましたから」
でも、少し突き放した言い方になるのは許してほしい。だって13歳だもん。
「グリッタくん。魔力コントロールは本人の努力が1番顕著に出るところです。ここはサバンズさんを称賛するべきですよ。君の得点だって、十二分に誇れる努力の結果です。これから、いくらでも追いつけます」
アイル先生が穏やかに微笑みを浮かべて、諭すようにデュオルの肩に手を添える。デュオルは地面を睨み付けるように見ていた。
「……んで……」
「はい?」
「何で!!お前はあの時!何もできなくて、助けられただけだろう?愛し子だのと言われたって、何もできなかったくせに……!なんで……力が……!」
うっ、そこ?傷を抉るの?
先生もみんなも困り顔だよ。そりゃそうだよねぇ。
私は何もできなかった。事実は事実だけど、彼が求めるものはなんなのだろう。
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