純粋すぎるおもちゃを狂愛

ましましろ

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パーティ

第19話

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ラキはイヴァンとテニスをして怪我をしてからよく眠るようになった。
イヴァンと共に朝食を取り、その後昼まで眠って、散歩をしたりする生活だ。
理由は「暇」からである。
家事を手伝いたいと言っても「怪我をしているから結構」と言われて一人、部屋に戻って時間が過ぎるのを待っている。


「ラキー!」

勢いよく部屋の扉を開けたのはイヴァンだった。


「まだ寝てるのか!もう起きろ!」


そう言って眠るラキの布団を引き剥がしてラキに馬乗りになった。


「おはようございます…イヴァンさま…。」


まだ眠りたいと思っているのかラキは目を頑なに開けない。




「入って来ていーよ!」


この主人は何を言っているのか…と思って薄目で見ると3人ぐらいがベッドサイドに立っていた。
ラキは視線を感じて目を開けた。


「おはようございます。」


ラキが目を開けるなり話しかけてきた。
ベッドサイドに立っているのは執事のラモンとこの家の使用人でもない男女が立っていた。
ラキは馬乗りになるイヴァンを剥がして、ベッドの上に正座をした。


「おはようございます。」

「あ、おはようございます…。」


最初に口を開いたのはラモンだった。
見知らぬ男女二人はイヴァンと同年代か少し年上の雰囲気を感じた。
この人達は誰なんだろう?そしてなんでここにいるんだろう。
戸惑うラキの背中にイヴァンが抱きついて来た。


「ラモン、説明してあげて。」

「はい。この2人は今日からラキ様の教育係となります。詳しい経緯はイヴァン様が朝食の時に説明します。」


イヴァンがラキの手を取って食堂へと向かう。
その後ろをラモンと教育係となった2人がついて来る。


「ラキ、今度ね僕の従姉妹の誕生日パーティがあってそこにラキも連れて行こうと思うんだ。」

「ぼ、僕なんかがいいんですか⁈」


イヴァンはラキの新鮮な反応を楽しんでいたが、これからラキを悲しい気持ちにさせることは分かっているので覚悟を決めて話す。


「君はパーティで僕のフィアンセになって欲しい。」


神妙な面持ちで話し始めるイヴァンにラキも食事の手を止めて聞いていたがフィアンセという響きに何か突っ掛かりのようなものを感じた。

イヴァン様のフィアンセってことは女装⁈

「君は一ヶ月後のパーティでハイベルナ家当主の婚約者のラクレア嬢ってことで参加して欲しい。」

「……男のままじゃ、ダメなんですか?」


女装しなければならない理由があると知っていても性別を偽るのは気分が悪かった。


「久しぶりに社交界に出るんだけど、人よけの為にフィアンセが欲しいんだ。友人や身内に女性を紹介されることもあるからね。」


イヴァンの言葉を聞いてラキは思い出した。

あ、そうだ。僕はイヴァン様のおもちゃだったんだ。
初めから僕が断る選択肢なんて無かった。



イヴァンがハインツに送った招待状の返事







4月1日から週一連載となります。
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