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第三章 建国祭と学園と
47.帰って来ました
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いろいろあった夏休みも終盤になり、私たちは王都へ戻って来た。マリーアは明後日からまた学園だ。
イデアの件やおじいちゃんズは驚いたし大変だったけど、概ね楽しかったな!うん。
イデアとイルスの話は、無事にルシールが陛下に報告をしてくれて、あっさりと済んだ。精霊様から直々と言うのももちろんだけれど、陛下もドゥルキス家の出来事を覚えていたことも大きかったみたいだ。
そして、元・マリーア祖父母には、お父様が少なくはないお金を持たせて帰らせた。二人は固辞していたけれど、人の生活は綺麗事だけじゃ生きていけない。お金は大事だ。貧困の疲弊は、心に隙を作りやすいと思う。それは仕方のないことだ。またこのようなことがないようにと説得すると、二人は深く頭を下げて受け取った。どうかまた、再起できますように。
更にマリーアが、二人に邪を払う保護魔法もかけてあげていた。おじいちゃんズ襲撃直後は落ち込んでいたけれど、今でも中級の聖魔法は使えるんだよね。私なんかは前世というズルいようなものもあっての行動な訳で。大層なこともできていないし。それもなくできるマリーアがあんなに落ち込む必要はないと思うのに、真面目なんだろうなあ。そこもヒロイン気質なのだろうか。
サバンズの祖父母は、また出直すと帰って行き、後日に改めてマリーアへの謝罪も含めて会いに来てくれた。まだまだぎこちないけれど、マリーアはしっかりと謝罪を受け入れてくれて、一歩ずつ近付いて来たと思う。
あの黒いモヤモヤの発生源は、精霊さん二人によると、やはり魔王が封印されている辺りが怪しいみたい。……本当、私じゃないよね?知らぬ間に、とかってないよね?わーん、ちょっと怖い!私じゃないならないで、他に誰かいるかも、って事になるんだろうしな……。うーん。
「リリー!こっちの色はどうかな?」
「うん、いいと思う!男の子でも女の子でも似合いそうだし」
「うふふ、そうだよね?」
マリーアの声に、意識を戻す。
今日の午前中に王都に帰って来たのだけれど、マリーアと私は午後に元気に街に買い物に出ていたりする。若さ最高!
裁縫得意のマリーアが、生まれてくる弟妹のためにスタイを作りたいと言うので、裁縫店に。私?私はもちろん見学と応援ですが、何か?
それと。
「ルシー、サラ、この色はどうかな?ウンディーネ様っぽいか?」
『そうさな、美しい海の色をしているからな』
「一度お会いできたらいいんだけどな」
『あやつはなあ、我らの中でも一番気まぐれだからのう』
テンダーの問い掛けに、ルシーとサラが交互に答える。この三人も一緒にお買い物。
『テンダーの刺繍大作、楽しみだの』
「先輩方を差し置いて、プレッシャーなんだよね」
そう、マリーアたちの学園祭の準備の買い物も一緒なのだ。テンダーは刺繍で四大精霊様たちのタペストリーを作るらしい。すごい。
「大丈夫よ!その先輩方がノリノリだったじゃない。テンダーの作るものって、とても繊細なのに力強いんだもの。大作を見たいと思うのは分かるわ」
「ありがとう、マリー。余計にプレッシャーだけど、頑張るよ」
マリーアの手放しの賛辞に、口に拳をあてて真っ赤になるテンダー。相変わらずのギャップ萌え、ありがとうございます。今日はもちろん私もテンダーが選んでくれた髪飾りをつけている。青い薔薇を可愛く小さくデフォルメしたラインストーンが散りばめられていて、子どもっぽすぎず大人すぎず、とても素敵。会った時、髪飾りよく似合っているよ、と、耳まで赤くして誉めてくれた。照れ屋さんだ。
「テンダーの大作、私も楽しみにしてるね!姉さまは何を作るの?」
「ひみつ~!」
「え~!でも、楽しみ!早く学園祭にならないかなっ」
「それはほどほどじゃないと、俺が困る」
「大丈夫だよ、テンダーなら」
テンダーはますます顔を赤くして、何だかごしょごしょと言いながら、会計を済ませようとさっさとレジへと向かった。私たちも後へ続く。
そして、カフェにでも寄ってから帰ろうとなり、裁縫店を出ると見知った金髪美少年が街灯に寄りかかるように立っていた。そしてこちらに気づくと、眩しい笑顔で近づいて来る。
「リリー、久しぶりになっちゃったね。買い物は済んだ?」
「で……!フィス、どうしてここに?」
「公務の休憩中に庭園に行ったら、リリスに会ったんだ。夏季休暇中に忙しくてリリーに会えなかったとボヤいたら、ここにいると教えてくれた。ね?リリス」
『そうよ、そうなの~!フィスがおいしいお菓子をくれるって~!リリスも来たの~!』
『リリス、お前……』
『だって~!さいきんシルフ様はずるいもの!リリスもリリーに会いたいのに、シルフ様がかってに一人でずるいもの!』
『……う、それは、すまぬ……』
リリスがピョンピョン飛びながら、ルシールに文句をつける。怒っていても可愛いわ。ちょっとたじたじのルシールも、子どもの姿のせいもあって微笑ましい。
「私もごめんね、リリス。会いたかったよ」
『わーい、リリスもなの、なのー!』
「リリー、俺は?」
リリスと頬っぺスリスリをしていると、横からフィスが顔を覗き込むようにして聞いて来た。ちょ、近い!そしてそんなに嬉しそうな顔をしないで!顔が熱くなっちゃうじゃん!
「そこまでです、フィス。まったく油断も隙もない!」
マリーアがビシッと、フィスと私の間に手刀を落とし、私を軽く抱きしめるようにしてフィスから引き剥がす。ああ、もう、恥ずかしかった!マリーアありがとう。
「はは。残念」
「フィス。今日は一人で?二人は?」
「ん?もう新学期が近いから、今日明日は休みだ。俺もようやく視察が終わって、さっき事務処理が済んだところなんだ。リリスからテンダーもいるって聞いていたから、そっちも許可が降りた」
そっち、とは護衛的な意味ですかね。確かにテンダーがいるのは心強いよね。
しかしそうか、王子様ともなると、夏休みもお仕事か。何だかちょっと不憫。まだ学生さんなのになー。仕方ないのだろうけれど。やっぱり王族って、ちょっとブラックだよねぇ。責任感がなくてぷらぷらしている王族なんて、稀なんだろうなあ。
「フィス。お休み中もお疲れ様でした!少しの時間だけど、美味しいお菓子でも食べて、休憩しよう!この後、皆でカフェに行くの。一緒に行ける?」
「もちろん。リリーと過ごせるのが最大の癒しだよ」
フィスが目を細めて、とっても愛しそうな顔で私を見る。
う……!!だから、だから、恥ずかしいんだよー!!!
「で、フィ、フィス、あんまり人前でそういうのは……」
「だって、リリーは婚約者じゃないから、二人でなんて会えないじゃないか。周りを気にしていたら、口説けないだろう?」
「ぐっ……!」
恥ずかしすぎてマリーアに隠れるように歩いているのに、この破壊力!思わずマリーアの腕に強めにしがみつく。
「……フィス、それ、学園ではほどほどにしてよ?」
マリーアが私の頭をよしよししながら、フィスを諌める。
「努力するけど、どうだろう」
いい笑顔で微妙なことなんて言わずに、そこは頑張って頂きたいです!「……恥ずかしくて学園に行けなくなるじゃないですか」と、ぐっと下から睨むように抗議すると、フィスはうっ、と唸ってから「……分かった」と絞り出した。
「……って、約束できないかもだけど。ライバルも多そうだし」
後ろを振り向きながら言ったそれは聞こえなかったけど、とりあえず学園では大丈夫そうと私は胸を撫で下ろす。
『リリス。どうしてくれる』
『え~、だってだって、リリスはフィスもかわいいもん。お菓子くれるし~』
『ホレ、テンダーも参加してこい』
「な、何で俺も?」
『やっぱり、やっぱり、リリーもてもてなの~』と、後ろではしゃぐリリスにも気づかなかったけれど。
パフェが売りの大人気カフェにて、学園祭を回る計画なんぞを立てながら、皆で美味しくマンゴーたっぷりパフェを堪能しました。
とりあえずこれから頑張るためにも、美味しいもので落ち着くのは大事だもんねっ。
イデアの件やおじいちゃんズは驚いたし大変だったけど、概ね楽しかったな!うん。
イデアとイルスの話は、無事にルシールが陛下に報告をしてくれて、あっさりと済んだ。精霊様から直々と言うのももちろんだけれど、陛下もドゥルキス家の出来事を覚えていたことも大きかったみたいだ。
そして、元・マリーア祖父母には、お父様が少なくはないお金を持たせて帰らせた。二人は固辞していたけれど、人の生活は綺麗事だけじゃ生きていけない。お金は大事だ。貧困の疲弊は、心に隙を作りやすいと思う。それは仕方のないことだ。またこのようなことがないようにと説得すると、二人は深く頭を下げて受け取った。どうかまた、再起できますように。
更にマリーアが、二人に邪を払う保護魔法もかけてあげていた。おじいちゃんズ襲撃直後は落ち込んでいたけれど、今でも中級の聖魔法は使えるんだよね。私なんかは前世というズルいようなものもあっての行動な訳で。大層なこともできていないし。それもなくできるマリーアがあんなに落ち込む必要はないと思うのに、真面目なんだろうなあ。そこもヒロイン気質なのだろうか。
サバンズの祖父母は、また出直すと帰って行き、後日に改めてマリーアへの謝罪も含めて会いに来てくれた。まだまだぎこちないけれど、マリーアはしっかりと謝罪を受け入れてくれて、一歩ずつ近付いて来たと思う。
あの黒いモヤモヤの発生源は、精霊さん二人によると、やはり魔王が封印されている辺りが怪しいみたい。……本当、私じゃないよね?知らぬ間に、とかってないよね?わーん、ちょっと怖い!私じゃないならないで、他に誰かいるかも、って事になるんだろうしな……。うーん。
「リリー!こっちの色はどうかな?」
「うん、いいと思う!男の子でも女の子でも似合いそうだし」
「うふふ、そうだよね?」
マリーアの声に、意識を戻す。
今日の午前中に王都に帰って来たのだけれど、マリーアと私は午後に元気に街に買い物に出ていたりする。若さ最高!
裁縫得意のマリーアが、生まれてくる弟妹のためにスタイを作りたいと言うので、裁縫店に。私?私はもちろん見学と応援ですが、何か?
それと。
「ルシー、サラ、この色はどうかな?ウンディーネ様っぽいか?」
『そうさな、美しい海の色をしているからな』
「一度お会いできたらいいんだけどな」
『あやつはなあ、我らの中でも一番気まぐれだからのう』
テンダーの問い掛けに、ルシーとサラが交互に答える。この三人も一緒にお買い物。
『テンダーの刺繍大作、楽しみだの』
「先輩方を差し置いて、プレッシャーなんだよね」
そう、マリーアたちの学園祭の準備の買い物も一緒なのだ。テンダーは刺繍で四大精霊様たちのタペストリーを作るらしい。すごい。
「大丈夫よ!その先輩方がノリノリだったじゃない。テンダーの作るものって、とても繊細なのに力強いんだもの。大作を見たいと思うのは分かるわ」
「ありがとう、マリー。余計にプレッシャーだけど、頑張るよ」
マリーアの手放しの賛辞に、口に拳をあてて真っ赤になるテンダー。相変わらずのギャップ萌え、ありがとうございます。今日はもちろん私もテンダーが選んでくれた髪飾りをつけている。青い薔薇を可愛く小さくデフォルメしたラインストーンが散りばめられていて、子どもっぽすぎず大人すぎず、とても素敵。会った時、髪飾りよく似合っているよ、と、耳まで赤くして誉めてくれた。照れ屋さんだ。
「テンダーの大作、私も楽しみにしてるね!姉さまは何を作るの?」
「ひみつ~!」
「え~!でも、楽しみ!早く学園祭にならないかなっ」
「それはほどほどじゃないと、俺が困る」
「大丈夫だよ、テンダーなら」
テンダーはますます顔を赤くして、何だかごしょごしょと言いながら、会計を済ませようとさっさとレジへと向かった。私たちも後へ続く。
そして、カフェにでも寄ってから帰ろうとなり、裁縫店を出ると見知った金髪美少年が街灯に寄りかかるように立っていた。そしてこちらに気づくと、眩しい笑顔で近づいて来る。
「リリー、久しぶりになっちゃったね。買い物は済んだ?」
「で……!フィス、どうしてここに?」
「公務の休憩中に庭園に行ったら、リリスに会ったんだ。夏季休暇中に忙しくてリリーに会えなかったとボヤいたら、ここにいると教えてくれた。ね?リリス」
『そうよ、そうなの~!フィスがおいしいお菓子をくれるって~!リリスも来たの~!』
『リリス、お前……』
『だって~!さいきんシルフ様はずるいもの!リリスもリリーに会いたいのに、シルフ様がかってに一人でずるいもの!』
『……う、それは、すまぬ……』
リリスがピョンピョン飛びながら、ルシールに文句をつける。怒っていても可愛いわ。ちょっとたじたじのルシールも、子どもの姿のせいもあって微笑ましい。
「私もごめんね、リリス。会いたかったよ」
『わーい、リリスもなの、なのー!』
「リリー、俺は?」
リリスと頬っぺスリスリをしていると、横からフィスが顔を覗き込むようにして聞いて来た。ちょ、近い!そしてそんなに嬉しそうな顔をしないで!顔が熱くなっちゃうじゃん!
「そこまでです、フィス。まったく油断も隙もない!」
マリーアがビシッと、フィスと私の間に手刀を落とし、私を軽く抱きしめるようにしてフィスから引き剥がす。ああ、もう、恥ずかしかった!マリーアありがとう。
「はは。残念」
「フィス。今日は一人で?二人は?」
「ん?もう新学期が近いから、今日明日は休みだ。俺もようやく視察が終わって、さっき事務処理が済んだところなんだ。リリスからテンダーもいるって聞いていたから、そっちも許可が降りた」
そっち、とは護衛的な意味ですかね。確かにテンダーがいるのは心強いよね。
しかしそうか、王子様ともなると、夏休みもお仕事か。何だかちょっと不憫。まだ学生さんなのになー。仕方ないのだろうけれど。やっぱり王族って、ちょっとブラックだよねぇ。責任感がなくてぷらぷらしている王族なんて、稀なんだろうなあ。
「フィス。お休み中もお疲れ様でした!少しの時間だけど、美味しいお菓子でも食べて、休憩しよう!この後、皆でカフェに行くの。一緒に行ける?」
「もちろん。リリーと過ごせるのが最大の癒しだよ」
フィスが目を細めて、とっても愛しそうな顔で私を見る。
う……!!だから、だから、恥ずかしいんだよー!!!
「で、フィ、フィス、あんまり人前でそういうのは……」
「だって、リリーは婚約者じゃないから、二人でなんて会えないじゃないか。周りを気にしていたら、口説けないだろう?」
「ぐっ……!」
恥ずかしすぎてマリーアに隠れるように歩いているのに、この破壊力!思わずマリーアの腕に強めにしがみつく。
「……フィス、それ、学園ではほどほどにしてよ?」
マリーアが私の頭をよしよししながら、フィスを諌める。
「努力するけど、どうだろう」
いい笑顔で微妙なことなんて言わずに、そこは頑張って頂きたいです!「……恥ずかしくて学園に行けなくなるじゃないですか」と、ぐっと下から睨むように抗議すると、フィスはうっ、と唸ってから「……分かった」と絞り出した。
「……って、約束できないかもだけど。ライバルも多そうだし」
後ろを振り向きながら言ったそれは聞こえなかったけど、とりあえず学園では大丈夫そうと私は胸を撫で下ろす。
『リリス。どうしてくれる』
『え~、だってだって、リリスはフィスもかわいいもん。お菓子くれるし~』
『ホレ、テンダーも参加してこい』
「な、何で俺も?」
『やっぱり、やっぱり、リリーもてもてなの~』と、後ろではしゃぐリリスにも気づかなかったけれど。
パフェが売りの大人気カフェにて、学園祭を回る計画なんぞを立てながら、皆で美味しくマンゴーたっぷりパフェを堪能しました。
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