純粋すぎるおもちゃを狂愛

ましましろ

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第11話

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昨日からこの家で暮らすことになったラクレアことラキは白いふかふかのベッドで目を覚ました。
腹部に重みを感じて触ると自分のお腹に腕が乗っていた。

目を開けて後ろを確認すると、イヴァンが心地良さそうに眠っていた。


なんでここに居るの?昨日他の部屋で寝たんじゃなかったの?



「おはよ。」


腕が重たいのでラキはお腹に乗っているイヴァンの腕を移動させようとしている間にイヴァンが起きた。


「おはよう…ございます。」


イヴァンがラキの顔を撫でて耳を触った。


「やめてっ…ください。」



恥ずかしがるラキの顔を見てイヴァンは笑った。


「とりあえず起きようか。ラモンが怒るとめんどくさいからね。」


イヴァンがベッドから起き上がり、ベッドサイドに置いてあったグラスに水を注いで一口飲んだ。

もう一度注ぐとラキに渡した。


「飲む?」

「はい。頂きます。」


ラキはベッドの上で正座をして行儀良く飲んだ。

その姿にイヴァンは笑いを隠せず、ラキからは見えないようにして笑った。
イヴァンはラキが水を飲んでいる間にベルで使用人を呼び出した。


「失礼します。ラキ様何か…」


入ってきたのはラモンだが、本来いるはずのないイヴァンが来たことに驚いているようだった。


「ラモン、服を用意してくれ。もちろん俺のも。」

「承知しました。」


ラモンはラキのクローゼットを開けるとブラウスとチノパンを出してラキに渡した。
ラモンは部屋を出て、イヴァンはラキの部屋の浴室へと入っていった。




新しい服?僕なんかに?




ラキはラモンから渡された服の匂いを嗅いだ。
きちんとアイロンがかけられたその服は花の香りがした。


着てみると驚くほど自分にサイズがピッタリだった。
しかし、ラキが痩せすぎているせいでパンツのウエストが合わず、クローゼットからベルトを出して調整した。




「失礼しますイヴァン様服を持ってきました。」


イヴァンは入浴中なのでラキがドアを開けた。


「ラキ様、渡した服はどうですか?」

「は、はい。ありがとうございます。ちゃんとアイロンも掛けてあってサイズもぴったりで!」


ラキは心の底から嬉しくなってラモンに楽しそうに報告していた。


「ウエストはどうにかしておきます。これをイヴァン様に渡してもらえますか?」

「はい!わかりました!」

「私は朝食の用意をするので着替えたらイヴァン様と一緒に来てください。」


ラモンは一礼して部屋を出た。
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