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しおりを挟むそんなところにまたも今は会いたくない者が現れることになった。
「あら、お兄様。そんなところで、どうしたの?」
「デルフィーヌ」
マクシミリアンは、何とも言えない顔をして妹を見た。彼女は、王太子の母親違いの異母兄妹だが、それに今は、構っている余裕はなかった。母親同士が、それはもう仲が悪い。何がそんなに気に入らないのかと思うほどに仲が悪い。
なのにユルシュルのことをどちらの母も気に入っている影響なのか。ユルシュルのことをこの異母妹は気に入っていた。
よくわからないが、ユルシュルは疲れている時に会いたくない1人が彼女だったりするが、そんな顔も態度もしないように気を付けていた。
会いたくない理由は、デルフィーヌがユルシュルを見つけると……。
「あ、ユルシュルお姉様までいるのね!」
「……」
デルフィーヌは、異母兄の向こう側にユルシュルがいるのを見て、嬉しそうに目を輝かせて名前を呼んだ。何なら、異母兄を思いっきり横に退かして、ユルシュルに抱きつかんばかりに近づいた。
王太子にこんなことをするのは、この妹くらいしかいない。退かすなんてせずに自分が回り込めば済むことなのだが、それをわざとしないのが彼女だ。
それに慣れているマクシミリアンも、そんなことで怒ることはしない。ただ、呆れるだけだった。他でやっているのを見れば、マクシミリアンとて怒るのだろうが、これをやるのは今のところ、兄にだけであり、ユルシュルを見た時に少しでも短縮して、側に寄りたいという意思表示でもあった。
もっとも、それが一番問題な気がしているのは、それをよく見ているユルシュルだったりする。この異母兄妹は仲が良いから許されることだと思って黙っているが、王太子にしてはいけないはずだ。
デルフィーヌとて、まずい時にはやらないから、弁えてはいる。……そう思いたい。
でも、ゆっくり休みたいユルシュルには、なぜか好かれているのがわかっても疲れている時に相手はしたくはない。
この王女は、ユルシュルの妹とは大違いだ。ベアトリスは、いついかなる時でもやるのだ。その辺からするとデルフィーヌが妹だったら良かったのにと思わずにはいられない。
そんなことを思いつつ、王太子の側近を見た。流石に王女を通せんぼしきれなかった彼は、マクシミリアンと目を合わせないように必死になっているところだった。
変にわかりやすい合図を出せば、デルフィーヌに何か言われることになる。必死の彼は、目が合ってから初めて王女に気づいた顔をした。
「「……」」
それに王太子とユルシュルは、渾身の初めて気づきましたって顔をされているのを見て、無言となっていた。
デルフィーヌは、ユルシュルがいるのにご機嫌で抱きついているから、ユルシュルたちの顔を見てはいない。
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