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第三章 建国祭と学園と
44.おじい様とおばあ様
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あれから一週間ほど経った。
その間の私たちは、イデアと約束した通りに魔道具店を再度訪れたり、牧場を案内したりしながら、精霊さんを含めた五人で楽しく過ごした。
そして、今日。
「姉さま落ち着きなよ。エールのおじい様とおばあ様は優しいよ~」
「え、ええ。分かってはいるのだけれど」
マリーアが珍しくそわそわと落ち着かずにいるのは、エール前伯爵夫妻……つまり、お母様の両親がこちらに遊びに来るからだ。お二人は、爵位をお母様のお兄さまに譲ったあとは別邸に移り住み、悠々自適に大好きな旅行をしながらお過ごしらしい。いいなあ、憧れる~!前世で叶わなかった夢のひとつだわあ。
二日前に先触れがあり、旅行でちょうど近くを通るから寄らせてね!とのことで。そこからマリーアは、ずっとそわそわだ。
お母様の婚約を待ってくれたり、ヘタレ父との結婚を許してくれたり、私をものすごく可愛がってくれたりと、お母様の両親は、とても優しいと思うのだ。とはいえ、マリーアの緊張も分かるけど。
「本当に大丈夫だって!姉さま可愛いし!」
「そういう問題では……いえ、ありがとう、リリー」
何度もソファーから立ったり座ったりを繰り返していたマリーアは、ひとつ深呼吸をして、私に微笑みながらようやく腰を落ち着けるように座った。
「そうよね、お義母様のご両親ですものね」
うん、と、頷きながら一人言るマリーア。マリーアにそう思ってもらえる関係を作れて良かったと、しみじみ思う。
それから十数分後に二人は無事に到着。
家族全員で、エントランスにてお出迎えをする。
「ようこそ、義父上、義母上。お待ちしておりました」
「世話になるよ。急にすまなかったね」
「とんでもない。こちらこそご無沙汰をしてしまい、申し訳なく……」
お父様とおじい様が挨拶をしていると、おばあ様がひょこっと優雅に隣を抜けて、こちらに来た。
「リリー!久しぶりね!会いたかったわ」
そう言って、私をぎゅっと抱きしめる。そして、隣のマリーアを優しい顔で見つめてから、彼女のこともぎゅっとした。
「貴女がマリーアね?初めまして、貴女のお祖母様のアンリエッタよ。会えてとっても嬉しいわ!アンおばあ様って呼んでちょうだい!」
マリーアは抱きしめられたまま、迷っていた手をおばあ様の背中に回して「あ、アンおばあ様……?」と、きゅっと抱き締め返した。
「ええ、ええ、マリーア!わたくしもマリーでよろしくて?」
嬉しそうに返事をするおばあ様の腕の中で、マリーアは何度も頷く。
「こら、アン!抜け駆けとはずるいぞ!マリーや、わたしはジョージだ。ジョーじい様で良いからな。リリーも変わらず可愛いな、元気だったか?」
その様子を見て、おじい様も慌てて駆け寄り、お母様がそんな二人を笑って諫める。
「お父様、お母様、少しはしたなくてよ」
「ジョゼ!いいだろう、少しくらい!久しぶりなんだから!」
「そうよねぇ、本当に二人とも可愛いわ!お土産たくさんありますからね!」
「邪魔するよ~」と、二人はどこ吹く風で、私とマリーアの手を引いてズンズンと勝手知ったるティールームに向かって歩き出した。お母様も「もう、きちんとお手本になってくださいな!」と、窘めながらも、お父様と一緒に幸せ苦笑な顔でついてくる。
マリーアを見つめるおじい様とおばあ様の瞳は、本当に優しくて。それは私をいつも見つめてくれる瞳と、まったく同じで。
私も、自分の肩の力が抜けるのを感じた。大丈夫だろうとは思っていたけれど、やっぱり少し緊張していたみたいだ。そりゃ、マリーアはもっと緊張するわよね。
なんて、ちょっとしんみりとした私はさておいて、ティールームは最早お祭り騒ぎだ。二人は本当にたくさんのお土産を買ってきてくれたらしい。お父様もベビーグッズをかなり買い集めているのに、更に増えた。どうするんだ、あれ。
「リリー!何をぼんやりしているの?ほらこれ、マリーとお揃いで買ったのよ!今、着て見せてちょうだい、ほらほら、マリーも早く!」
「ええっ、今ですか?」
「そうだぞ。じじばば孝行だな!スザンヌ、アイリ、頼んだ」
「「賜りました」」
そして、私たちのものも大量にあって。つい、後退りするほどだけど。
ニコニコ笑顔に囲まれて、二人で衝立ての裏に強制移動だ。お母様も楽しそうに付いてきた。しかし、今日はドレス選びの予定でもないのに、しっかりと衝立てまで準備してある辺りがさすがというか何というか。
まあ、楽しいからいっか。贅沢をしみじみと噛み締めよう。うん、これからも頑張ります。
「……義父上、義母上、この度はわたしの不徳のいたすところで、申し訳ございませんでした」
「何を謝る。可愛い孫が増えた。それ以上でもそれ以下でもないだろう。なあ?アンリエッタ」
「そうですよ」
「しかし、あの、ジョセフィーヌには長く、いろいろと不甲斐なく……」
「あの子は幸せだと、ずっと申しておりましたよ。それが今、更に楽しそうで幸せになっただけよ」
「ジョセフィーヌが……」
「これからも、しっかり守ってやってくれ、それで充分だ」
「は……誓って。ありがとう、ございます」
私たちがきゃっきゃ着替えている頃に、父とじいばあでのそんな会話もあったようで。
そんなことはつゆ知らず、また夏休みの楽しい思い出が増えるかな~、なんて、ほのぼのとマリーアとお揃いのサマードレスに着替え終えた頃。
「旦那様、ご歓談中に失礼致します」
「どうした?」
フレッドが少し慌てた様子で入室し、お父様に報告をする。
「先ほど、前侯爵御夫妻から先触れがございまして。あと半刻ほどでこちらにいらっしゃると」
「は?半刻だと?父上は……いや、母上も何を考えているんだ?!」
その場にいる全員で驚いた顔を隠せない。
確かに身内だけれど、さすがに少し非常識だ。貴族的なルールにうるさい二人にしては、珍しいけれど。だからこそ、嫌な感じがする。
「エール前伯爵もいらっしゃるのに……何を」
「アルバート。わたしたちは構わん。返信も間に合わぬだろうし、気にするな」
「は……すみません、義父上、義母上」
何事もありませんように。
その間の私たちは、イデアと約束した通りに魔道具店を再度訪れたり、牧場を案内したりしながら、精霊さんを含めた五人で楽しく過ごした。
そして、今日。
「姉さま落ち着きなよ。エールのおじい様とおばあ様は優しいよ~」
「え、ええ。分かってはいるのだけれど」
マリーアが珍しくそわそわと落ち着かずにいるのは、エール前伯爵夫妻……つまり、お母様の両親がこちらに遊びに来るからだ。お二人は、爵位をお母様のお兄さまに譲ったあとは別邸に移り住み、悠々自適に大好きな旅行をしながらお過ごしらしい。いいなあ、憧れる~!前世で叶わなかった夢のひとつだわあ。
二日前に先触れがあり、旅行でちょうど近くを通るから寄らせてね!とのことで。そこからマリーアは、ずっとそわそわだ。
お母様の婚約を待ってくれたり、ヘタレ父との結婚を許してくれたり、私をものすごく可愛がってくれたりと、お母様の両親は、とても優しいと思うのだ。とはいえ、マリーアの緊張も分かるけど。
「本当に大丈夫だって!姉さま可愛いし!」
「そういう問題では……いえ、ありがとう、リリー」
何度もソファーから立ったり座ったりを繰り返していたマリーアは、ひとつ深呼吸をして、私に微笑みながらようやく腰を落ち着けるように座った。
「そうよね、お義母様のご両親ですものね」
うん、と、頷きながら一人言るマリーア。マリーアにそう思ってもらえる関係を作れて良かったと、しみじみ思う。
それから十数分後に二人は無事に到着。
家族全員で、エントランスにてお出迎えをする。
「ようこそ、義父上、義母上。お待ちしておりました」
「世話になるよ。急にすまなかったね」
「とんでもない。こちらこそご無沙汰をしてしまい、申し訳なく……」
お父様とおじい様が挨拶をしていると、おばあ様がひょこっと優雅に隣を抜けて、こちらに来た。
「リリー!久しぶりね!会いたかったわ」
そう言って、私をぎゅっと抱きしめる。そして、隣のマリーアを優しい顔で見つめてから、彼女のこともぎゅっとした。
「貴女がマリーアね?初めまして、貴女のお祖母様のアンリエッタよ。会えてとっても嬉しいわ!アンおばあ様って呼んでちょうだい!」
マリーアは抱きしめられたまま、迷っていた手をおばあ様の背中に回して「あ、アンおばあ様……?」と、きゅっと抱き締め返した。
「ええ、ええ、マリーア!わたくしもマリーでよろしくて?」
嬉しそうに返事をするおばあ様の腕の中で、マリーアは何度も頷く。
「こら、アン!抜け駆けとはずるいぞ!マリーや、わたしはジョージだ。ジョーじい様で良いからな。リリーも変わらず可愛いな、元気だったか?」
その様子を見て、おじい様も慌てて駆け寄り、お母様がそんな二人を笑って諫める。
「お父様、お母様、少しはしたなくてよ」
「ジョゼ!いいだろう、少しくらい!久しぶりなんだから!」
「そうよねぇ、本当に二人とも可愛いわ!お土産たくさんありますからね!」
「邪魔するよ~」と、二人はどこ吹く風で、私とマリーアの手を引いてズンズンと勝手知ったるティールームに向かって歩き出した。お母様も「もう、きちんとお手本になってくださいな!」と、窘めながらも、お父様と一緒に幸せ苦笑な顔でついてくる。
マリーアを見つめるおじい様とおばあ様の瞳は、本当に優しくて。それは私をいつも見つめてくれる瞳と、まったく同じで。
私も、自分の肩の力が抜けるのを感じた。大丈夫だろうとは思っていたけれど、やっぱり少し緊張していたみたいだ。そりゃ、マリーアはもっと緊張するわよね。
なんて、ちょっとしんみりとした私はさておいて、ティールームは最早お祭り騒ぎだ。二人は本当にたくさんのお土産を買ってきてくれたらしい。お父様もベビーグッズをかなり買い集めているのに、更に増えた。どうするんだ、あれ。
「リリー!何をぼんやりしているの?ほらこれ、マリーとお揃いで買ったのよ!今、着て見せてちょうだい、ほらほら、マリーも早く!」
「ええっ、今ですか?」
「そうだぞ。じじばば孝行だな!スザンヌ、アイリ、頼んだ」
「「賜りました」」
そして、私たちのものも大量にあって。つい、後退りするほどだけど。
ニコニコ笑顔に囲まれて、二人で衝立ての裏に強制移動だ。お母様も楽しそうに付いてきた。しかし、今日はドレス選びの予定でもないのに、しっかりと衝立てまで準備してある辺りがさすがというか何というか。
まあ、楽しいからいっか。贅沢をしみじみと噛み締めよう。うん、これからも頑張ります。
「……義父上、義母上、この度はわたしの不徳のいたすところで、申し訳ございませんでした」
「何を謝る。可愛い孫が増えた。それ以上でもそれ以下でもないだろう。なあ?アンリエッタ」
「そうですよ」
「しかし、あの、ジョセフィーヌには長く、いろいろと不甲斐なく……」
「あの子は幸せだと、ずっと申しておりましたよ。それが今、更に楽しそうで幸せになっただけよ」
「ジョセフィーヌが……」
「これからも、しっかり守ってやってくれ、それで充分だ」
「は……誓って。ありがとう、ございます」
私たちがきゃっきゃ着替えている頃に、父とじいばあでのそんな会話もあったようで。
そんなことはつゆ知らず、また夏休みの楽しい思い出が増えるかな~、なんて、ほのぼのとマリーアとお揃いのサマードレスに着替え終えた頃。
「旦那様、ご歓談中に失礼致します」
「どうした?」
フレッドが少し慌てた様子で入室し、お父様に報告をする。
「先ほど、前侯爵御夫妻から先触れがございまして。あと半刻ほどでこちらにいらっしゃると」
「は?半刻だと?父上は……いや、母上も何を考えているんだ?!」
その場にいる全員で驚いた顔を隠せない。
確かに身内だけれど、さすがに少し非常識だ。貴族的なルールにうるさい二人にしては、珍しいけれど。だからこそ、嫌な感じがする。
「エール前伯爵もいらっしゃるのに……何を」
「アルバート。わたしたちは構わん。返信も間に合わぬだろうし、気にするな」
「は……すみません、義父上、義母上」
何事もありませんように。
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