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しおりを挟むドゥニーズたちは、その後、姉妹喧嘩となるも、エディットが事実を両親に調べてほしいと訴えることをやめなかった。
「エディット! そこまでして、姉の幸せの邪魔をするの!!」
「……誰かを踏みつけて幸せになるつもりなんですか? そんなの邪魔するに決まってます」
婚約が決まりかけているのにと渋っている両親にエディットは……。
「とんでもないことを幼なじみにしていたのが知られたら、どうなるかわかってますよね?」
「……それは」
「エディット。あなた、そこまでして姉を貶める側に加担するつもりなの?」
母は、信じられない顔をして、末娘を見ていた。そんな顔をされてもエディットは痛くも痒くもない顔をしていた。
「元婚約者と婚約する前から、本命がいたのに別れたフリして付き合っていたから、浮気しているところを目撃されたのですよね? そのパーティーにアルレット様がいなかったのを知ってますか?」
「は? いたわよ。従兄と来てたわ!」
ドゥニーズは、確かにいたと言っていたが、後日調べた両親は、長年聞かされていたことが嘘だったことを知ることになった。
アルレットもその従兄もパーティーにいなかったことがわかり、ドゥニーズを問い詰めると何があったかを話し始めて不貞腐れた。
それこそ、婚約が決まりそうなのに酷いことをするとドゥニーズは言っていたが、両親は……。
「酷いのは、お前だ」
「そうよ。それどころか。何も言わずに庇ってくれていたのにあなたは、ずっと悪く言い続けていたなんて」
「何も言わないなら、ずっとそうしてくれていればよかったのよ」
まるで、反省していないことを言っていた。開き直るドゥニーズに両親は、凄い顔をしていた。
「姉さん。それだけじゃないわよね?」
「まだあるのか?」
「は? ないわよ」
エディットは、謝罪の一言も言わない姉に腹が立ってしまい、王太子のことを両親に告げ口した。
「っ、候補になったわ! エディット! 嘘つかないでよ!!」
だが、頑なに婚約者の候補になって、アルレットと競ったのは事実だと言った。それは、絶対に間違いないとまで言ったのだ。
「なら、確認してもらえばいいわ」
ドゥニーズは、そんなわけないとして両親に調べてもらうことに同意した。
「エディット。あとで、謝罪するのよ」
「……」
姉は謝罪することになるのは、妹だと思っていたが、そうなることはなかった。
「は? 候補ですらなかった……? そんなわけないのに」
「お前は、嘘ばかりだな」
「この子の言うことばかり鵜呑みにしてきたのに」
「そんなわけない!」
候補にすら名前がなかったことを知って、アルレットに怒鳴り散らしに行ったのは、それから間もなくのことだった。
両親は、よく調べもせずにドゥニーズが言うままに信じていて、今更どうすればいいのかとそれに頭を悩ませていて、エディットはそんな家族に呆れた顔をしていた。
誰も、アルレットのところに謝罪に行こうと思わないところに何とも言えない顔をしていた。
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