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本編
マッチング
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「ふぅ…遅いなぁ」
そう言って男性は手を薄手のコートのポケットの中に入れた。
会社帰りの男性黒田春人は駅の銅像の前で待っていた。
暦ではまだ秋だが夜になると冷え込む季節だ。
そして今日は一段と風が冷たく寒い。
会社では営業をしており社外へ商談をすることも良くあるので気温や天気には一段と気をつけている。
春人は待ちきれなくなりマッチングアプリを起動させてマッチング相手のダイレクトメールに「まだですか?」と一言送った。
「おにーさん?」
髪を金色に染めた青年が春人に近づいて来た。
「えっと…Mさんですか?」
「はい!ハルさんで合ってますか?」
春人は頷いた。
「わぁっやったー!嬉しーい!おにーさんかっこいいし、背も高いし賢そうっ!」
そう言ってMは春人の腕に手を回してきた。
なんだこのチャラついた少年は!
背も小さいし、髪も金髪だし!まさか未成年か?
それにスキンシップも多い…
「ホテルに…行きますか?」
「はいっ!行きましょー?あ、でも僕お金持ってないからぁ…」
そうして2人はラブホテルへと向かった。
「ひとつ確認していいですか?」
春人は腕を掴んで横を歩くMに聞いた。
「なんですかー?」
「君は未成年?」
「そだよー、最近までウリ専してたけど太客にガバマンは興味無いって言われちゃってさ。」
未成年でウリ専⁈まぁ、家庭環境とかの影響でそうなってしまうことは良くある話って聞くし、身体を売る行為も若ければ若いほど高く売れるとも言うし…
そう考えて春人は自分を納得させているだけだった。
「まさか、マッチング相手にお金せびったりとかは…」
「しないよ~、1回目はね?2回目からはお金貰ってる。じゃないと僕だって暮らしていけないしさ。」
そんな話をしている間にホテルについてしまった。
______
ペダペタと裸足で歩く音がする。
ガチャ。
「おにーさん、シャワー終わったからおにーさんも使いなよ~」
そう言ってMはタオルで身体をあまり拭かず濡れた状態で近づいて来た。
「おにーさん?パソコンと睨めっこそんなにたのし?」
ほとんど副業と化している株価取引をベッドの上でパソコンを広げてやっていたら濡れたままのMが春人と戯れようとしていた。
「こらっ!パソコンが濡れたらどうしてくれるんですか。ほらちゃんと拭かないと風邪、引きますよ?」
春人はMのタオルを持って髪をわしゃわしゃと拭いてやった。
「おにーさん、気持ちよかったからまたやる?」
Mは春人に擦り寄ってきた。
「しませんよ。私も疲れましたから。」
春人はパソコンを閉じてシャワーへと向かった。
「はぁっはぁっ…。」
シャワールームで汗ばんだ体を洗い流しながら春人は自分の性器を扱いていた。
エムっ!あの甘い声と濡れた肌で誘惑しやがって!
誰だって勃起するに決まっているだろう!
俺だって君が泣くほど気持ちよくして「もうやめてっ!」って叫ばせたいんだよ!
「ハルさん遅かったね。」
Mはシャワーから上がってずいぶん時間が経つのにバスローブ姿で髪もまだ湿っていた。
「君とは違って僕は綺麗好きだからね。食事は頼まないの?好きなものを好きなだけ頼んでいいからね。」
「でもぉ、部屋代とかも払ってもらってるし…。」
「君の考えは見え透いて分かるから遠慮しなくていい。」
「見え透いてる⁈ど、どういうこと⁈」
「あなたの身なりや経済力からしてどこかの誰かを引っ掛けてヒモだったんでしょう?」
Mは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「そ、そうだよ!この前まで男の人と一緒に住んだりエッチしてたりしてたよ!何が悪いの⁈」
「悪いとは言ってません。ですがあなたは未成年なのだからこのような行動が危険を伴うことは理解してますよね?」
さっきまで気丈に振舞っていたMが元気を失ってしまった。
「理解してるよ…でも、そういう生き方しか知らないんだから仕方ないでしょ⁈」
「はぁ、なら僕の家に来ますか?」
「いいの⁈」
Mは何も考えずに答えた。
「私との約束をちゃんと守れると約束できるなら構いませんよ。それにあなたのような未成年が身体を売るのは危ないですからね。」
「それじゃ、お言葉に甘えてもいーい?」
「どうぞ。」
Mは春人に抱きついた。
おにーさんかっこいいし、やさしいっ!
そう言って男性は手を薄手のコートのポケットの中に入れた。
会社帰りの男性黒田春人は駅の銅像の前で待っていた。
暦ではまだ秋だが夜になると冷え込む季節だ。
そして今日は一段と風が冷たく寒い。
会社では営業をしており社外へ商談をすることも良くあるので気温や天気には一段と気をつけている。
春人は待ちきれなくなりマッチングアプリを起動させてマッチング相手のダイレクトメールに「まだですか?」と一言送った。
「おにーさん?」
髪を金色に染めた青年が春人に近づいて来た。
「えっと…Mさんですか?」
「はい!ハルさんで合ってますか?」
春人は頷いた。
「わぁっやったー!嬉しーい!おにーさんかっこいいし、背も高いし賢そうっ!」
そう言ってMは春人の腕に手を回してきた。
なんだこのチャラついた少年は!
背も小さいし、髪も金髪だし!まさか未成年か?
それにスキンシップも多い…
「ホテルに…行きますか?」
「はいっ!行きましょー?あ、でも僕お金持ってないからぁ…」
そうして2人はラブホテルへと向かった。
「ひとつ確認していいですか?」
春人は腕を掴んで横を歩くMに聞いた。
「なんですかー?」
「君は未成年?」
「そだよー、最近までウリ専してたけど太客にガバマンは興味無いって言われちゃってさ。」
未成年でウリ専⁈まぁ、家庭環境とかの影響でそうなってしまうことは良くある話って聞くし、身体を売る行為も若ければ若いほど高く売れるとも言うし…
そう考えて春人は自分を納得させているだけだった。
「まさか、マッチング相手にお金せびったりとかは…」
「しないよ~、1回目はね?2回目からはお金貰ってる。じゃないと僕だって暮らしていけないしさ。」
そんな話をしている間にホテルについてしまった。
______
ペダペタと裸足で歩く音がする。
ガチャ。
「おにーさん、シャワー終わったからおにーさんも使いなよ~」
そう言ってMはタオルで身体をあまり拭かず濡れた状態で近づいて来た。
「おにーさん?パソコンと睨めっこそんなにたのし?」
ほとんど副業と化している株価取引をベッドの上でパソコンを広げてやっていたら濡れたままのMが春人と戯れようとしていた。
「こらっ!パソコンが濡れたらどうしてくれるんですか。ほらちゃんと拭かないと風邪、引きますよ?」
春人はMのタオルを持って髪をわしゃわしゃと拭いてやった。
「おにーさん、気持ちよかったからまたやる?」
Mは春人に擦り寄ってきた。
「しませんよ。私も疲れましたから。」
春人はパソコンを閉じてシャワーへと向かった。
「はぁっはぁっ…。」
シャワールームで汗ばんだ体を洗い流しながら春人は自分の性器を扱いていた。
エムっ!あの甘い声と濡れた肌で誘惑しやがって!
誰だって勃起するに決まっているだろう!
俺だって君が泣くほど気持ちよくして「もうやめてっ!」って叫ばせたいんだよ!
「ハルさん遅かったね。」
Mはシャワーから上がってずいぶん時間が経つのにバスローブ姿で髪もまだ湿っていた。
「君とは違って僕は綺麗好きだからね。食事は頼まないの?好きなものを好きなだけ頼んでいいからね。」
「でもぉ、部屋代とかも払ってもらってるし…。」
「君の考えは見え透いて分かるから遠慮しなくていい。」
「見え透いてる⁈ど、どういうこと⁈」
「あなたの身なりや経済力からしてどこかの誰かを引っ掛けてヒモだったんでしょう?」
Mは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「そ、そうだよ!この前まで男の人と一緒に住んだりエッチしてたりしてたよ!何が悪いの⁈」
「悪いとは言ってません。ですがあなたは未成年なのだからこのような行動が危険を伴うことは理解してますよね?」
さっきまで気丈に振舞っていたMが元気を失ってしまった。
「理解してるよ…でも、そういう生き方しか知らないんだから仕方ないでしょ⁈」
「はぁ、なら僕の家に来ますか?」
「いいの⁈」
Mは何も考えずに答えた。
「私との約束をちゃんと守れると約束できるなら構いませんよ。それにあなたのような未成年が身体を売るのは危ないですからね。」
「それじゃ、お言葉に甘えてもいーい?」
「どうぞ。」
Mは春人に抱きついた。
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