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しおりを挟む「お前は、王を継ぐ者だ。すべきことを間違うな」
「っ、」
「颯と珠紀のことは、私に任せろ。それと愚息が、こっちに来ようとしてるだろうから、それは任せる」
「……わかりました」
晃は、悔しそうにしながらも、祖父の言うことに頷いた。
「そんな顔をするな。必ず、助ける。可愛い孫をこれ以上、拐われたままになんぞしてはイられないからな。何より、可愛い孫の嫁になりそうな娘に猫族のことを嫌われでもしたら、立ち直れそうにない」
「っ、」
白の指揮によって、速やかに颯と珠紀を助けるべく動くことになった。
晃は、自分も行くと暴れる父王を止めるために奮闘することとなった。
もっとも、晃は自分が弟と珠紀を救い出すメンバーになれなかった腹いせに王だというのにそれを鑑みずに暴れまくる父王に我慢の限界を迎えて失神させて、大人しくさせることになったのは、割と早かった。
「晃様」
「起きたら面倒くさいだろうから、ベッドにでも縛り付けておけ」
「……」
「お祖父様が行ったんだ。父上まで行ったら、どうなると思う?」
「人間界が大変なことになりますね。わかりました。そのようにいたします」
晃は、数名で運ばれて行くぐったりした父親に手加減しなさすぎたなと思えど、後悔はしていなかった。
猫さらいに手を貸した同族を牢にいれることも忘れなかった。何より、珠紀をよく思っておらず、彼女に何かしようとして、猫さらいに加担したことに腹が立って仕方がなかった。
どちらも無事に取り戻せても、処分は無罪放免にはできないだろう。
「もう、あんな思いはごめんだ」
晃は、猫さらいが何をしたかを知っていた。さらうだけでなく、食べることを。それを猫族の大半が知らない。
愛玩動物として、側に置くのだと思われていた。食べることが目的なのだと知られたら、人間界への入口を閉じようと声があがるのを止められなくなるのが目に見えているからだ。
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