私を捨てたのは貴方達

この国には、国を支える四つの公爵家があった。
一つが、自然の恵みを持つ公爵家。
二つが、闇と光を纏う公爵家。
三つが、魔力の源の公爵家。

そして、四つ目が、神に愛された公爵家である。

昔、精霊に与えられた四つの力。それらの当主は1世代に一人生まれる異能持ちの子。
この中のどれかの公爵家がなくなれば、国に平穏は二度と訪れない。



そして、私こと四つ目の公爵家、クローズロール家の、
エンリル・クローズロール。

私には姉アネリーがいる。家族や使用人などにも暴言を吐かれ、私は家の中に居場所がなかった。
なぜかというと、私は両親に似てなかったからだ。どちらかが不倫してできた子、の討論に発展し、姉の一言でその話は終わったそうだ
「なら、この子捨てちゃえばー?」
私は、酷く残酷な扱いを受けながらも、ここにいた。
息をしていた。

でも、ある日十八歳になった私は異能が使えることに気づいた。だから、私は殺された。あの、腐った親子達に。

暗い、何も見えない、何もわからない、暗いのは嫌。怖い、助けてよ。

「ごめんなさい、酷なことをさせてしまって……大丈夫、次は上手くできますよ、好きに生きてくださいね。ずっと、私達はいますから」

光が見えた、銀色の髪が見えた。

神に愛された公爵家、あぁ、なるほど。助けてくれたんだね。
次はうまくやるよ、抜け出してやる。

そして、私は五歳にもどった。

他の公爵家に引き取られ、当主の証異能が出てきた頃、エンリルは一度家に帰ることに。
神の血筋を受けた当主のエンリル、堂々とした立ち振る舞いに家族はとうとうこんな発言をしてしまう。
「出ていけ…!!異能などなくても姉がいるんだぞ!」
「わかりました」



「さぁ、どうなりますかね」
残ったのは、破滅だけでしょうが。
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