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本編
2ヶ月後
しおりを挟む今日も春人は長い就業時間を終えて帰路に着く。途中飲みに誘われたりしたが、全て無視をした。
今日は時也がご飯を作る日なので楽しみだ。
メニューも品数も春人は全く知らない。
お金は朝出る前に渡してそれ以外は全て時也が自由に決める。
自然と帰る足取りも速くなっている気がする。
時也と暮らして二ヶ月半。
春人のお気に入りの白いシャツが青色に染まったり、皿が割れたりと色々あったがそれでも楽しい毎日を過ごしている。
家の外からマンションの自分の部屋を覗くと電気が着いているのが少しだけ嬉しくて、部屋に入る前の楽しみになっている。
春人と暮らして変わったのは食費や電気代などの出費が増えだが、中でもシーツを洗濯する回数が増えた。
なぜなら時也が日中暇なことを誤魔化すように夜は春人をしつこく求めて来る。
翌日が仕事の時も時也は春人に甘えて来る。春人は断るが時也の我慢が効かないこともあるので渋々了承することもあった。
「ただいま。」
「おっかえりー!!!待ってたよぉ!」
エプロン姿の時也が勢いよく抱きついて来た。
「お風呂にする?ご飯にする?それとも…ぼ、く?」
いつも通り時也は上目遣いで春人を見る。
キラキラと目を輝かせて春人を見つめていた。
「ぼくがいい」と言いたいところだが春人も疲れているのでそれは出来ない。
「ご飯にしようかな、着替えて来るから用意してくれる?」
時也は嬉しそうに頷いてキッチンへと走って行った。
春人は和食が好きなので時也は春人に合わせて和食を作ったが、時也にはまだ早かったらしい。
メニューは肉じゃがと米と味噌汁だった。
味噌汁には出汁がなく、肉じゃがは火が通り切っておらず固かった。
「不味いから食べないでいいよ!」
時也は申し訳なくなって春人に食べなくて良いと促したが春人はそれでも食べ続けた。
「食べられないわけじゃないよ?あともう少しって感じだから次頑張ればいいでしょ?」
春人は時也が自分の好みに合わせて作ってくれたことが嬉しくて時也が止めても食べ続けていた。
「もっとちゃんと作り方とか調べて作るからその時は…また食べてくれる?」
時也が春人の様子を伺いながら聞いたが、もちろん春人が断る理由はない。
「はい、貴方が作ったなら毒でも何でも美味しく食べますよ。」
「毒は作らない!!!!」
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