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パーティ
第31話
しおりを挟む「ねね、おにい様?ラクレア様ともっと仲良くなりたいのだけど紹介してくださる?」
ターニャのこの聞き方はラクレアをいじめるために近付きたいと言っているだけだ。
「ラクレアは恥ずかしがり屋だから手紙を書くといいさ。」
「ええ、そうするわ」
ターニャは仏頂面で返事をした。
アンドレアは溜め息を吐いた。
伯母のアンドレアはイヴァンとターニャとの結婚を望んではいるがヘイム家以上の貴族と結婚できるのもそれはそれでありがたいのでターニャとイヴァンの仲を保持させていたが、イヴァンの両親の死によって莫大な遺産とアンドレアが主人になれる権利が貰える事を知ってターニャとの結婚を進めた。
「ハインツにいい女性はいないのですか?伯母様。」
ハインツもイヴァン同様に女性を社交界に連れてきた事は無かった。
ハインツはイヴァンと違って女性との関係は数え切れないほど持っているが、本気になった女性はいない。
「僕はターニャの成長を見守るだけで充分だよ。」
「お前はそろそろ後継者としての自覚を持つべきだ。」
「それはどうだろうね。いま、皇太子殿下に誘われているんだ。皇太子殿下からの誘いは流石に断れないよ。」
果たしてその「誘い」とはどのようなものなのかは知らない。
食事が終わって立ち上がるとターニャが追いかけて来た。
「ラクレア様よりもきっと私の方がおにい様を知っているわ。絶対に夜も満足させてみせるわ。」
ターニャがイヴァンの腕を掴んで来たのでイヴァンは振り落とした。
気持ちが悪い………。
____
「ん…」
ここに来てからどれぐらい眠っていたのだろう。
「おはようございます。ラクレア様。」
ヘレンが服を抱えて近づいた。
何も身に纏っていないのはとても恥ずかしくて布団で身体を急いで隠した。
「お気になさらず。こちらに服を用意しておきますので着替えてください。ラクレア様、何か食べられそうですか?」
「はい。お腹空きました…。」
「分かりました。ご用意して参ります。」
ヘレンはサイドテーブルに着替えを置くと部屋を出て行った。
用意された服を見るとピンクでヒラヒラしたレースがたくさんあしらわれたワンピースだった。まだラクレアでいなければならないようだった。
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