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1巻
1-3
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‡
馬車に揺られること数時間、ちょうどコペルまでの中間地点に着いたとの事で、今日はここで野営するらしい。
「兄ちゃん、悪いけど見張りを手伝ってくれ。人手が足りないんだ」
「え? ええ、まあ……良いですよ」
面倒なので断りたかったが乗せてもらっている手前断りにくい。
専属の護衛は居ないのかと問うと、この辺りは治安が良いし、魔物も滅多に姿を現さないから安心なんだとか。護衛を雇うぐらいなら儲けに回した方がいいらしい。
多少不用心だとは思うが、そんなものなのかね。
見張りをすると言っても俺にはマップがあるから、実際に目を凝らして警戒する必要が無い。
マップの反応にだけ注意しておけばいいだろう。とりあえずマップスキルは消さずに表示させておく。
二人一組で順番に交代しながら見張りをしていると、運の良いことに俺の相棒は気になっていた猫族の娘になった。多少緊張して焚き火を挟んで向かい合う。
彼女は相変わらず生気のない表情で焚き火を見つめているだけだ。
ずっと黙っているのも気まずいので、こちらから話を振ってみよう。
「君の名前は何ていうの?」
「……クレアです。でも、買われたら新たに名前を付けられるので、別の名前になると思います」
「なんで奴隷になったのか聞いていい?」
「……いいですよ。よくある話ですけど」
ぽつりぽつりと話し始めたクレア。
彼女が住んでいた村は昔から貧しく、何とか食うに困らないという程度だった。だが二~三年前から不作が続き、村はジリ貧になっていったそうだ。
この調子で不作が続くと餓死者が出るかもしれない。なんとかこの状況を打開しようとした村の人々は、高価な農機具(魔石入り)を借金して共同で購入。
これで農地を開墾しようとした矢先、魔物の襲撃を受けた。なんとか撃退したものの被害は甚大。買ったばかりの農機具も壊されたそうだ。
借金の返済を迫られるも当然返す当ては無い。誰かを人身御供に差し出すしか無かったという訳だ。
「……両親や幼い兄弟達を守るためには、一番高く売れる私が奴隷になるのが良かったんです」
悲惨すぎてかける言葉が無い。
この世界には日本と違って自己破産制度も無いだろうから、一度しくじれば身の破滅なのだ。
魔物もいるし、つくづく生きるのに厳しい世界なんだなと実感する。
「でも大丈夫です。返済が終われば奴隷から解放される事もあるんですよ?」
弱々しく微笑むクレアに、俺はそうだねと返事をすることしか出来なかった。
本心から解放されると思っているなら、そんな辛そうな顔は見せるはずが無いだろうに。
その時、表示したままのマップに赤い点滅が複数出現した。
「敵だ!」
鋭く短い警告を発すると、寝ていた連中が飛び起きる。クレアも慌てて護身用のナイフを手に取った。
「敵って、確かなのか!?」
まだ半信半疑なのだろう、奴隷商が装備を確認しながら身を寄せてきた。ええい、寄るな鬱陶しい。
「何かまではわからん。だが確実に近づいてる! 数は二十を下らないぞ」
まいった。今まで一対一でしか戦った事無いんだよな。未知の敵を相手に初めての集団戦。どの程度戦えるだろうか。
最悪の場合は逃げるしかないが、せめてクレアだけでも逃がしてやりたい。
他は自力で何とかしてもらおう。俺は正義の味方でも何でもないんだから。
こっち側で戦力になりそうなのは、俺以外だと蜥蜴男に奴隷のおっさん、後は奴隷商ぐらいか。
俺と同じ歳ぐらいの少年は冒険者でもないんだから戦力に入れないほうがいいだろう。現に今もブルブル震えているし。
「包囲が狭まってる。もう視界に入りそうな距離……そっちだ!」
マップを確認するともう敵集団は至近距離まで迫っていた。焚き火の光が届くか届かない森の暗闇から、何者かが飛び出してくる。
「ゴブリンだっ!」
奴隷商が泣きそうな顔で叫んだ。
ゴブリン。RPGなどでは一般的な雑魚で知名度だけはある。体長百四十センチ程で浅黒い肌を持ち、錆びた剣や棍棒などで武装している子鬼だ。
ゲームの知識だとこいつらは常に集団で行動する習性があったはず。てことは、運悪く群れに遭遇しちまったって事か。
「くらえっ!」
魔物相手に遠慮はいらないので、さっそく覚えたばかりの氷結魔法で攻撃を始めた。
飛び出してきた最初の一匹の胸を貫いて一撃で絶命させる。
二匹目、三匹目と氷結魔法を連続で撃つが、次から次と出てくるので追いつかない。
俺の魔法の発動より奴らの接近の方が速いのだ。
「クギャーッ!」
ゴブリンの声が聞こえたと思ったら、すぐ近くで剣戟の音が鳴り始めた。誰かが戦い始めたんだろう。
そっちは任せておいて、とにかく正面から来る連中を片付ける事に専念する。
幸いクレアは健在で俺の横で武器を構えている。意外と肝が据わってるのかも知れん。
前から迫るコブリン達が目の前まで接近してきたので、短剣を抜き放ち魔法から接近戦に切り替える。
意識を集中すると、ゴブリンのステータスが確認できた。
『ゴブリン:レベル7』。今の俺にはなかなかの強敵だ。
「クレア! 離れるなよ!」
そう叫ぶと俺は一歩踏み出し、錆びた短剣を振りかざしたゴブリンを袈裟懸けに斬り捨てる。
ぐらりと倒れてきた死体を足蹴にして、その後ろに居た奴の腹に短剣を突き立てた。
「きゃっ!」
見るとクレアがゴブリンの攻撃を短剣で受け止めていた。
野郎なんて事しやがる! ぶっ殺す!
クレアと戦っているゴブリンを後ろから斬り捨てると、周りの状況が見えた。
蜥蜴男がどこで拾ったのか、バットぐらいの太さの棒を振り回して応戦している。おかげでゴブリン達は近づけないようだ。
奴隷のおっさんは地面に倒れてピクリとも動いてない。背中にはいくつか深い切り傷があった。血溜まりが出来ているので、恐らくは絶命しているのだろう。
奴隷商のおっさんも苦戦中だ。すでに全身から出血している。
少年とおばちゃんはいつの間にか居なくなっていた。何処かに逃げたんだろうか? だが最初に確認した時に完全に包囲されていたから、逃げられたとも思えない。
残るゴブリンは後八匹ほどか。氷結魔法を連発しながら手近なゴブリンに走り寄り、首を刎ね飛ばす。
形勢不利と見たゴブリン達が逃走を図るも、俺は見逃してやるほど甘くない。逃げるゴブリンの背に氷結魔法を放ち、斬りつけ、やがて動くゴブリンはいなくなった。
「クレア!?」
ハッとしてクレアを確認すると、彼女は短剣を手に持ったまま座り込んでいた。安心して腰が抜けたのだろう。怪我は無いようなので一安心だ。
地面に倒れて荒い息をつく奴隷商は、すでに出血で意識が朦朧としているようだ。急いで止血してみたが、手当の甲斐なく彼はそのまま息を引き取った。
周囲を探すとおばちゃんと少年の遺体も発見した。やはり逃げ切れなかったようだ。回復魔法のひとつでも使えれば結果は変わっていたかもしれないなと、少しだけ後悔する。
奴隷商達の遺体を集めて炎で焼く事にした。
放って置くとアンデッド化するらしいので、見つけた遺体は火葬が基本だと蜥蜴男に教えられたのだ。
ゴブリン達と一緒に焼くのは少し抵抗があったが、悪く思わないでくれよ。
「追剥ぎみたいだけど、放置しておくのもな」
使い道が無い奴隷商の所持品を三人で分配しようとしたが、それは二人に断られた。
解放前の奴隷が単独で行動し、尚且つ大金を所持していたら確実に逃亡奴隷と判断されて、悪くすれば極刑もありえるそうだ。
二人の希望としては、このまま俺に街まで連れて行ってもらって役人に事情を話し、処遇を決めてもらいたいとの事だった。
なんでも主人が死んで奴隷だけが生き残った場合、所有権が最初に拾った人に移るんだとか。
それならばと、二人を連れて街を目指す事にする。
ちなみに馬車は使えなかった。馬がやられていたからだ。
同じ場所でまた野営する気にもならなかったので、そのまま出発した。
道中ステータスを確認すると、レベルが上がっていた。
●エスト:レベル13
HP 170/170
MP 120/120
筋力レベル:2(+2)
知力レベル:2(+3)
幸運レベル:1
▼所持スキル
『経験値アップ:レベル1』『剣術:レベル1』
『マッピング:レベル1』『火炎魔法:レベル1』
『無詠唱:レベル1』『筋力アップ:レベル2』
『隠密:レベル1』『知力アップ:レベル2』
『盾:レベル1』『氷結魔法:レベル1』
新たなスキルを獲得できます。次の中から選んでください。
『HPアップ』
『MPアップ』
『幸運アップ』
『剣術:レベル2』
『経験値アップ:レベル2』
ゴブリン戦では自分の力不足を痛感した。そこそこ戦えるつもりでいたが、まだまだ初心者に毛が生えた程度でしかなかったんだ。
早急にレベルを上げて強くならねば、という事で経験値アップのレベルを上げた。
改めて自分のスキルを見直すと、レベルの割に数が多いような気がする。
何とか誤魔化せないかと試行錯誤していたら、偶然ある方法を発見できた。
表示されているスキルに視線を合わせて「隠れろ」と念じると、スキル欄から消えたのだ。一瞬焦ったが「表れろ」と念じれば再び見えるようになる。
これで何とか他人にステータスを見られても大丈夫になっただろう。
不自然じゃないようにいくつかそのままにして、後は全て隠蔽しておいた。
‡
「やっと……着いた……」
「疲れましたね……」
「無事に辿り着けたか……」
夜通し歩き続けた俺、クレア、蜥蜴男の三人は、昼過ぎになってようやくコペルの街に到着した。
コペルの街は、高さ十メートルはある市壁に囲まれている。外敵に対する厳重な備えから見て、かなりの人口密度なのかもしれない。
入り口にある兵士詰め所に向かい、道中ゴブリンの襲撃を受けた事と、生き残りの奴隷を連れている事を告げた。
すると特にトラブルになることもなく淡々と事務手続きが終わり、奴隷の再契約か解放かを、街にある「契約所」と呼ばれる施設に行って決めるようにと指示された。
正直くたくたに疲れていたが、先にやるべき事を済ませないと安心して眠れない。疲れた体に鞭打って兵士の言う契約所に向かった。
途中にあった屋台では、パンに切れ込みを入れて肉を挟んだホットドッグのような食べ物が売っていた。目を引かれたので、俺が三人分買ってみんなで食べる。
三人とも腹が減っていたので貪るように齧りつき、あっと言う間に食べてしまった。
屋台のおっちゃんに道を教えてもらい無事に辿り着くと、どうやら契約所は奴隷を売買する店舗と併設されているようだった。
イカツイおっさんばかりだったらどうしようと少し緊張したが、中に入るとそんな事も無く、綺麗なお姉さんが受付をしていた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
と、随分丁寧な物腰で声をかけられる。
「奴隷の再契約と解放をしたいのですが」
「かしこまりました。手続きには奴隷一人につき銀貨一枚が必要となっております。先払いでお願いしますね」
にっこり笑うお姉さんに銀貨を二枚渡す。今は亡き奴隷商には結構な所持金があり、当分金に困りそうも無い。
そうこうしてると顔に刺青の入ったおっかないおっさんが奥から出てきた。この人が実際の儀式をするのだろう。
道中話し合って決めたのだが、蜥蜴男は解放してお金を渡し、クレアは俺の奴隷として再契約する事になった。
蜥蜴男は、奴隷商の遺産の三分の一をもらったら自力で生きていけるそうだ。
一方のクレアは、今更借金を返して自由になっても家族のもとには帰りづらいし、かと言って一人で生きるのも不安だから、出来れば一緒に連れて行って欲しいと言った。
美少女と旅を出来るなんて俺としては願ったり叶ったりなので、ふたつ返事で了承して今に至る。
まず蜥蜴男から儀式を始める事になった。
胸元に刻まれている、奴隷紋と呼ばれる百円玉ぐらいの小さな刺青におっさんが手を当てる。すると、段々と発光してきて蜥蜴男が少し苦しそうにし始めた。
光が収まると蜥蜴男の奴隷紋は綺麗さっぱり消え去っていた。
次にクレアの番だ。おっさんがさっきと同じように、クレアの胸元にある奴隷紋に手を当てる。結果としておっぱいを触っているので、俺としては大変うらやまけしからん気持ちだ。
蜥蜴男同様発光が始まり、次第に目を開けてられない程の光量になる。そして少しずつ光が収まると、少し苦しそうにしていたクレアの胸元にさっきまでとは違う形の奴隷紋が刻まれていた。
これで再契約完了らしい。
しばらく新しい奴隷紋を眺めていたクレアが近寄ってきて、頭を下げた。
「これからよろしくお願いします。ご主人様」
こんな娘と旅が出来る俺は幸せ者だな。
その後、何度も何度も礼を言って頭を下げる蜥蜴男と別れた。
そう言えば名前も聞いてなかったな。まぁ、男にはあまり興味ないから別に良いか。彼なりに元気にやっていてくれればそれでいい。
ゴタゴタが終わったので、当初の目的どおり、とりあえず冒険者ギルドに行ってみるか。依頼とか受けて稼げるかもしれないし。
歩きながら横を歩くクレアを改めて見てみる。意識を集中させると彼女のステータスが表示された。
●クレア:レベル3
HP 23/23
MP 5/5
筋力:レベル1
知力:レベル1
幸運:レベル2
▼所持スキル
なし
俺の奴隷になったせいか、ステータスを細部まで見ることが出来た。
彼女は魔法の類があまり得意でないのか、俺の初期ステータスと比べてMPが少ない。その代わりなのかわからないが幸運のレベルが高い。
今回生き残ったのも、運の良さが関係しているんだろうか。
一緒に旅をするんだから、後でクレアの装備一式も揃えてやらないといけない。それに、以前見えた盾スキルも試してみたいから自分の盾も欲しいしね。
入り口に、日本語ではないが読めてしまう文字で大きく『冒険者ギルド』と書いてある建物を見つけた。
中に入ると少し広い待合室のようなスペースがあり、テーブルがいくつか置かれている。トラブル防止のためなのか、酒類の販売はしていないようだ。
入り口付近にある掲示板には、いくつか張り紙がしてあった。今も何人かが熱心に眺めては何やら相談している。
あれが依頼なんだろうな。
受付には獣人のお姉さんが座っていた。クレアとは耳の形が違うから、他の種族なのだろう。
どことなく犬っぽいので、勝手に犬族と予想する。
「すいません。ギルドは初めてなんですが」
「登録希望ですか?」
「はい。俺と彼女の二人です」
言いながら腰に手を回してクレアを横に並ばせる。お姉さんは一瞬クレアに視線を向けたが、そのまま俺に向き直った。
なんだろ? 犬と猫だから仲悪いのか?
「ではまずランクから説明しますね。冒険者にはランクと呼ばれる階級制度があり……」
お姉さんの説明によると、冒険者のランクは下から『青銅』『銀』『金』『金鋼鉄』の四つ。
ギルドに登録した冒険者にはそれぞれのランクに合わせたプレートが支給されて、各種割引などの特典も与えられるようだ。
依頼をこなした数やギルドに対する貢献具合で次のランクに昇格する。
ただし、あまりにもサボったりギルドからの緊急要請を断ったりし続けていると、ランクが下がる事もあるようだ。
どのランクの依頼でも受けられるが依頼書には推奨ランクが書かれていて、上のランクの仕事を請けて死んでも完全な自己責任となる。
また、パーティーを組んでいると経験値の共有が出来るとわかった。パーティーで一番多く獲得した人物と同じ経験値をもらえるらしい。
これは初心者救済の一環で、ステータス画面でパーティー申請を受諾すると発動する魔法のようだ。
パーティーメンバー同士はステータスの細部をお互いに見られることもわかった。忘れない内にさっそくクレアとパーティーを組んでおく。
「説明は以上です。それでは冒険者生活を頑張ってくださいね」
長々と説明してくれたお姉さんからブロンズのプレートを二人分受け取った。ここからどこまで上のランクに上がれるか、楽しみだ。
掲示板を見てみると、ブロンズランク推奨の依頼がいくつか貼り付けてあった。ペット探しや家の掃除、薬草の採取など、このクラスで出来ることは雑用ばかりらしい。
井戸に発生したスライム退治や夜中に農作物を奪っていく害獣退治などもあるが、数は少ない。
初心者らしく、まず小手調べに薬草採取の依頼を受ける事にする。
初心者が無理すると碌な事にならないしね。クレアも居るし、激しい戦闘は回避しておこう。
受付のお姉さんに依頼を受けると告げると、詳しい内容の書かれた依頼書を手渡された。
依頼内容は、今居るコペルの街から南西に二日ほど行った所にある森林に向かい、薬草を採取して戻って来る事。
薬草の特徴は絵で説明してあってわかりやすい。
薬草ひとつにつき銅貨二枚が支払われる。期限は一週間で、それを過ぎると失敗とみなされるようだ。罰金は無し。
途中魔物に遭遇した場合、退治して魔石を回収すればギルドで買い取ってくれるとある。
依頼主は「コペル冒険者ギルド」となっていた。これは完全に初心者向けで、初心者を鍛える目的に、ギルドが常に出している依頼のようだった。
薬草の成長は早く需要も多いので、常に誰かが受けているらしい。
馬車に揺られること数時間、ちょうどコペルまでの中間地点に着いたとの事で、今日はここで野営するらしい。
「兄ちゃん、悪いけど見張りを手伝ってくれ。人手が足りないんだ」
「え? ええ、まあ……良いですよ」
面倒なので断りたかったが乗せてもらっている手前断りにくい。
専属の護衛は居ないのかと問うと、この辺りは治安が良いし、魔物も滅多に姿を現さないから安心なんだとか。護衛を雇うぐらいなら儲けに回した方がいいらしい。
多少不用心だとは思うが、そんなものなのかね。
見張りをすると言っても俺にはマップがあるから、実際に目を凝らして警戒する必要が無い。
マップの反応にだけ注意しておけばいいだろう。とりあえずマップスキルは消さずに表示させておく。
二人一組で順番に交代しながら見張りをしていると、運の良いことに俺の相棒は気になっていた猫族の娘になった。多少緊張して焚き火を挟んで向かい合う。
彼女は相変わらず生気のない表情で焚き火を見つめているだけだ。
ずっと黙っているのも気まずいので、こちらから話を振ってみよう。
「君の名前は何ていうの?」
「……クレアです。でも、買われたら新たに名前を付けられるので、別の名前になると思います」
「なんで奴隷になったのか聞いていい?」
「……いいですよ。よくある話ですけど」
ぽつりぽつりと話し始めたクレア。
彼女が住んでいた村は昔から貧しく、何とか食うに困らないという程度だった。だが二~三年前から不作が続き、村はジリ貧になっていったそうだ。
この調子で不作が続くと餓死者が出るかもしれない。なんとかこの状況を打開しようとした村の人々は、高価な農機具(魔石入り)を借金して共同で購入。
これで農地を開墾しようとした矢先、魔物の襲撃を受けた。なんとか撃退したものの被害は甚大。買ったばかりの農機具も壊されたそうだ。
借金の返済を迫られるも当然返す当ては無い。誰かを人身御供に差し出すしか無かったという訳だ。
「……両親や幼い兄弟達を守るためには、一番高く売れる私が奴隷になるのが良かったんです」
悲惨すぎてかける言葉が無い。
この世界には日本と違って自己破産制度も無いだろうから、一度しくじれば身の破滅なのだ。
魔物もいるし、つくづく生きるのに厳しい世界なんだなと実感する。
「でも大丈夫です。返済が終われば奴隷から解放される事もあるんですよ?」
弱々しく微笑むクレアに、俺はそうだねと返事をすることしか出来なかった。
本心から解放されると思っているなら、そんな辛そうな顔は見せるはずが無いだろうに。
その時、表示したままのマップに赤い点滅が複数出現した。
「敵だ!」
鋭く短い警告を発すると、寝ていた連中が飛び起きる。クレアも慌てて護身用のナイフを手に取った。
「敵って、確かなのか!?」
まだ半信半疑なのだろう、奴隷商が装備を確認しながら身を寄せてきた。ええい、寄るな鬱陶しい。
「何かまではわからん。だが確実に近づいてる! 数は二十を下らないぞ」
まいった。今まで一対一でしか戦った事無いんだよな。未知の敵を相手に初めての集団戦。どの程度戦えるだろうか。
最悪の場合は逃げるしかないが、せめてクレアだけでも逃がしてやりたい。
他は自力で何とかしてもらおう。俺は正義の味方でも何でもないんだから。
こっち側で戦力になりそうなのは、俺以外だと蜥蜴男に奴隷のおっさん、後は奴隷商ぐらいか。
俺と同じ歳ぐらいの少年は冒険者でもないんだから戦力に入れないほうがいいだろう。現に今もブルブル震えているし。
「包囲が狭まってる。もう視界に入りそうな距離……そっちだ!」
マップを確認するともう敵集団は至近距離まで迫っていた。焚き火の光が届くか届かない森の暗闇から、何者かが飛び出してくる。
「ゴブリンだっ!」
奴隷商が泣きそうな顔で叫んだ。
ゴブリン。RPGなどでは一般的な雑魚で知名度だけはある。体長百四十センチ程で浅黒い肌を持ち、錆びた剣や棍棒などで武装している子鬼だ。
ゲームの知識だとこいつらは常に集団で行動する習性があったはず。てことは、運悪く群れに遭遇しちまったって事か。
「くらえっ!」
魔物相手に遠慮はいらないので、さっそく覚えたばかりの氷結魔法で攻撃を始めた。
飛び出してきた最初の一匹の胸を貫いて一撃で絶命させる。
二匹目、三匹目と氷結魔法を連続で撃つが、次から次と出てくるので追いつかない。
俺の魔法の発動より奴らの接近の方が速いのだ。
「クギャーッ!」
ゴブリンの声が聞こえたと思ったら、すぐ近くで剣戟の音が鳴り始めた。誰かが戦い始めたんだろう。
そっちは任せておいて、とにかく正面から来る連中を片付ける事に専念する。
幸いクレアは健在で俺の横で武器を構えている。意外と肝が据わってるのかも知れん。
前から迫るコブリン達が目の前まで接近してきたので、短剣を抜き放ち魔法から接近戦に切り替える。
意識を集中すると、ゴブリンのステータスが確認できた。
『ゴブリン:レベル7』。今の俺にはなかなかの強敵だ。
「クレア! 離れるなよ!」
そう叫ぶと俺は一歩踏み出し、錆びた短剣を振りかざしたゴブリンを袈裟懸けに斬り捨てる。
ぐらりと倒れてきた死体を足蹴にして、その後ろに居た奴の腹に短剣を突き立てた。
「きゃっ!」
見るとクレアがゴブリンの攻撃を短剣で受け止めていた。
野郎なんて事しやがる! ぶっ殺す!
クレアと戦っているゴブリンを後ろから斬り捨てると、周りの状況が見えた。
蜥蜴男がどこで拾ったのか、バットぐらいの太さの棒を振り回して応戦している。おかげでゴブリン達は近づけないようだ。
奴隷のおっさんは地面に倒れてピクリとも動いてない。背中にはいくつか深い切り傷があった。血溜まりが出来ているので、恐らくは絶命しているのだろう。
奴隷商のおっさんも苦戦中だ。すでに全身から出血している。
少年とおばちゃんはいつの間にか居なくなっていた。何処かに逃げたんだろうか? だが最初に確認した時に完全に包囲されていたから、逃げられたとも思えない。
残るゴブリンは後八匹ほどか。氷結魔法を連発しながら手近なゴブリンに走り寄り、首を刎ね飛ばす。
形勢不利と見たゴブリン達が逃走を図るも、俺は見逃してやるほど甘くない。逃げるゴブリンの背に氷結魔法を放ち、斬りつけ、やがて動くゴブリンはいなくなった。
「クレア!?」
ハッとしてクレアを確認すると、彼女は短剣を手に持ったまま座り込んでいた。安心して腰が抜けたのだろう。怪我は無いようなので一安心だ。
地面に倒れて荒い息をつく奴隷商は、すでに出血で意識が朦朧としているようだ。急いで止血してみたが、手当の甲斐なく彼はそのまま息を引き取った。
周囲を探すとおばちゃんと少年の遺体も発見した。やはり逃げ切れなかったようだ。回復魔法のひとつでも使えれば結果は変わっていたかもしれないなと、少しだけ後悔する。
奴隷商達の遺体を集めて炎で焼く事にした。
放って置くとアンデッド化するらしいので、見つけた遺体は火葬が基本だと蜥蜴男に教えられたのだ。
ゴブリン達と一緒に焼くのは少し抵抗があったが、悪く思わないでくれよ。
「追剥ぎみたいだけど、放置しておくのもな」
使い道が無い奴隷商の所持品を三人で分配しようとしたが、それは二人に断られた。
解放前の奴隷が単独で行動し、尚且つ大金を所持していたら確実に逃亡奴隷と判断されて、悪くすれば極刑もありえるそうだ。
二人の希望としては、このまま俺に街まで連れて行ってもらって役人に事情を話し、処遇を決めてもらいたいとの事だった。
なんでも主人が死んで奴隷だけが生き残った場合、所有権が最初に拾った人に移るんだとか。
それならばと、二人を連れて街を目指す事にする。
ちなみに馬車は使えなかった。馬がやられていたからだ。
同じ場所でまた野営する気にもならなかったので、そのまま出発した。
道中ステータスを確認すると、レベルが上がっていた。
●エスト:レベル13
HP 170/170
MP 120/120
筋力レベル:2(+2)
知力レベル:2(+3)
幸運レベル:1
▼所持スキル
『経験値アップ:レベル1』『剣術:レベル1』
『マッピング:レベル1』『火炎魔法:レベル1』
『無詠唱:レベル1』『筋力アップ:レベル2』
『隠密:レベル1』『知力アップ:レベル2』
『盾:レベル1』『氷結魔法:レベル1』
新たなスキルを獲得できます。次の中から選んでください。
『HPアップ』
『MPアップ』
『幸運アップ』
『剣術:レベル2』
『経験値アップ:レベル2』
ゴブリン戦では自分の力不足を痛感した。そこそこ戦えるつもりでいたが、まだまだ初心者に毛が生えた程度でしかなかったんだ。
早急にレベルを上げて強くならねば、という事で経験値アップのレベルを上げた。
改めて自分のスキルを見直すと、レベルの割に数が多いような気がする。
何とか誤魔化せないかと試行錯誤していたら、偶然ある方法を発見できた。
表示されているスキルに視線を合わせて「隠れろ」と念じると、スキル欄から消えたのだ。一瞬焦ったが「表れろ」と念じれば再び見えるようになる。
これで何とか他人にステータスを見られても大丈夫になっただろう。
不自然じゃないようにいくつかそのままにして、後は全て隠蔽しておいた。
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「やっと……着いた……」
「疲れましたね……」
「無事に辿り着けたか……」
夜通し歩き続けた俺、クレア、蜥蜴男の三人は、昼過ぎになってようやくコペルの街に到着した。
コペルの街は、高さ十メートルはある市壁に囲まれている。外敵に対する厳重な備えから見て、かなりの人口密度なのかもしれない。
入り口にある兵士詰め所に向かい、道中ゴブリンの襲撃を受けた事と、生き残りの奴隷を連れている事を告げた。
すると特にトラブルになることもなく淡々と事務手続きが終わり、奴隷の再契約か解放かを、街にある「契約所」と呼ばれる施設に行って決めるようにと指示された。
正直くたくたに疲れていたが、先にやるべき事を済ませないと安心して眠れない。疲れた体に鞭打って兵士の言う契約所に向かった。
途中にあった屋台では、パンに切れ込みを入れて肉を挟んだホットドッグのような食べ物が売っていた。目を引かれたので、俺が三人分買ってみんなで食べる。
三人とも腹が減っていたので貪るように齧りつき、あっと言う間に食べてしまった。
屋台のおっちゃんに道を教えてもらい無事に辿り着くと、どうやら契約所は奴隷を売買する店舗と併設されているようだった。
イカツイおっさんばかりだったらどうしようと少し緊張したが、中に入るとそんな事も無く、綺麗なお姉さんが受付をしていた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
と、随分丁寧な物腰で声をかけられる。
「奴隷の再契約と解放をしたいのですが」
「かしこまりました。手続きには奴隷一人につき銀貨一枚が必要となっております。先払いでお願いしますね」
にっこり笑うお姉さんに銀貨を二枚渡す。今は亡き奴隷商には結構な所持金があり、当分金に困りそうも無い。
そうこうしてると顔に刺青の入ったおっかないおっさんが奥から出てきた。この人が実際の儀式をするのだろう。
道中話し合って決めたのだが、蜥蜴男は解放してお金を渡し、クレアは俺の奴隷として再契約する事になった。
蜥蜴男は、奴隷商の遺産の三分の一をもらったら自力で生きていけるそうだ。
一方のクレアは、今更借金を返して自由になっても家族のもとには帰りづらいし、かと言って一人で生きるのも不安だから、出来れば一緒に連れて行って欲しいと言った。
美少女と旅を出来るなんて俺としては願ったり叶ったりなので、ふたつ返事で了承して今に至る。
まず蜥蜴男から儀式を始める事になった。
胸元に刻まれている、奴隷紋と呼ばれる百円玉ぐらいの小さな刺青におっさんが手を当てる。すると、段々と発光してきて蜥蜴男が少し苦しそうにし始めた。
光が収まると蜥蜴男の奴隷紋は綺麗さっぱり消え去っていた。
次にクレアの番だ。おっさんがさっきと同じように、クレアの胸元にある奴隷紋に手を当てる。結果としておっぱいを触っているので、俺としては大変うらやまけしからん気持ちだ。
蜥蜴男同様発光が始まり、次第に目を開けてられない程の光量になる。そして少しずつ光が収まると、少し苦しそうにしていたクレアの胸元にさっきまでとは違う形の奴隷紋が刻まれていた。
これで再契約完了らしい。
しばらく新しい奴隷紋を眺めていたクレアが近寄ってきて、頭を下げた。
「これからよろしくお願いします。ご主人様」
こんな娘と旅が出来る俺は幸せ者だな。
その後、何度も何度も礼を言って頭を下げる蜥蜴男と別れた。
そう言えば名前も聞いてなかったな。まぁ、男にはあまり興味ないから別に良いか。彼なりに元気にやっていてくれればそれでいい。
ゴタゴタが終わったので、当初の目的どおり、とりあえず冒険者ギルドに行ってみるか。依頼とか受けて稼げるかもしれないし。
歩きながら横を歩くクレアを改めて見てみる。意識を集中させると彼女のステータスが表示された。
●クレア:レベル3
HP 23/23
MP 5/5
筋力:レベル1
知力:レベル1
幸運:レベル2
▼所持スキル
なし
俺の奴隷になったせいか、ステータスを細部まで見ることが出来た。
彼女は魔法の類があまり得意でないのか、俺の初期ステータスと比べてMPが少ない。その代わりなのかわからないが幸運のレベルが高い。
今回生き残ったのも、運の良さが関係しているんだろうか。
一緒に旅をするんだから、後でクレアの装備一式も揃えてやらないといけない。それに、以前見えた盾スキルも試してみたいから自分の盾も欲しいしね。
入り口に、日本語ではないが読めてしまう文字で大きく『冒険者ギルド』と書いてある建物を見つけた。
中に入ると少し広い待合室のようなスペースがあり、テーブルがいくつか置かれている。トラブル防止のためなのか、酒類の販売はしていないようだ。
入り口付近にある掲示板には、いくつか張り紙がしてあった。今も何人かが熱心に眺めては何やら相談している。
あれが依頼なんだろうな。
受付には獣人のお姉さんが座っていた。クレアとは耳の形が違うから、他の種族なのだろう。
どことなく犬っぽいので、勝手に犬族と予想する。
「すいません。ギルドは初めてなんですが」
「登録希望ですか?」
「はい。俺と彼女の二人です」
言いながら腰に手を回してクレアを横に並ばせる。お姉さんは一瞬クレアに視線を向けたが、そのまま俺に向き直った。
なんだろ? 犬と猫だから仲悪いのか?
「ではまずランクから説明しますね。冒険者にはランクと呼ばれる階級制度があり……」
お姉さんの説明によると、冒険者のランクは下から『青銅』『銀』『金』『金鋼鉄』の四つ。
ギルドに登録した冒険者にはそれぞれのランクに合わせたプレートが支給されて、各種割引などの特典も与えられるようだ。
依頼をこなした数やギルドに対する貢献具合で次のランクに昇格する。
ただし、あまりにもサボったりギルドからの緊急要請を断ったりし続けていると、ランクが下がる事もあるようだ。
どのランクの依頼でも受けられるが依頼書には推奨ランクが書かれていて、上のランクの仕事を請けて死んでも完全な自己責任となる。
また、パーティーを組んでいると経験値の共有が出来るとわかった。パーティーで一番多く獲得した人物と同じ経験値をもらえるらしい。
これは初心者救済の一環で、ステータス画面でパーティー申請を受諾すると発動する魔法のようだ。
パーティーメンバー同士はステータスの細部をお互いに見られることもわかった。忘れない内にさっそくクレアとパーティーを組んでおく。
「説明は以上です。それでは冒険者生活を頑張ってくださいね」
長々と説明してくれたお姉さんからブロンズのプレートを二人分受け取った。ここからどこまで上のランクに上がれるか、楽しみだ。
掲示板を見てみると、ブロンズランク推奨の依頼がいくつか貼り付けてあった。ペット探しや家の掃除、薬草の採取など、このクラスで出来ることは雑用ばかりらしい。
井戸に発生したスライム退治や夜中に農作物を奪っていく害獣退治などもあるが、数は少ない。
初心者らしく、まず小手調べに薬草採取の依頼を受ける事にする。
初心者が無理すると碌な事にならないしね。クレアも居るし、激しい戦闘は回避しておこう。
受付のお姉さんに依頼を受けると告げると、詳しい内容の書かれた依頼書を手渡された。
依頼内容は、今居るコペルの街から南西に二日ほど行った所にある森林に向かい、薬草を採取して戻って来る事。
薬草の特徴は絵で説明してあってわかりやすい。
薬草ひとつにつき銅貨二枚が支払われる。期限は一週間で、それを過ぎると失敗とみなされるようだ。罰金は無し。
途中魔物に遭遇した場合、退治して魔石を回収すればギルドで買い取ってくれるとある。
依頼主は「コペル冒険者ギルド」となっていた。これは完全に初心者向けで、初心者を鍛える目的に、ギルドが常に出している依頼のようだった。
薬草の成長は早く需要も多いので、常に誰かが受けているらしい。
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書籍第1~4巻が発売中です。
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