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パーティ
第23話
しおりを挟む「僕らも行こうか。ラクレア?」
そう言ってイヴァンはラクレアの手を取って優しい笑みを浮かべた。
そのまま外に出るかと思ったらイヴァンはラクレアを椅子に座らせてイヴァンは跪いた。
ドレスの中に隠れるラクレアの足を出してイヴァンはラクレアに靴を履かせた。
女性女性にしては身長が高いのであまり踵が高くなく、リボンや宝石が散りばめられたピンク色の靴だった。
ラクレアの細く、青白い足に靴を履かせた。
履いたラクレアの足にイヴァンはそっとキスをした。
「なっ…!」
イヴァンは意地悪な顔をしてラクレアを見た。
「ほら、行くよ?」
イヴァンはラクレアの手を引っ張り部屋を出た。
「いい?絶対に喋ったらだめ。オスカーか、僕が良いって言うまでは黙っておくんだよ?やむを得ない状況になったら僕かオスカーを呼んでね?」
広い廊下でイヴァンは声を潜めてラクレアに話す。
「誰かに飲み物とか渡されるかもしれないけど、絶対に飲んじゃダメ、受け取ったらダメだからね?」
ラクレアは部屋の外では話してはいけないことになっているので頷いて返事をする。
イヴァンはラクレアに何度も注意事項を告げる。
主催側のヘイム家にも伝えているので大丈夫とは思っているがそれでも心配らしい。
玄関先の扉が閉められていたことからもう招待客は揃っているらしい。
熱い。それに湿ってる。
会場に入る前にイヴァンがラクレアの手を握って来た。
何か理由があるのかと思ってラクレアは振り解こうとはしなかった。
ヘイム家の使用人が扉を開けた。
「わあっ…」
キラキラ光る天井に、生のオーケストラ、色とりどりの花が会場の至る所に装飾されていた。
孤児院にいた頃の誕生日パーティーとは規模が違いすぎる。
見慣れない光景に声を発してはいけないと言われていたラクレアも思わず声が漏れてしまった。
イヴァンもラクレアが声を出した事には気付いていたが無垢なラクレアが可愛かったので聞かなかった事にした。
「ラクレア、とりあえず今日の主役に挨拶をしよう。」
会場の大きな玉座に今日の主役のターニャが座っていた。
ターニャの水色のドレスは本人の聡明さと美しさを表したようなドレスだった。
主役を誇示するかのように頭に光るティアラも美しかった。
イヴァンはラクレアをエスコートしつつ人をかき分けていた。
知らない間にラクレアの後ろには護衛のオスカーもいた。
その間もずっとイヴァンはラクレアの握った手を離さなかった。
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