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第2章
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しおりを挟むふと、王太子となったエルウッドと婚約したジュニパーが、気になった。散々、嫌味なことばかりされていたが、彼と婚約したのなら、ストレスも溜まりそうだと思って、ちょっぴり同情もしてしまった。
ほんのちょっとだけだが。それこそ、婚約してから何年も王太子妃となるためにジュニパーは、お妃教育をしてきたのだ。評判はともかく、やること成すことがウィスタリアに当たり散らすばかりだった。それも卒業が間近だ。
卒業して、すぐにとはいかずとも、いずれは結婚するのだが、エルウッドは昔から勉強をできればしたくない王子だった。ジュニパーも、同じようにやっているように言っているか、授業の回答を見ているとお妃教育どころか。学業の方もいまいちにしか見えなかった。
お互いが勉強が好きではないのなら、卒業してすぐに、結婚は無理だろう。特にジュニパーは、古代語に関しては王妃の試験を受けて合格しなければ、結婚を許されない習わしだ。
その上、一度不合格となると2年もの間を空けないと試験を受けられないため、受けるタイミングを見計らわないと難しいのだ。
ふと、そのことをあの2人は知っているのだろうかと疑問が生まれた。
大体、婚約者候補に残った面々のうち3人が辞退をしたのも、古代語のせいだ。婚約してからも、結婚してからも勉強し続けることになるのだ。
(王太子の婚約者に選ばれたら名誉だけど。その後、王太子がカバーしてくれたりしないと大変なのよね)
あの古代語の王妃の試験も、半分を王太子が引き受けてくれて、王太子だけが合格して、婚約者が不合格だと1年後に受けられるのだ。
そして、その1年後にまた同じことになって次は半年と2人が合格するまで続くのだ。流石に2回も落ちた方はいないが。
逆に王太子に余裕があれば、半分以上を引き受けて更にその合格率と不合格の度合いで、次の試験までの日数が変わるのだ。
(まぁ、あれは口外できない内部情報らしいけど。フロリアン様が、それで王太子が卒なくこなすのを見て、婚約者から尊敬の眼差しを向けられて、そこから恋に発展することもあるって教えてくれてたっけ。……私が、堪能になりすぎるとかっこつけられないとも言っていた。どこまで本気だったのかはわからないけど。懐かしいわね)
それに令嬢だけで合格した者はいないと聞いて、俄然1人で合格してやろうと思っていた。記憶が曖昧となっていても、あれだけ古代語で必死になっていたのも、それが理由だったようだ。
彼が選んだ婚約者が、たった1人で王妃の試験に合格したら、ウェールズでは……。
(って、あの試験のことより、今大事なのは、別のことよ)
ウィスタリアは、あれこれと思い出に耽りながら、あの試験のことを考えていたが、それよりも大事なことがあった。
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